2026-10-07 コメント投稿する ▼
熊本地震の食事券支援が目標の2割未満に くまモン!Pay限定が招いた低調の実態
2026年7月に発生した熊本地震からの復興支援として、熊本県が発行したプレミアム付き食事券「食のみやこ熊本券」の申し込みが、目標20万口に対して3万9,032口にとどまった。購入に特定スマートフォンアプリ「くまモン!Pay」が必要なことや周知不足が主な原因とされ、スマホを使いにくい高齢者からは不満の声も上がった。食事券の利用期限は2026年10月15日で、購入者は速やかに使う必要がある。本格的な観光支援「熊本ふっこう応援割」は2026年10月1日から始まっており、今後の観光復興への期待が高まっている。
夏休みを直撃した2026年熊本地震
2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を記録しました。住家被害は3万棟超に達し、商工関連事業者への被害総額は1,176億円という深刻な規模に拡大しました。
夏休み中に発生したことで観光産業への打撃は特に大きく、宿泊キャンセルは約19万泊、損失額は約27億円にも上りました。被害を免れたホテルでも客足が途絶え、阿蘇・天草など熊本を代表する観光地全体に深刻な影響が広がりました。こうした状況を受け、熊本県は本格的な旅行支援事業に先駆けて、飲食店を直接支援する「つなぎ対策」として食事券の発行を決めました。
目標の2割以下に終わった食事券
熊本県は2026年9月5日から27日にかけて、1口1万円で1万2,500円分(プレミアム率25%)使えるプレミアム付き食事券「食べて応援!食のみやこ熊本券」を4回に分けて販売しました。合計20万口(利用金額換算で25億円規模)の販売を目標に掲げましたが、申し込みは3万9,032口にとどまり、目標の約19.5%という低調な結果となりました。食事券の利用期限は2026年10月15日で、購入した人はわずかな残り期間内に使い切る必要があります。
「1万円でお得に外食できるなら、もっと早く知りたかった」
「くまモンPayって何?スマホが苦手な親は絶対無理だった」
「せっかく買ったのに使える店が近くになくて困ってる」
「熊本の飲食店を応援したかったけど、使い勝手が悪くて断念した」
「利用期限が短すぎる。もう少し余裕を持たせてほしかった」
支援を必要とする飲食店に十分な恩恵が届かなかった今回の結果は、制度設計の問題を浮き彫りにしています。県は購入済みの食事券について「忘れずに使ってほしい」と呼びかけていますが、目標の大部分は未達のまま販売期間が終了しました。
なぜ低調だったのか アプリ限定が招いた壁
最大の要因として指摘されるのが、購入手段を県内7金融機関が連携するスマートフォンアプリ「くまモン!Pay」に限定したことです。スマートフォンの扱いに不慣れな高齢者を中心に「高齢者には不親切な事業だ」という声が相次ぎ、購入の障壁となりました。スマホアプリを使えない住民が支援対象から自動的に外れてしまうという構造的な問題は、制度設計の段階で十分に検討されるべきでした。
加えて、販売開始時点で食事券が使える飲食店はわずか526店舗にとどまり、選択肢の少なさが購入意欲を削ぎました。県は9月末までに約2,000店舗まで拡大しましたが、出足での信頼感の低下を取り返すことはできませんでした。飲食店側からも、食事券利用時に決済手数料を自店が負担しなければならない仕組みへの疑問や不満が漏れました。
県流通アグリビジネス課は「国との協議で10月中旬までに実施するためになるべく早く始める必要があり、十分な周知期間がとれないままスタートした」と説明しています。迅速な支援開始は評価できるものの、使いやすさと周知が後回しになった設計の甘さが今回の低調を招いた主因といえるでしょう。支援を必要とする地域の飲食店にとって、制度の不備は深刻な問題です。
本格支援「熊本ふっこう応援割」へ
食事券の低調な結果とは対照的に、本命の支援事業「熊本ふっこう応援割」が2026年10月1日から始まりました。宿泊・旅行代金の6割を補助する制度で、交通付き宿泊旅行商品の補助上限は1泊2万円(2泊以上は3万円)、2026年12月25日まで実施されます。30万泊分の利用が見込まれており、本格的な観光客の回復が期待されています。
食事券と異なり、旅行代理店や予約サイトを通じて幅広い層が利用できる仕組みとなっています。今回の食事券事業での教訓を活かし、現場の実態に即した運用ができるかどうかが問われています。地震から約3カ月が経過した今も、熊本の飲食店・観光業は一日も早い支援の実効性を求めています。
まとめ
- 2026年7月28日の熊本地震(M7.1・最大震度7)で宿泊キャンセルは約19万泊・損失約27億円に上った
- 復興「つなぎ」として発行したプレミアム付き食事券は、目標20万口に対し申し込みが3万9,032口(約19.5%)にとどまった
- 購入をスマホアプリ「くまモン!Pay」に限定したことが高齢者を中心に障壁となり、周知不足も重なった
- 開始時の参加店舗が526店舗のみで、利用可能な飲食店の少なさも購入意欲を低下させた
- 本格支援「熊本ふっこう応援割」は2026年10月1日から12月25日まで旅行代金の6割補助で実施中
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