2026-03-26 コメント投稿する ▼
医療・介護の人材紹介手数料に上限規制を 医師会と病院団体、上野厚労相へ要望書
この度、医療・介護従事者の代表組織である日本医師会と全国病院会が、人材紹介手数料に上限規制を設けるよう求める要望書を、上野賢一郎厚生労働大臣に提出しました。 その解決策として人材紹介会社への依存度が高まる一方で、人材紹介会社に支払う手数料の高騰が、各事業者の経営を圧迫しています。
背景
深刻化する人手不足と人材紹介手数料の高騰急速に進む高齢化は、医療・介護サービスの需要を押し上げる大きな要因です。しかし、これらの現場では、長年にわたり専門職や介護職の人手不足が深刻化しており、十分なサービス提供体制の維持が困難な状況にあります。多くの医療機関や介護施設では、採用活動の主力として、外部の人材紹介会社を利用していますが、その手数料負担が経営を圧迫しているのが現状です。人材紹介会社に支払う手数料は、採用が成立した人材の年収の数割にも上ることが珍しくなく、特に経営基盤の脆弱な中小規模の事業所にとっては、無視できないコストとなっています。こうした背景から、医療・介護従事者の声を聞く立場にある日本医師会と全国病院会が、手数料の適正化を求めて、厚生労働大臣に要望書を提出するに至りました。
現状と課題
手数料負担の重さと経営への影響人材紹介の手数料は、一般的に採用が成立した人材の年収の20%〜30%程度が相場とされています。医療・介護分野においては、専門性の高さから、さらに高額な手数料が設定されるケースも少なくないと見られています。例えば、年収400万円の看護師や介護福祉士を採用できた場合、手数料は80万円から120万円にも達する計算になります。この金額は、事業者の年間収支に大きな影響を与え、人件費の増加や、最新設備の導入、あるいはサービス内容の拡充といった、本来であれば活用したい経営資源を圧迫することになります。高額な手数料の徴収が、結果的に医療・介護サービスの質や、利用者への還元を制限してしまう可能性も指摘されているのです。さらに、手数料の算定根拠が不明瞭であったり、紹介会社との交渉力に差があったりすることで、本来であれば回避できるはずの過大な負担を強いられるケースも想定されます。
上限規制導入への期待
透明化と適正化の必要性今回、日本医師会と全国病院会が提出した要望書は、人材紹介手数料に明確な上限を設けることで、不当に高額な手数料の徴収を防ぎたいという強い意向を示しています。上限規制が導入されれば、医療機関や介護事業者は、採用コストを一定の範囲内に抑えることが可能になり、本来の業務である質の高い医療・介護サービスの提供に、より多くの経営資源を投入できるようになると期待されます。また、手数料の算定方法の透明化や、徴収の適正化が進むことで、業界全体の健全な発展にも寄与すると考えられます。人材紹介会社との力関係で不利な条件を受け入れざるを得ない状況を是正し、事業者が安心して人材確保に集中できる環境を整備することが、医療・介護サービスの持続可能性を高める上で不可欠です。
まとめ
医療・介護業界では、深刻な人手不足が長年の課題となっています。その解決策として人材紹介会社への依存度が高まる一方で、人材紹介会社に支払う手数料の高騰が、各事業者の経営を圧迫しています。こうした状況を受け、日本医師会と全国病院会は、人材紹介手数料に上限規制を設けるよう、上野賢一郎厚生労働大臣に要望書を提出しました。この要望は、手数料の透明化と適正化を図り、事業者の経営安定化とサービス質の維持・向上を目指すものです。今後、厚生労働省がこの問題についてどのように議論を進め、関係各所との調整を経て、上限規制の導入が実現するのか、注目が集まります。