電子カルテのクラウド化を厚労省が推進 認証制度と補助で2030年目標達成へ

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電子カルテのクラウド化を厚労省が推進 認証制度と補助で2030年目標達成へ

厚生労働省は、外部サーバーで診療情報を管理する「クラウド型」電子カルテシステムの普及を後押しする方針を固めました。2026年度中に安全基準を満たしたシステムを認証する制度を新設し、2027年度には導入する医療機関への補助を実施する予定です。2026年6月時点の電子カルテ導入率は診療所72.6%、199床以下の病院73.5%で、政府は2030年のほぼ全医療機関導入を目標としています。現行のオンプレミス型はサイバー攻撃への脆弱性が課題で、クラウド移行が急務となっています。数百億円規模の公費を投じる今回の政策には、補助金の効果を検証する仕組みづくりも求められます。

高市早苗氏(首相)が掲げる医療DX推進の一環として、厚生労働省は診療情報を外部のサーバー上で管理する「クラウド型」電子カルテシステムの普及を本格的に後押しする方針を固めました。2026年度中にセキュリティー基準を満たしたシステムを認証する制度を新設し、2027年度には導入する医療機関への経費補助も行う予定です。政府が掲げる「2030年までにほぼすべての医療機関で電子カルテを普及させる」という目標に向け、今回の政策は医療情報のデジタル化を大きく前進させる転換点となります。2027年度予算案には関連事業として約604億円が計上される見通しで、国をあげての取り組みとなります。

電子カルテとクラウド型の基本


電子カルテとは、医師が診察内容や検査結果、処方内容などをデジタルデータとして記録・管理するシステムです。医師や看護師が院内でリアルタイムに情報を共有でき、医療の質向上や業務効率化に大きく貢献します。2026年6月時点の国内導入率は診療所が72.6%、199床以下の病院が73.5%で、政府目標達成には依然として多くの未導入施設を取り込む必要があります。200床以上の大病院では8割以上がすでに導入済みですが、その多くは医療機関の建物内にサーバーを置く「オンプレミス型」を採用しています。オンプレミス型は業務内容に応じてシステムを柔軟にカスタマイズできる利点がある一方、保守・運用に複数の外部業者が関わるため、管理の責任範囲が分散しやすくセキュリティー上の弱点が生じやすい構造になっています。診療所と中小病院のクラウド化が遅れている背景には、初期導入費用の高さに加え、医療従事者のITリテラシーや人材面での不安も挙げられており、これらの課題への対応が普及推進の鍵となっています。

サイバー攻撃で診療停止 クラウド移行が急務に


オンプレミス型が抱える最大のリスクはサイバー攻撃への脆弱性です。近年、病院のサーバーがランサムウェア(身代金要求型ウイルス)に感染して電子カルテが使えなくなり、手術や外来を数週間から数か月にわたって停止せざるを得ない事例が全国で相次いでいます。医療現場でのサイバー被害は患者の命に直結する深刻な問題であり、厚生労働省は医療情報システムの安全管理ガイドラインを繰り返し改訂してきました。クラウド型はサービス提供事業者が保守・運用を一括して担うため、セキュリティー対策の集中強化が可能で、こうしたリスクを大幅に下げることができます。さらに自前のサーバー設備が不要になるため、特に資金面で余裕の少ない中小病院や診療所では運用コストの削減効果も大きく期待されています。

「病院がハッキングで止まるなんて、命に直結する問題ですよね」
「うちのかかりつけ医はまだ紙カルテ、早く電子化してほしい」
「クラウドで医療情報を管理して本当に安全なのか、不安な人は多いと思う」
「地方の小さなクリニックでも使いやすい価格にしてほしいですね」
「補助金を出す以上、どれだけ導入が進んだか数値で見せてほしい」

認証制度と補助で導入を後押し


厚生労働省は今年度中に、一定のセキュリティー基準や標準仕様を満たしたクラウド型電子カルテを認証する制度を新設します。認証を取得したシステムは同省のホームページに掲載され、診療所などが信頼できるシステムを選びやすい環境が整います。現在オンプレミス型を使っている大病院には、この認証制度を通じてクラウド型への段階的な移行を促す方針です。電子処方箋との連携機能や医療機関同士での情報共有サービスへの接続機能も、認証の要件として位置づけられる予定です。2027年度予算では、クラウド型電子カルテ普及促進の関連事業として約604億円が要求されており、診療所や中小病院を対象とした導入経費の補助が中心となる見通しです。

2030年目標達成へ 補助金の効果検証が課題


政府は2030年までにほぼすべての医療機関への電子カルテ普及を目標に掲げていますが、現状では診療所の約27%、200床未満の病院の約27%が未導入のままです。残り数年でこの差を解消するには、費用補助だけでなく、現場スタッフへの操作教育やクラウド型への移行に不安を持つ医療機関への丁寧なサポートも欠かせません。特に地方の小規模診療所では、システム導入後の維持管理を担える人材確保が大きな課題となっています。また、個人の医療情報をクラウド上で管理することへのプライバシーや情報漏えいへの懸念も根強く、利用者への丁寧な説明と信頼確保も欠かせません。数百億円規模の公費を投じる以上、補助金がどの医療機関にどれだけ配分され、導入率がどれだけ向上したかという成果を、具体的な数値目標と報告期限をもって国民に示す仕組みが必要です。目標と期限のない財政支出は、効果が見えないまま予算が消化される「出しっぱなし」に陥りかねません。医療のデジタル化はサイバー攻撃対策と患者サービス向上の両面から欠かせない投資ですが、国民が納得できる透明性の高い成果報告と合わせて進めることが強く求められています。

まとめ


  • 厚生労働省は2026年度中にクラウド型電子カルテの認証制度を新設し、2027年度から導入補助を実施する方針
  • 2026年6月時点の電子カルテ導入率は診療所72.6%、199床以下の病院73.5%
  • 現行のオンプレミス型はサイバー攻撃に脆弱で、クラウド型への移行が急務
  • クラウド型はセキュリティーの集中管理が可能で、中小医療機関の運用コスト削減にも有効
  • 2027年度予算には普及促進関連事業費として約604億円が計上される見通し
  • 補助金の効果を検証する数値目標と報告期限の設定が不可欠

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2026-10-03 17:03:14(S.ジジェク)

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