2026-06-01 コメント投稿する ▼
小池晃書記局長「国旗損壊罪は保守の矜持を捨てた立法」 小渕元首相の1999年答弁を引用し廃案訴える
日本共産党(共産党)の小池晃書記局長は2026年6月1日の記者会見で、自民党の部会が「国旗損壊罪」創設法案を大筋で了承したことについて「提出してくるなら廃案を目指していく」と明確な反対姿勢を示しました。法案の問題点として「立法事実の欠如」「表現の自由への乱暴な侵害」「条文の主観的な基準による拡大解釈の危険」の三点を指摘した上で、1999年の国旗国歌法制定時に当時の小渕恵三首相が「国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えておりません」と答弁した史実を引用し、「それがある意味保守の矜持だと思うが、今回の法案にはそういったものが感じられない」と言い切りました。かつて自民党政権自身が守ってきた「強制ではなく自然な敬意」という立場を、共産党の書記局長が引用して批判するという構図が、今回の法案が抱える本質的な矛盾を鮮明に照らし出しています。
「立法事実がない」—なぜ今この法律が必要なのか
「立法事実」とは、法律を制定する必要性や正当性を裏づける社会的な事実のことです。小池晃書記局長は「立法事実がそもそもありません。国旗を損壊することが全国各地で起こっているという事実がない。それからこれは思想・表現の自由に対する乱暴な侵害になる」と批判しました。
何のために今この法律を作るのか。誰を守るための法律なのか。国旗を損壊している事件がどれほど起きているのか、具体的に教えてほしいです
小池氏は条文に含まれる「著しく不快または嫌悪の情を催させる方法・状態」という表現について「極めて主観的なもので、極めて曖昧なもので拡大解釈していく危険性が大きい」と批判しました。また「罰則なき理念法にするという話もあるが、そうであったとしても同調圧力を高め、表現の自由を損なう、萎縮をかきたてることになるのではないか」とも懸念を示しました。
罰則がなくても、法律で国旗の扱いを規定されたら、どこまでOKでどこからアウトか気にして萎縮してしまいます。それが一番恐ろしい
「保守の矜持」—小渕元首相の1999年答弁が照らす矛盾
小池氏の発言で最も重みを持つのが、1999年の小渕恵三首相の答弁への言及です。1999年6月29日の衆議院本会議で当時の内閣総理大臣小渕恵三氏は「国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えておりません」と答弁し、条文化は見送られた経緯があります。
小池氏はこれを「保守の矜持(誇り・一線)」と表現し、今回の法案にはその精神が感じられないと批判しました。小池氏は「政府がやるべきことはこういう罰則をもって強制することではないんだということは、国旗国歌法が成立した当時の小渕首相もそういう答弁をしていた。罰則はなじまないと。それがある意味保守の矜持だと思うが、今回の法案にはそういったものが感じられない」と述べています。かつての自民党政権が守ってきた「国旗への敬意は強制すべきではない」という立場を、共産党の書記局長が引用して現在の自民党を批判するという逆説的な構図です。
1999年に小渕首相が『罰則はなじまない』と言っていたのに、今の自民党はその立場を捨てたんですね。保守の党とは言えない方向に進んでいる気がします
「国家権力の上に国旗を置く」—民主主義の根幹への問い
小池氏はさらに「逆に国民から見れば萎縮を、国旗に指一本触れてはいけないのではと萎縮を招く。これは全体として、国民主権の国でありながらその上に国家権力の象徴である日の丸を置いて、それに従えという方向に政治を持っていく大きな流れの中での議論だと思うので、非常に危険性がある。拡大解釈や萎縮の危険性が次々出てくるのでは」と述べました。
国民主権の原則から見れば、国旗は国民が主体的に尊重するものであり、国家が罰則で「尊重せよ」と命じることは本末転倒という論理です。国旗を守ることが目的なはずが、かえって国家権力の象徴として国民の上に君臨させることになりかねない—この指摘は、自民党内で慎重論を唱えた岩屋毅前外相が言及した「自然な尊重が国家権力の象徴に変質する」という懸念とも重なります。
保守政党が保守の先人の言葉を忘れ、共産党に批判される。これは自民党の歴史的な自己矛盾だと思います
今後の焦点は、法案が日本維新の会との調整を経て今国会に提出された後、参院でどのような審議が行われるかです。野党で法案の制定に賛成した議員はゼロだったという調査結果もあり、参院での成立には高いハードルが待ち構えています。「保守の矜持」—強制ではなく自然な尊重によって国旗を守るという考え—が国会審議の中で改めて問われることになります。
まとめ
- 共産党の小池晃書記局長が2026年6月1日の会見で国旗損壊罪法案に反対を明言
- 「提出してくるなら廃案を目指していく」と明確に宣言
- 問題点①:立法事実がない(全国各地で国旗損壊が起きているという事実がない)
- 問題点②:「著しく不快または嫌悪の情」という主観的・曖昧な基準が拡大解釈を招く
- 問題点③:罰則なき理念法でも同調圧力・萎縮効果をもたらす
- 1999年の国旗国歌法制定時、小渕恵三首相が「国旗に対する尊重規定や侮辱罪を創設することは考えておりません」と答弁した史実を引用
- 小池氏はこれを「保守の矜持」と呼び、今回の法案にはそれが感じられないと批判
- 国民主権の国でありながら国家権力の象徴を国民の上に置く「危険な流れ」への警告
- 北海道新聞の調査では野党で法案制定に賛成した議員はゼロ
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