2026-06-10 コメント投稿する ▼
政府が海底ケーブル防護強化へ法改正 国際通信99%を担う重要インフラを国主導で守る
政府は、日本の国際通信の99%を担う海底通信ケーブルと、地上の中継拠点「陸揚げ局」の防護策を抜本的に強化する方針を固めました。総務省は有線電気通信法などを改正し、監視体制や安全管理に関する技術基準とガイドラインを新たに策定します。老朽化施設への財政支援制度の創設も検討します。陸揚げ局は千葉県南房総市と三重県志摩市の2か所に集中しており、安保上の弱点が長年放置されてきました。台湾やバルト海での海底ケーブル切断事例も踏まえ、民間任せにせず国主導で対策を講じる狙いがあります。スパイ防止法に相当する法的抑止力の整備も急務です。
海底ケーブル防護策を強化へ 政府が法令改正と支援制度の創設を方針決定
政府は、日本の国際通信の99%を担う海底通信ケーブルと、地上の中継拠点である「陸揚げ局」の防護策を抜本的に強化する方針を固めました。
総務省は有線電気通信法や省令を改正し、監視体制や安全管理に関する技術基準とガイドライン(運用指針)を新たに定めます。地震や津波などの自然災害に備えた老朽化施設の耐震性向上を後押しする支援制度も創設します。
総務省の有識者会議は2026年6月10日の会合で、こうした防護策強化を政府に求める報告書を取りまとめました。「法令上の基準整備を含めた実効的な対策の検討」を政府に求める方針です。林芳正総務相は「海底ケーブルの安全の確保は極めて重要だ」と強調しています。
なぜ今、国主導で対策が急がれるのか 陸揚げ局に潜む脆弱性
海底ケーブルは、日本にとって文字通り「情報の大動脈」です。国際通信の99%がこのケーブルを経由しており、金融取引からビジネス通信、政府・防衛関連の情報まで、あらゆるデータが海底を通じてやり取りされています。
日本に陸揚げされている海底ケーブルは20本以上にのぼりますが、陸揚げ局は千葉県南房総市と三重県志摩市の2か所の沿岸部に集中しています。2011年の東日本大震災では、志摩半島の一系統を除くほぼすべての海底ケーブルが損傷するという深刻な事態が起きました。
これまで陸揚げ局の安全管理に関する法的な基準や規制はなく、施設を所有する民間の通信事業者に委ねられてきました。政府はこの状況を改め、浅瀬部分の海底ケーブルを地下に埋設したり、不法侵入を防ぐ入退管理システムを設けたりするための技術基準と指針を整備します。
「陸揚げ局が千葉と三重の2か所に集中してるって知らなかった。有事に狙われたら通信が一気に途絶するじゃないか」
「今まで民間任せだったのが驚き。これだけ重要なインフラをなぜ国が管理してこなかったのか」
中国・ロシアによる破壊工作の脅威 世界に広がるケーブル切断事例
海底ケーブルをめぐる安全保障上の脅威は、日本だけの問題ではありません。2023年には、中国籍の船舶が台湾本島と馬祖列島を結ぶ海底ケーブル2本を切断し、約1万2700人が住む同列島で通信が2か月近く途絶する事態が発生しました。
2024年11月から12月にかけては、北欧のバルト海で通信ケーブルや電力ケーブルの破損が相次ぎました。中国やロシアの船舶が関与したとの指摘があり、ドイツ国防相が「おそらく破壊行為だ」と発言するなど、ハイブリッド戦争の一環として海底インフラが攻撃対象になっているという深刻な懸念が広がっています。
漁船や貨物船という民間船舶を使ったケーブル切断は、軍事力を消耗せず、犯行の証明が困難で外交的報復も受けにくく、修復に数か月かかることから、費用対効果の高い攻撃手段とされています。
バルト海での切断が日本でも起きたらと思うと怖い。意図的にやられても証明が難しいのが厄介すぎる
スパイ防止法なき日本 法的抑止力の欠如が安保を脅かす
日本政府が今回打ち出した防護策は、災害対策・物理的安全対策として意義があります。しかし、重要インフラへの意図的な破壊工作を抑止するためには、法整備の観点でも大きな課題が残っています。
日本には現在、外国による諜報活動(スパイ活動)や妨害工作を直接取り締まる法律がなく、陸揚げ局への不審な侵入や破壊工作に対する刑事上の抑止力が脆弱です。法的な抑止力の整備なしに物理的な対策だけを強化しても、安保上の穴をふさぐことにはなりません。
「物理的な対策だけじゃなく、スパイ防止法みたいな抑止力も必要。法整備を怠ってきたツケが今になって出てる」
「日本は北米とアジアをつなぐ通信の要なのに、その守り方が今まで民間頼みだったのは情けない」
政府は今後、法改正の具体的な内容の検討を進め、老朽化施設への財政支援についても制度設計に着手します。日本の情報インフラをどう守り抜くか、国の本気の覚悟が問われています。
まとめ
- 政府は海底通信ケーブルと陸揚げ局の防護策強化を方針決定
- 総務省が有線電気通信法などを改正し、技術基準・ガイドラインを新設
- 老朽化施設の耐震性向上への財政支援制度も創設を検討
- 陸揚げ局は千葉県南房総市・三重県志摩市の2か所に集中という脆弱性
- 2023年の台湾ケーブル切断事件、2024年のバルト海破損事案など国際的な脅威が深刻化
- 中国・ロシアによる民間船舶を使った破壊工作は証明が困難で抑止力が機能しにくい
- 外国の諜報・妨害工作を取り締まるスパイ防止法に相当する法整備が急務
- 有識者会議が2026年6月10日に報告書を取りまとめ、政府に実効的な対策を求めた