2025-05-26 コメント投稿する ▼
太田房江議員が参院選不出馬を表明 ストレス障害で療養に専念、誹謗中傷の影響深刻
太田房江氏、参院選出馬を断念
誹謗中傷によるストレス障害で「治療に専念」自民党の太田房江参議院議員(大阪選挙区選出)が、今夏の参院選への立候補を見送ると発表した。かつて大阪府知事として初の女性知事を務めた実績を持つ太田氏は、「強度のストレス障害」と診断されたことを公表し、政治活動の継続が困難となったことを明かした。
誹謗中傷の影響が深刻化
太田氏は26日、自らの体調不良と不出馬の理由を公表。「最近、根拠のない誹謗中傷が相次ぎ、心身ともに不調を感じていた」と述べ、医師からストレス障害と診断されたことを明らかにした。これを受けて、「政治活動の継続は断念せざるを得ない」とし、参院選に出馬しない意向を表明した。
今月14日には自民党本部から大阪選挙区での公認が発表されたばかりだったが、その直後、週刊ポスト電子版が2019年の参院選における「選挙買収工作疑惑」を報道。太田氏は「事実無根」と強く否定したが、SNS上では批判や中傷が激化していた。
政治家としての矜持と限界
太田氏はコメントの中で、「様々な阻害行為の中、支援を受けながら出馬に向けて準備を進めてきたが、ここにきて体調を大きく崩し、これ以上の継続は無理だと判断した」と吐露。政治家としての責任と信念を持ちつつも、自らの健康を守るため、やむなく一線を退く決断に至ったことがうかがえる。
長年にわたり女性の政治参画を推進し、改革派の先駆者として知られてきた太田氏。今回の決断は、SNSやメディアによる誹謗中傷が、政治家の心身に与える影響の深刻さを改めて浮き彫りにしている。
自民党大阪府連の動きと今後の課題
自民党大阪府連にとっても、今回の不出馬は大きな痛手だ。大阪選挙区は定数4で、維新の会が強い地盤を築いている中、太田氏は女性有権者からの一定の支持を持ち、党の看板候補として期待されていた。
後任候補の擁立は急務となり、府連内部では若手や女性候補の起用を視野に調整が始まっている。党としては、信頼回復とともに、誹謗中傷から候補者をどう守るかも大きな課題となりそうだ。
政治家とSNS誹謗中傷の現実
今回の件は、政治家が現代社会におけるSNSの誹謗中傷の猛威にいかに晒されているかを改めて示した。特に女性政治家はジェンダーに起因する攻撃を受けることも多く、政治活動の継続を困難にする事例が後を絶たない。
政府は2022年に「侮辱罪」の厳罰化を進めたものの、実効性や運用の面では課題も多い。政治家個人の情報発信やメディアの報道姿勢、そしてSNS利用者のモラルが問われる時代に来ている。
* 自民党の太田房江参院議員が今夏の参院選不出馬を表明
* 誹謗中傷が原因で「強度のストレス障害」と診断、治療に専念
* 週刊ポストの選挙買収疑惑報道を受け、「事実無根」と反論
* 自民党大阪府連は後任候補の擁立に向けて動き出す見通し