2026-03-14 コメント投稿する ▼
【民泊】複数事業者がひしめくマンション、ごみ問題が深刻化 豊島区の現状と課題
区がウェブサイトで公開している民泊リストによると、このマンションには10以上の事業者が入居し、約30室あるうち、実に21室が民泊として利用されているのです。 このように、複数の事業者が混在し、ごみが散乱しているマンションは、他ではあまり例がないのが現状です。
豊島区、民泊問題のホットスポットに
豊島区は、東京都内23区の中でも3番目に多い、1800を超える民泊施設が登録されている地域です。インバウンド需要の高まりを背景に、民泊施設は年々増加傾向にあります。近年、特に問題視されているのが、ある一つのマンションです。豊島区の担当者は、この物件について「あそこは特別だ」と、ため息交じりに語ります。区がウェブサイトで公開している民泊リストによると、このマンションには10以上の事業者が入居し、約30室あるうち、実に21室が民泊として利用されているのです。
さらに調査を進めると、これらの事業者の会社登記情報には、中華系とみられる氏名が役員としてずらりと並んでいました。民泊制度が始まった2018年当初は、わずか3部屋での登録でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行した2023年以降、このマンションでの民泊施設は爆発的に増加していった記録が残されています。
「ごみ山」と化すマンション、住民の悲鳴
ある日の朝、マンションの通りに面したごみ集積場を訪れると、そこには驚くべき光景が広がっていました。スーツケースを引き、エントランスから出てきた外国人観光客とみられる男性の頭の高さほどまで、ごみが積み上げられていたのです。一部は歩道にはみ出し、通行の妨げにすらなっています。
そのごみの山の中には、民泊で使われたと見られる「使い捨てスリッパ」の包装ビニールや、小型のスーツケースらしきものまで、無造作に捨てられていました。しかし、これらは本来、民泊施設から排出される「事業系ごみ」に該当します。事業系ごみは、家庭ごみとは異なり、専門の処理業者に委託するか、自治体が指定する「事業系有料ごみ処理券」を貼って排出する義務がありますが、この集積場にはそうした対応は見られませんでした。
周辺は閑静な住宅街が広がっているだけに、マンション前の無秩序に散乱したごみの光景は、ひときわ異様で目を引きます。この問題について、区には度々苦情や通報が寄せられ、民泊事業者側への指導も行われてきました。しかし、担当者は「いくつもの事業者がひしめき合っているので、どこの事業者も『(ごみを捨てたのは)うちではない』と言ってしまう」と、対応の難しさを明かします。民泊リストに登録されている他の多くの物件では、一つの建物に民泊事業者が一つだけ入居しているケースがほとんどです。このように、複数の事業者が混在し、ごみが散乱しているマンションは、他ではあまり例がないのが現状です。
責任逃れが常態化?行政指導の限界
なぜ、このような事態が引き起こされてしまったのでしょうか。豊島区の担当者は、あくまで一般論として、その背景を説明します。一部の賃貸マンションオーナーの中には、「民泊使用可能」であることを物件のセールスポイントとして、部屋を貸し出しているケースがあるといいます。こうした物件は、「民泊で利益を上げたい」と考える複数の小規模事業者の格好のターゲットとなり、結果として、このマンションのような特殊な状況を生み出してしまったとみられます。
しかし、事業者が多数にのぼることで、問題発生時の責任の所在が曖昧になりがちです。区が指導に入っても、「うちではない」という事業者が現れるたびに、問題の解決は遅々として進みません。本来、事業系ごみの処理は事業者の責任において行われるべきですが、その責任を複数の事業者が巧みに回避している構図が浮かび上がっています。行政指導だけでは、この複雑に絡み合った問題を根本的に解決することは困難であるのが現状です。
条例改正、しかし根本解決への道は
こうした事態を受け、豊島区では昨年12月に民泊に関する条例を改正しました。新たなルールでは、新規に民泊施設を開業する際には、周辺住民への事前説明会の実施などが義務付けられました。さらに、今年12月からは、これまで年間180日まで認められていた営業日数が、春、夏、冬の休暇期間に限定され、合計120日に制限されることになります。
これらの改正は、地域住民とのトラブルを未然に防ぎ、より健全な民泊運営を促進することを目的としています。しかし、今回の問題マンションのような、複数の事業者が入り乱れ、管理体制が機能不全に陥っているケースに対して、これらの新しいルールがどこまで実効性を発揮できるのか、疑問の声も上がっています。
前出の担当者が「思い当たらない」と答えたように、このような特殊なケースは、条例による一律の規制だけでは対応しきれない可能性があります。住民からは、「ときどき『ガサッ』という、ネズミがうごめくような音が聞こえる」といった声も聞かれ、憂鬱な日々は依然として続いています。インバウンド需要を取り込みつつ、地域社会との共存を図るためには、より実効性のある対策と、事業者間の責任を明確化する仕組みが求められています。
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