2026-05-03 コメント投稿する ▼
有村治子・自民党総務会長が熊本で「自衛隊の憲法明記」訴え——護憲派は「武力放棄しているのは日本だけ」と反論、分断浮き彫り
2026年5月3日の憲法記念日、熊本市では改憲派と護憲派がそれぞれ集会を開催した。自由民主党総務会長の有村治子参院議員は改憲派フォーラムに登壇し、北朝鮮による弾道ミサイル発射が続く状況を挙げ、抑止力の観点から「自衛隊の保持」を憲法に明記する必要性を強調した。一方、護憲派の集会では学者が「武力を放棄しているのは日本だけ」と憲法9条の意義を訴え、市民の間で改憲論議を巡る分断が鮮明になった。
熊本で改憲派フォーラム——有村総務会長が「自衛隊明記」を力説
2026年5月3日、日本国憲法が施行から79年を迎えた憲法記念日に、熊本市中央区の熊本城ホールで改憲派による「憲法フォーラム」が開催されました。
自由民主党(自民)総務会長の有村治子参院議員(元女性活躍担当大臣)が講師として登壇し、国内外の安全保障環境について持論を展開しました。
有村氏は、北朝鮮による弾道ミサイル発射が繰り返されている現状を取り上げ、「日本が侵略戦争をしないからといって、相手の『侵略しよう』という気持ちは抑えられない」と述べました。
その上で有村氏は、侵略を思いとどまらせる「抑止力」として、「自衛隊の保持」を憲法に明記する必要性を訴えました。
北朝鮮は2026年に入っても1月4日、1月27日、3月14日、4月19日と複数回にわたって弾道ミサイルを発射しており、日本政府はその都度、強く抗議・非難してきました。こうした安全保障の悪化が、改憲論議を後押しする背景となっています。
「北朝鮮がミサイルを撃ち続けるのに、自衛隊を憲法に書けないのはおかしい。有村さんの言うことは正論だと思う」
「憲法に自衛隊を書くだけで何が変わるの?書いた途端に戦争への道が開くと思うと怖い」
「抑止力って言葉、聞こえは良いけどそれって軍拡競争じゃないの?近隣国を刺激するだけでは」
「武力を放棄している国が日本だけってことは、世界で一番まともな選択をしているってことかもしれない」
「護憲も改憲も、大事なのはちゃんと議論することだよね。どちらの集会にも行ったことないけど、もっと知りたい」
護憲派も同日に集会——学者が「9条の崇高な意義」を訴える
同日、同じ熊本市中央区のくまもと県民交流館パレアでは、護憲派の市民団体による「憲法をまもる熊本県民のつどい」が開かれました。
集会では、熊本大学大学院の徳永達哉准教授が憲法9条1項に含まれる「武力」という言葉の意味について解説しました。
徳永氏は「実力の行使だけでなく、力を見せつけて従わせる暴力も『武力』になる」という見解を示しました。その上で、「『武力』を放棄しているのは日本だけだ」と述べ、憲法9条が世界に類を見ない崇高な規定であることを強調しました。
護憲派の集会には、地域の市民が多く参加しました。高市早苗首相(自民)が2027年春を目標に掲げる改憲の発議スケジュールに対して、「もっと丁寧な議論が必要」という声も上がっています。
改憲派と護憲派——争点は「自衛隊の位置づけ」と「抑止力の考え方」
改憲論議の最大の焦点は、「自衛隊の憲法上の位置づけ」です。
現行の憲法9条2項は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定しています。このため自衛隊は法律上「戦力」ではなく「必要最小限度の実力組織」という扱いとなっており、長年にわたり憲法との整合性をめぐる論争が続いてきました。
有村氏が訴える「自衛隊の憲法明記」は、自民が掲げる改憲4項目の中でも核心的な内容です。自民は現行の1項・2項を維持した上で、別途自衛隊を明記するという案を主流としています。
一方、護憲派が重視するのは、9条が持つ「平和の宣言」としての意義です。徳永氏の指摘するように、「武力の放棄」という規定は世界的に見ても例外的な内容であり、護憲派はそこに日本独自の価値があると主張します。
同日、高市首相は改憲派の集会にビデオメッセージを寄せ、「行うべきは決断のための議論だ」として改憲に強い意欲を示しました。
「当事者意識」が問われる国民への問いかけ
熊本での二つの集会は、全国各地で繰り広げられる改憲論議の縮図といえます。
共同通信社の最新の世論調査でも「改正が必要」という回答が「不要」を大きく上回る一方で、日本経済新聞の調査では「期限を設けずに議論すべき」が47%に達しており、国民が求めているのは「拙速な決断」ではなく「丁寧な説明と対話」であることも示されています。
改憲を「遠い政治の話」と感じてきた市民が、北朝鮮のミサイル問題や高市政権の発議スケジュール明示を受けて、その当事者意識を問われる場面が増えています。改憲派・護憲派が「同じ主張の人ばかりを集めて盛り上がる」状況を超え、互いの論点を持ち寄る対話の場が求められています。
まとめ
・2026年5月3日の憲法記念日、熊本市で改憲派・護憲派がそれぞれ集会を開催した
・自民党の有村治子・総務会長は「北朝鮮のミサイル発射が続く中、抑止力として自衛隊の憲法明記が必要」と主張した
・護憲派の集会では熊本大大学院の徳永達哉准教授が「武力を放棄しているのは日本だけ」と9条の意義を訴えた
・北朝鮮は2026年に入り1月・3月・4月と複数回の弾道ミサイル発射を実施しており、安全保障環境は依然として厳しい
・高市首相は2027年春の改憲発議めどを掲げ、自民が目指す改憲4項目の中心は「自衛隊の明記」と「緊急事態条項の創設」
・世論調査では改憲への関心は高まる一方、「急がずに丁寧な議論を」という声も根強く残っている