2025-05-21 コメント投稿する ▼
備蓄米の流通改革が本格始動 コメ価格安定と消費者支援へ政府が新方針
備蓄米の供給スピードアップへ 公明党が政府に対策を要請
全国的に米価の不安定が続く中、政府による備蓄米の市場放出が本格化している。公明党の農林水産部会は5月21日、衆議院議員会館で開かれた会議で農林水産省から対応策の説明を受け、円滑な流通のための改善を求めた。
農水省は、5~7月にかけて毎月10万トン、合計約61万トンの備蓄米を市場に出す計画を提示。特に、1カ月以内に小売店への販売を完了させる計画を持つ業者には、入札の際に6万トン分の優先枠を用意するとしている。この優遇措置により、消費者にできるだけ早く商品が届くよう工夫を進める。
コスト削減と価格の透明化を要望
出席した議員からは「米価の安定こそが生活者支援につながる」との声が上がり、流通にかかる経費を可能な限り抑える必要性が指摘された。とりわけ、卸売業者や集荷業者がそれぞれどの程度のコストや利益を上乗せしているのかについて、透明性を求める意見も強く、店頭価格の内訳を明らかにしていくべきとの見方が共有された。
また、政府が業者と直接契約する「随意契約」の枠組みについても、価格を抑える方向での活用が重要との認識で一致した。
これまでの流通の問題点
政府がこうしたテコ入れに動いた背景には、備蓄米の流通における深刻な遅れがある。今年3月に市場に出された備蓄米は21万トンに及んだが、1カ月以上経っても店頭に並んだのはその1%程度にとどまり、「供給が間に合わない」との現場の声が多く上がっていた。
また、従来の流通ルートでは、卸売業者による大幅な価格上乗せが常態化し、備蓄米であっても一般の国産米と大差ない価格で売られていたという実態もある。農水省はこの点を踏まえ、業者が直接小売に販売できる新しい制度を試行的に導入し、販売までの工程を短縮させる狙いだ。
新農水相の意気込みと展望
21日に新たに農林水産大臣に就任した小泉進次郎氏は、記者団の取材に対し「必要とされれば備蓄米はためらわずに出す。価格が安定するまで柔軟に対応する」と力を込めた。特に、需要に応じて放出量を調整する仕組みを通じて、価格の急変を防ぐ意向を示している。
これにより、政府としても米価の異常な高騰を抑えるための「価格安定バッファー」として、備蓄米の運用が新たな局面を迎えようとしている。
ネットユーザーの声
「ようやく動き出したか。米の値段が高すぎて大変だった」
「コメが届かないって本当にあったんだな。優先枠とか初めて知った」
「スーパーだけじゃなく、街の米屋にも回してほしい。地元が潤うし」
「進次郎さん、いいスタート切ったじゃん。あとはスピード感」
「情報をもっとオープンにしてほしい。業者のマージンが見えないのは不信感」
備蓄米の流通改革は、米価の安定と消費者の生活防衛の両面で注目される政策となっている。今後、消費者のもとへ迅速に届く体制が整うかどうかが、大きな試金石となるだろう。