2025-04-04 コメント投稿する ▼
ACSA含む防衛法案に異論噴出 立憲「国会を軽んじるやり方」
本会議では立憲民主党の篠原豪議員が質問に立ち、「これは明らかな国会軽視だ」と政府の姿勢を厳しく批判した。
「束ね法案は慎重審議にそぐわない」と篠原議員
篠原氏は、「今回の改正案は、自衛隊の人的基盤強化や組織改編、同志国との協力など、三つの分野にまたがり、それぞれ多くの条項を含んでいる」と指摘。そのうえで、「これだけ重要で多様なテーマを一括で審議するのは、慎重審議を求められる国会の責任を形骸化させるものだ。法案は可能な限り個別に提出し、丁寧に議論すべきだ」と訴えた。
議場内からは「そうだ!」との声が飛び、大きな拍手が湧いた。
さらに篠原氏は、今回の法案に含まれているACSA(物品役務相互提供協定)の関連条項について、「これは本来、単独で法案化すべき内容だ」と主張。内閣法制局が示す束ね法案の要件——すなわち「政策の統一性」や「条項の関連性」に照らしても、今回の束ね方は無理があるのではないかと疑問を呈した。
「政府は、なぜこのような形で法案を出すことができたのか。その理由と、国会軽視との批判にどう向き合うのか、明確に説明してほしい」と強く迫った。
林官房長官は「妥当な手続き」と反論
こうした指摘に対し、林官房長官は「法案に盛り込まれた政策が統一的であり、法案の趣旨・目的が一つと認められる場合、あるいは内容が相互に関連し一体としての体系を成している場合には、束ねて提出することは適切だと考えている」と述べ、政府として妥当な手続きに則っているとの見解を示した。
そのうえで、「国会軽視との批判は当たらない」と反論し、今後も個々の法案ごとに統一性や関連性を十分検討したうえで対応していく考えを示した。
過去にもあった「束ね法案」への疑問
実は、こうした「束ね法案」に対する批判は今回が初めてではない。たとえば2022年の通常国会では、防衛省設置法の一部改正案に対し、立憲民主党が附帯決議を提案し、政府に対して輸送対象者の範囲拡大などを求める内容が盛り込まれた経緯がある。立憲は当時、附帯決議を条件に法案に賛成しており、今回も同様の構図が生じる可能性がある。
「丁寧な審議」が今後の焦点に
自衛隊の活動強化や同志国との協力体制は、国防上の重要課題であることは間違いない。しかしその一方で、法案審議の過程が形式的になり、国会のチェック機能が形だけのものになるようでは本末転倒だ。
政府が今後、法案提出のあり方をどこまで丁寧に見直すのか。そして国会がどれほど実質的な議論の場として機能するのか。今後の審議の行方に注目が集まる。