滋賀県が誇る新品種酒米「湖響」誕生、気候変動に負けぬ酒造りの未来を拓く

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滋賀県が誇る新品種酒米「湖響」誕生、気候変動に負けぬ酒造りの未来を拓く

県内の多くの酒蔵がこの新品種での酒造りに大きな期待を寄せており、2027年産米を原料とした日本酒は、2028年(平成10年)の2月から3月頃にかけて発売される見込みです。 今後、作付け面積の拡大を通じて、酒米の安定供給体制を確立し、滋賀県ならではの「近江の地酒」のさらなる振興に貢献することが期待されています。

開発の背景:気候変動と酒米生産の課題


近年、地球規模での気候変動は、私たちの食生活や文化にも静かに、しかし確実に影響を及ぼしています。特に、繊細な品質管理が求められる日本酒造りにおいて、その原料となる酒米の生産は、気候変動の影響を受けやすい農業分野の一つです。滋賀県でも、長年にわたり酒米の主力品種として多くの酒蔵に愛用されてきた「吟吹雪(ぎんふぶき)」が、近年の異常な猛暑などの影響を受け、収穫量や品質の面で不安定さが増すという課題に直面していました。

こうした状況を受け、県内の酒米生産者や酒蔵からは、気候変動に強く、安定した生産と供給が可能な新品種への期待の声が日増しに高まっていました。この声に応えるべく、滋賀県は2016年(平成28年)から、未来の酒造りを支える新たな酒米の開発プロジェクトに着手したのです。

新品種「湖響」:未来への希望を込めた名称


長い年月をかけた研究開発の結果、滋賀県はついに、気候変動下でも安定した生産が見込める酒米の新品種開発に成功しました。この待望の新酒米には、「湖響(こきょう)」という名称が与えられました。この名称は、県内の酒蔵などから広く公募された候補の中から、最終的に三日月大造知事によって決定されたものです。

「湖響」という名前には、滋賀県の象徴である美しい琵琶湖の輝きと、そこで育まれた酒が人々の心に深く響くように、という願いが込められています。また、日本酒が持つ豊かな味わいが口の中に広がる様子を「響」という言葉で表現し、さらに、この日本酒が国内外へと広がり、多くの人々に愛されるようにとの思いも込められているとのことです。

「湖響」のポテンシャル:驚異の収量と洗練された味わい


新品種「湖響」の最大の特長は、その卓越した収量性と品質にあります。滋賀県農業技術振興センターが2022年(令和4年)から2025年(令和7年)にかけて実施した栽培試験の結果によれば、「湖響」の10アールあたりの収量は約620キログラム(約10俵)に達し、従来の主力品種であった「吟吹雪」の約316キログラム(約5俵)と比較して、実に約2倍という驚異的な収量を記録しました。これは、酒米の安定供給という観点から、極めて大きな成果と言えます。

さらに、品質面においても「湖響」は高い評価を得ています。滋賀県南部産業技術共創センター(旧工業技術総合センター)にて行われた小規模な醸造試験では、「湖響」から造られた日本酒は、「口当たりが良くまろやか」であり、既存の「吟吹雪」に近い、あるいはそれ以上の高い酒質を持つことが確認されました。この洗練された味わいは、多くの日本酒ファンを魅了することでしょう。

地酒振興への期待と今後の展望


2024年4月14日には、滋賀県庁で新品種「湖響」の名称発表セレモニーが開催され、関係者が一堂に会しました。三日月知事は、「開発チームの情熱が注がれたこの新品種が、いよいよ作付けできるようになり、大切に飲み継がれていくことを願っています」と、その期待を述べました。

県酒造組合の松瀬忠幸会長は、「『湖』は滋賀らしさ、『響』は日本酒の広がりや味わいを表現しています。この新しい酒米が、近江の地酒の魅力を高め、国内外に響き渡ることを期待しています」と、名称に込められた意味と将来への展望を語りました。

「湖響」は、2027年(令和9年)産の米から本格的な一般栽培が開始される予定です。JAグリーン近江酒米部会では、約10ヘクタールの面積での作付けが計画されており、2024年5月4日には田植え作業も行われる予定です。県内の多くの酒蔵がこの新品種での酒造りに大きな期待を寄せており、2027年産米を原料とした日本酒は、2028年(平成10年)の2月から3月頃にかけて発売される見込みです。

今回の「湖響」の開発は、気候変動という厳しい条件下においても、日本の伝統的な食文化である日本酒造りを未来へと繋いでいくための、重要な一歩となるでしょう。今後、作付け面積の拡大を通じて、酒米の安定供給体制を確立し、滋賀県ならではの「近江の地酒」のさらなる振興に貢献することが期待されています。

まとめ


  • 滋賀県は気候変動に強く安定生産が可能な新品種酒米「湖響」を開発した。
  • 「湖響」は従来の主力品種「吟吹雪」の約2倍の収量があり、品質も「口当たりが良くまろやか」である。
  • 名称は「琵琶湖」と「響き」に由来し、地域への愛着と日本酒の広がりへの願いが込められている。
  • 2027年産から一般栽培が開始され、2028年2〜3月頃に「湖響」を使った日本酒が発売される予定。
  • 新品種は酒米の安定供給と近江の地酒振興に貢献すると期待される。

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2026-04-16 09:31:30(櫻井将和)

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