2026-03-19 コメント投稿する ▼
外務省がイラク全土に退避勧告、米イスラエルとイランの武力衝突影響で最高レベル
外務省は2026年3月19日までに、イラク全土の危険情報を最も高いレベル4(退避勧告)に引き上げました。米国・イスラエルとイランの武力衝突の影響で、イラク各地で親イラン武装勢力への攻撃が発生していることに伴う措置です。
最高レベルの退避勧告
外務省は、イラクへの渡航は目的を問わず中止するよう求め、滞在中の邦人に対して即時退避を呼び掛けました。
危険情報のレベル4は、外務省が設定する4段階の危険レベルのうち最も高く、「退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」を意味します。レベル4が発出されるのは、戦争や内戦、大規模テロなどで現地の治安情勢が極めて悪化している場合です。
中東情勢の緊迫化
米国は3月14日にイランの軍事拠点を攻撃し、イランも報復攻撃を実施しています。イスラエルも3月17日にイラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長を殺害するなど、中東情勢は急速に緊迫化しています。
こうした中、イラク国内では親イラン武装勢力が展開しており、米国やイスラエルによる攻撃の標的となっています。イラク各地で親イラン武装勢力への攻撃が発生しており、日本人が巻き込まれる危険性が高まっていると判断されました。
イラクには、イスラム教シーア派の聖地があり、親イラン勢力の影響力が強い地域です。米国とイランの対立が激化する中、イラクが両国の代理戦争の舞台となる懸念が強まっています。
日本政府の対応
外務省は、イラクに滞在中の邦人に対して、商用旅客便などあらゆる手段を使って直ちに退避するよう求めています。また、これからイラクへの渡航を予定している人に対しては、目的を問わず渡航を中止するよう呼びかけています。
日本政府は3月11日に開催されたG7オンライン首脳会議で、ホルムズ海峡を含む海上輸送路の安全確保について議論しました。フランスが議長国として発表した声明では、航行の自由の回復に向けて各国が協力していくことで合意し、安全上の条件が整った際に船舶の護衛ができるかの検討を始めたとしています。
しかし、自衛隊の派遣については何ら決まっていません。木原稔防衛相は3月13日の記者会見で、「自衛隊の派遣については何ら決まっていません。いずれにせよ、現在最も重要なことは、事態の早期沈静化です」と述べています。
エネルギー安全保障への影響
イラン情勢の緊迫化は、日本のエネルギー安全保障にも大きな影響を与えています。ホルムズ海峡は日本が輸入する原油の約9割が通過する重要な海上輸送路であり、この海峡が封鎖されれば日本経済に深刻な打撃を与えます。
高市早苗首相は19日にワシントンでトランプ大統領と会談し、イラン情勢への対応についても協議する見通しです。日米首脳会談では、エネルギー分野での協力強化や、原油の対日輸出増加に向けた事業への投資検討も議題になるとみられます。
外務省は今後も中東情勢を注視し、必要に応じて危険情報を更新する方針です。