外国籍の子が過去最多8万4759人 文科省が日本語「プレクラス」を2027年度モデル事業へ

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外国籍の子が過去最多8万4759人 文科省が日本語「プレクラス」を2027年度モデル事業へ

文部科学省は2027年度、来日直後の外国人児童生徒などに対し、学校生活に必要な日本語の基礎を集中的に指導する「プレクラス」のモデル事業を開始します。2025年度の調査で日本語指導が必要な公立学校の児童生徒は過去最多の8万4,759人に達し、2016年から9年間で約2倍に増加しました。約9,700人は適切な指導すら受けられていない実態も浮かび上がっています。自治体間の格差を解消し、全国に一定の基準を示すことが文科省の狙いですが、外国籍の子どもの増加に対応するには、教育支援とともに法的な整備の充実も欠かせません。

「プレクラス」モデル事業 2027年度から全国展開へ


文部科学省は2027年度、来日直後の外国人児童生徒などに対し、学校生活や授業に必要な日本語の基礎指導を行う「プレクラス」のモデル事業に乗り出します。2026年5月25日に開かれた外国人の子どもの教育に関する有識者会議で方針を表明し、2027年度予算の概算要求に新規事業として盛り込む予定です。

プレクラスとは、入学・編入直後の子どもが一定期間、初歩的な日本語や学校のルール、生活の決まりごとを集中的に学ぶ場です。在籍校に通いながら週に複数回別の場所で学ぶ形をとるケースが多く、修了後に通常の学校生活にスムーズに合流できるよう設計されています。

文科省は公募を通じて対象地域を複数選ぶ方針です。都市部など外国籍の子どもが多い地域では、拠点となる学校や公共施設に児童生徒を集めて直接指導します。地方で対象の子どもが点在している場合は、都道府県が設けた拠点校から複数の市町村の児童生徒をオンラインで指導する方式も検討します。

「日本語もわからないまま普通のクラスに放り込まれる子がいる現状。プレクラスはずっと前から必要だと思っていた」
「プレクラスは大切な取り組みだと思う。でも人手不足で機能しなければ意味がない。先生の確保が先決では」

過去最多8万4759人 指導を受けられない子も約1万人


文科省の調査によると、日常会話が十分にできないなど日本語指導が必要な児童生徒数は2025年度に公立学校で8万4,759人に達し、過去最多を更新しました。前回の2023年度調査より1万5,636人増加しており、2016年の4万3,947人から9年間でほぼ2倍になっています。

在籍する学校数は全公立校の39.4%にあたる1万2,668校に上り、100人以上が在籍する学校も全国に28校あります。内訳は外国籍が7万3,313人、日本国籍が1万1,446人で、帰国子女なども含まれています。

一方で、教職員の人員確保が追いつかないなどの理由から、約9,699人は学校で適切な日本語指導を受けられていない実態も明らかになりました。必要な指導なしに通常の授業に入った子どもが、学習や学校生活に深刻な困難を抱えるケースは依然として多くあります。

「指導が必要な子が1万人近く放置されているのは先進国として許されない状態では」
「外国人の子が増えるなら、それに見合った教員体制を国が用意するのは当然の責任だと思う」

地域格差の解消が急務 全国に基準を示す狙い


都市部などの一部自治体では、すでにプレクラスを独自に実施しているところがあります。愛知県西尾市では2009年から取り組みを始め、現在は「日本語初期指導教室」として外国籍などの児童生徒に約3か月間の集中的な初期指導を実施しています。横浜市や浜松市なども先進的な取り組みで知られています。

ただし、実施している自治体の間でも、指導内容・期間・体制はそれぞれ異なります。指導のノウハウがなくまだ実施できていない自治体も多く残っており、外国籍の子どもが都市部だけでなく地方にも広がりつつある今、自治体間の格差が広がることへの懸念は大きくなっています。

文科省は今回のモデル事業を通じて指導内容や体制に関する知見を収集し、全国の自治体が参考にできる一定の基準を示す考えです。教材の作成も合わせて検討する方針で、地方の「ノウハウがないからできない」という状況を解消することが狙いです。

西尾市や浜松市のように積極的な自治体がある一方、何もしていない市町村もある。国が基準を示すのは正解だ

外国籍の子どもの増加 法整備の充実も不可欠


今回の調査では、外国人の子ども全体でも過去最多の17万7,000人に達し、43%の自治体で10人以上が在籍していることが明らかになりました。かつては都市部への集中が見られましたが、近年では地方にも広く居住するようになっており、全国どの地域でも対応が求められる状況となっています。

外国籍の子どもへの教育支援は必要不可欠ですが、同時に、在留外国人全体の法令遵守の徹底と、それを担保するための法整備の充実もセットで考える必要があります。法的な枠組みが不十分なまま受け入れだけが進むことは、受け入れる側の社会にとっても、来日する外国人にとっても、望ましいことではありません。

高校進学率は91.5%(前回90.3%)、高校中退率は6.4%(同7.7%)と改善傾向が見られます。しかし大学進学率は46.6%にとどまり、日本人との差は大きいままです。プレクラスを起点とした早期支援がこうした格差を縮小できるかどうか、制度の実効性が問われています。

まとめ


・文部科学省が2027年度より日本語基礎指導「プレクラス」のモデル事業を開始、2027年度予算概算要求に新規事業として盛り込む予定
・2025年度の公立学校で日本語指導が必要な児童生徒は過去最多の8万4,759人、9年間でほぼ2倍に増加
・在籍学校数は全公立校の39.4%(1万2,668校)、100人以上在籍する学校も28校
・約9,699人が適切な指導を受けられていない実態が明らかに
・都市部は拠点施設での集合指導、地方はオンライン指導を軸に検討
・教育支援とともに法的整備の充実もセットで進めることが課題

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2026-06-07 12:14:50(植村)

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