2025-05-22 コメント投稿する ▼
那覇市議会、西田昌司議員のひめゆり発言に抗議決議 歴史歪曲発言に沖縄が反発
西田議員の「ひめゆり」発言に那覇市議会が抗議決議
那覇市議会は5月22日、臨時会を開き、自民党の西田昌司参院議員が「ひめゆりの塔」の説明文に対して「歴史の書き換えだ」と述べたことに強く反発し、抗議決議を賛成多数で可決した。決議では、西田議員の発言は沖縄戦の実態や県民の記憶を歪めるものであり、沖縄の歴史に対する無理解の表れだと厳しく批判している。
決議に賛同しつつも反対票を投じた4名の議員は、決議文に西田氏の議員辞職要求が含まれていないことを問題視した。那覇市議会は併せて、米海兵隊員による性犯罪や、米軍ヘリの落下物事故についても抗議決議と意見書を全会一致で可決しており、沖縄における米軍問題と歴史認識の問題が複合的に浮かび上がっている。
相次ぐ抗議、沖縄の声広がる
西田議員の発言を巡る抗議は那覇市にとどまらず、糸満市議会や沖縄県議会など、県内各地で広がっている。糸満市は「曖昧な記憶に基づく発言は到底許されない」として謝罪と訂正を求め、県議会も「歴史を捻じ曲げようとする行為」として厳しく非難。いずれも自民党に対して西田氏への対応を要求する内容となっている。
謝罪会見も火消しならず
西田議員は今月上旬、報道陣の前で「不適切な発言だった」として謝罪し一部を撤回したが、沖縄の教育に対する発言や歴史観の根幹部分については撤回を拒んだ。その姿勢に、遺族会や教育関係者からは「本質を理解していない」との声が上がっている。
ひめゆり平和祈念資料館の関係者も、「展示は体験者の証言に基づいており、政治的意図で歪められるべきものではない」と強調した。
SNSに広がる反応
西田議員の発言に対して、ネット上でも多くの意見が交わされている。X(旧Twitter)やFacebookでは次のような反応が見られた。
「ひめゆりの事実を否定するなんて、人としても議員としても失格だろう」
「沖縄の歴史を軽視する発言は、全国民への侮辱だ」
「謝罪したふりだけで、実質的には何も撤回していない」
「政治家はもっと歴史に対する責任感を持ってほしい」
「こういう発言を放置する政党の姿勢にも問題がある」
歴史認識と政治家の責任
今回の発言をめぐる一連の動きは、政治家が歴史をどう受け止め、どのように語るかという姿勢が問われる象徴的な事例となった。特に沖縄戦の記憶は、戦後日本の安全保障や教育政策とも密接に関係しており、感情や思想の対立を生みやすいテーマでもある。
今後、与党内での対応や再発防止策が求められる中、歴史的事実を尊重し、未来の世代に正しく伝える姿勢が政治家にも強く求められている。