2026-05-08 コメント投稿する ▼
高市早苗首相が5月後半に韓国・安東訪問へ調整 シャトル外交第3弾、イラン情勢・北朝鮮・米中首脳会談が焦点に
高市早苗首相が2026年5月後半に韓国を訪問し、李在明(イジェミョン)大統領と会談する方向で調整に入っていることが、複数の日韓両政府関係者の話から分かりました。日韓首脳が相互往来する「シャトル外交」の一環で、イラン情勢を踏まえた物資の安定供給や、北朝鮮の核・ミサイル開発を含む北東アジア情勢などについて協議する見通しです。国会日程などを見極めた上で最終判断します。首相は李大統領の出身地である韓国南東部・安東(アンドン)を訪問することを検討しており、李大統領が2026年1月に来日した際に首相の故郷・奈良県を訪れたことへの返礼として、相手の出身地を訪問するという対称的な形式を取ろうとしています。
奈良から安東へ 「出身地訪問」で深める首脳の個人外交
日韓間のシャトル外交は、両国首脳が相互に訪問を重ねることで関係強化を図る外交スタイルです。高市早苗首相と李在明大統領の首脳外交は2025年10月、韓国・慶州で開催されたAPEC首脳会議の際の初会談からスタートし、日韓の首脳がお互いの国を行き来する「シャトル外交」の継続を確認しました。
2026年1月13日には、高市首相就任後初の韓国大統領の訪日として李大統領が来日し、高市首相の出身地である奈良県で日韓首脳会談が行われました。会談は少人数会合と拡大会合を合わせて計90分間に及びました。
日韓でシャトル外交を積み重ねていくのは、地域の安定にとって意味がある。ただ、課題の多い日韓関係で実質的な前進があるかはこれからの話だ
奈良での会談で高市首相は「今回のシャトル外交の最初の機会となる李大統領の訪問を歓迎し、これを皮切りに日韓関係をさらなる高みに発展させる年としたい」と述べました。夕食会では、高市首相が大学時代に取り組んでいたドラムを演奏するサプライズも行われ、両首脳の個人的な親密さをアピールする場となりました。今回の訪韓調整は、そのシャトル外交の第3弾にあたります。
会談の焦点 イラン・北朝鮮・米中首脳会談への対応
今回の首脳会談では、複数の重要課題が議題になる見通しです。第一にイラン情勢を踏まえたエネルギーや物資の安定供給です。2026年2月末に米国・イスラエルがイランを攻撃して以降、ホルムズ海峡の通航が事実上困難な状況が続いており、日韓ともに原油輸入の約9割を中東に依存しています。エネルギー安全保障の観点から両国が情報共有と連携策を確認することは喫緊の課題です。
高市首相の韓国訪問は歴史問題など懸案も多い中でのことだ。拉致問題でも韓国の協力が必要で、実質的な成果を出してほしい
高市首相はこれまでの会談で、北朝鮮の完全な非核化に向けた日韓、日韓米の緊密な連携、拉致問題の即時解決の重要性を一貫して指摘してきました。今回の会談でも、こうした安全保障上の課題について改めて確認する見通しです。
加えて、2026年5月14〜15日に予定される米中首脳会談の内容を踏まえた、日韓両政府の認識の擦り合わせも行うとみられています。米中会談の結果が北東アジアの安全保障や経済に大きな影響を与えることから、日韓が対応方針を調整し共有することが重要となります。
日韓関係の現状 「懸案は管理」・「経済安保は前進」路線
李大統領は初会談後の記者会見で「高市氏については強硬保守との評価もあったが、懸念は全て消えた」と語り、「政治家個人の立場と、国の経営を担う立場では考え方や行動が異なる」と述べました。
歴史問題について日本はきちんと向き合い、その上で韓国とも協力していく姿勢が大事だ。シャトル外交はその上で進めてほしい
両首脳は「隣国ゆえに立場の異なる諸懸案があるが、これらを両首脳のリーダーシップで管理し、国交正常化以来これまで築かれてきた日韓関係の基盤に基づき未来志向で安定的に発展させていく」という方針で一致しています。今回の安東訪問でも、この枠組みを維持しながら実質的な協力課題を着実に積み上げていくことが基本的な方針となります。
まとめ
- 高市早苗首相が2026年5月後半に韓国・安東を訪問し、李在明大統領と会談する方向で調整中
- シャトル外交の第3弾。李大統領が2026年1月に高市首相の故郷・奈良県を訪問したことへの返礼
- 首脳会談の議題はイラン情勢を踏まえた物資安定供給、北朝鮮の核・ミサイル問題など
- 5月14〜15日に予定される米中首脳会談を踏まえた日韓の認識共有も行う見通し
- 2025年10月の慶州会談で初顔合わせ、2026年1月の奈良会談でシャトル外交を本格化
- 両首脳は「立場の異なる懸案はリーダーシップで管理し、未来志向で関係を発展させる」方針で一致
- 国会日程等を見極め、訪韓の最終判断を行う予定