高市首相「いいね」少なさに『ショック』 ネット選挙の透明性、参政・神谷氏が質疑

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高市首相「いいね」少なさに『ショック』 ネット選挙の透明性、参政・神谷氏が質疑

神谷氏は、選挙運動におけるインターネット広告の透明性や公平性に疑問を呈し、巨額の広告費が投じられている可能性を指摘しました。 紙媒体の選挙広告や戸別訪問には枚数や場所、人数などの法的な制限があるのに対し、インターネット広告は比較的自由度が高く、資金力のある政党ほど有利になる側面も指摘されています。 参院決算委員会で神谷氏は、2026年2月の衆院選における自民党のネット広告費用について質問しました。

高市早苗首相(自民党総裁)は2026年7月6日、参院決算委員会で、自民党が公開した動画の再生回数に対して「いいね」の数が少ないことに「ショック」と率直な感想を述べました。この発言は、参政党の神谷宗幣代表からの質問に対するものでした。神谷氏は、選挙運動におけるインターネット広告の透明性や公平性に疑問を呈し、巨額の広告費が投じられている可能性を指摘しました。SNSが情報伝達の主要手段となる現代において、ネット選挙のあり方が改めて問われています。

SNS時代の選挙運動


現代の選挙戦において、インターネット、とりわけSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用は不可欠となっています。政党や候補者は、ウェブサイトや動画共有サービス、各種SNSプラットフォームを通じて、政策や活動を積極的に発信しています。紙媒体の選挙広告や戸別訪問には枚数や場所、人数などの法的な制限があるのに対し、インターネット広告は比較的自由度が高く、資金力のある政党ほど有利になる側面も指摘されています。

こうした状況は、有権者にとって情報過多となり、どの情報が自然な広がりによるものか、あるいは広告によって意図的に拡散されたものなのかを判断するのが難しくなっています。「選挙期間中の紙のビラには枚数制限があるし、ポスターにも掲示場所の制限がある。街頭演説や選挙カーにも一定のルールがあるが、ネット広告についてはルールが追いついておらず、資金があればいろいろなことができるという野放しの状況になっている」との神谷氏の指摘は、この問題を端的に表しています。

「いいね」の少なさから見える課題


参院決算委員会で神谷氏は、2026年2月の衆院選における自民党のネット広告費用について質問しました。しかし、首相は党の政治資金収支報告書の提出期限が翌年3月であることを理由に、具体的な金額の回答を避けました。これに対し、神谷氏は自身の所属政党である参政党の事例を挙げ、自民党の広告費を推計してみせました。

神谷氏によると、参政党は4600万円を投じて約4000万回の動画視聴を獲得したといい、単純計算で1視聴あたり約1.14円となります。「メーンの広告などで1.6億回、関連動画を含めると2億回くらい再生されている」とされる自民党の動画について、神谷氏は「1.6億回のメーン動画に『いいね』数は4.1万回しかない。コメント数は7900件ぐらいしかない。いいねがこんなに少ない。0.026%だから、おそらく広告で回ったものが多いと考えられる」と分析しました。

この「いいね」の少なさは、動画の内容そのものへの共感や評価を示す指標とは別に、再生回数が広告によって水増しされている可能性を示唆するものです。神谷氏は、この計算に基づき、自民党が1.6億回の視聴を広告で得ようとした場合、最低でも1億8000万円、2億回であれば2億3000万円規模の広告費が必要になると試算しました。「どこまで広告か分からないし、ルールがないから違法ではない」としつつも、その巨額な費用に疑問符を付けました。さらに、AI(人工知能)を利用したフェイク動画の作成や、「スマホ農場」と呼ばれる多数のスマートフォンを使った再生数水増しといった不正行為も可能であると警鐘を鳴らしました。

規制強化を求める声と政府の対応


こうした状況を受け、神谷氏は選挙期間中のインターネット広告に対する上限設定や、誹謗中傷、フェイク動画の作成・投稿禁止などのルール整備を強く求めました。特に、資金力で劣る小政党が、有力政党との情報発信力で太刀打ちできない現状を改善するため、「自民党が一番おカネを持っており、資金力で勝負するとわれわれは勝てない。上限を各党で話し合って決めるべきだ」と訴えました。

これに対し、高市首相は「自民党の動画で『いいね』が少なかった話、今、ショックを受けながら聞いていた」と共感を示しつつも、規制強化には慎重な姿勢を見せました。首相は、AIを利用した画像の表示義務や、プラットフォーム事業者への対策義務化などを盛り込んだ公職選挙法などの改正案が衆院で可決されたことに言及しました。その上で、「有料インターネット広告の在り方については、政治活動は原則自由とされているなかでの政党の政治活動の新たな規制となり、表現の自由や政治活動の自由にかかわる。各党各会派で議論してもらうべきものだ」と述べ、具体的な規制導入には踏み込まなかったのです。

この姿勢は、政治活動における表現の自由を重んじる立場からのものと理解できます。しかし、インターネット空間における情報伝達の非対称性や、資金力による影響力の偏りを考慮すれば、一定のルールの必要性を感じないわけではありません。特に、国民の意思決定に大きな影響を与えうる選挙運動において、透明性と公平性をいかに確保していくかは、今後の政治における重要課題となるでしょう。

今後のネット選挙の行方


ネット選挙、特にSNSを活用した情報発信は、今後もその重要性を増していくと考えられます。有権者との距離を縮め、多様な意見を表明する場として、そのメリットは大きいです。一方で、今回議論になったような、広告費による再生回数の操作や、悪意ある情報発信のリスクも無視できません。

政府は公選法改正で一定の歯止めをかけようとしていますが、技術の進歩は速く、新たな不正の手法も登場する可能性があります。AI技術の発展は、フェイク動画の生成などを容易にし、選挙の公平性を脅かす懸念もあります。各政党が、表現の自由を尊重しつつ、いかにして健全で、かつ公平なネット選挙環境を構築していくかが求められています。国民の信頼を得るためにも、政治全体で真摯な議論を深めていくことが必要です。有権者一人ひとりが情報リテラシーを高め、発信される情報を冷静に見極める力も、これまで以上に必要とされる時代になったと言えるでしょう。

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2026-07-07 13:01:55(櫻井将和)

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