高市総理、ベトナムで「自由で開かれたインド太平洋」推進 - 宇宙から経済、安全保障まで包括的協力

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高市総理、ベトナムで「自由で開かれたインド太平洋」推進 - 宇宙から経済、安全保障まで包括的協力

同日、ベトナム国家大学ハノイ校では、高市総理が外交政策に関するスピーチを行い、日越両国およびインド太平洋地域全体の未来に向けた協力ビジョンを表明しました。 このスピーチは、両国の「包括的戦略的パートナーシップ」を深化させ、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた日本の決意を示すものでした。

2026年5月2日、高市早苗内閣総理大臣はベトナム社会主義共和国の首都ハノイを訪問し、トー・ラム共産党中央委員会書記長兼国家主席と会談を行いました。同日、ベトナム国家大学ハノイ校では、高市総理が外交政策に関するスピーチを行い、日越両国およびインド太平洋地域全体の未来に向けた協力ビジョンを表明しました。このスピーチは、両国の「包括的戦略的パートナーシップ」を深化させ、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた日本の決意を示すものでした。

日越関係の歴史的背景と経済的結びつき


高市総理はスピーチの冒頭で、ハノイを再び訪問できたことへの喜びを述べ、6年前の総務大臣時代の訪問に触れました。また、かつて日本人が居住した痕跡が残る世界遺産ホイアンの日本橋修復に日本が協力したことに言及し、400年以上にわたる両国の交流の歴史を振り返りました。この歴史的背景を踏まえ、高市総理は、現代における日越両国の経済的な結びつきの重要性を強調しました。

かつては衣料品が中心だったベトナムからの輸入品も、現在ではAppleのAirPodsやNintendo Switch 2のような若者文化を支えるガジェット製品が多くを占めるようになり、その製造には日本の先端技術が不可欠な部品として組み込まれていると指摘しました。ハノイ近郊の工業団地には多くの日本企業が進出し、地域経済と日本のサプライチェーンにとって重要な拠点となっている現状を具体例を挙げて説明しました。

宇宙開発から先端技術へ、未来を拓く協力


スピーチでは、両国の協力の未来について、地上約100km上空の「宇宙」から話を始めると述べ、注目を集めました。日本のODA(政府開発援助)によって整備されたベトナム宇宙センターがハノイでオープンしたことに触れ、これが長年にわたる日越宇宙協力の到達点であると位置づけました。

宇宙から得られる衛星データの活用は、災害予測や気候変動対策に貢献し、ベトナム国民の安全な生活を支えることが期待されます。また、ベトナム初の国産人工衛星「LOTUSat-1」の開発に日本企業が関与し、ODAで支援していることも紹介されました。さらに、半導体分野における人材育成協力についても言及。日越大学に新設された「半導体チップ技術学部」が、ベトナムの産業高度化と日本の半導体サプライチェーン強靱化の両方に貢献するとの期待を示しました。ベトナムに豊富に存在するレアアースについても触れ、戦略的な重要性とサプライチェーン強靱化に向けた連携の必要性を訴えました。

「自由で開かれたインド太平洋」構想の進化と深化


高市総理は、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想について、その発展の経緯と現状を説明しました。2016年の安倍晋三元総理の演説以降、この構想が日本の外交ビジョンとして共有され、国際社会にも影響を与えてきたことを指摘。特に、ASEANが採択した「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」との間で、目指す方向性を共有していることを強調しました。

高市総理は、FOIP提唱から10年が経過し、国際情勢が大きく変化した現状を踏まえ、「FOIPの妥当性は揺るがない」としつつも、その進化の必要性を訴えました。地政学的な競争激化や技術革新の加速といった新しい現実に適応するため、域内各国が経済、社会、安全保障のあらゆる面で「自律性」と「強靱性」を高めることが不可欠であるとの認識を示しました。その上で、FOIPを進化させ、「AI・データ時代の経済エコシステムの構築」「官民一体での経済フロンティアの共創とルールの共有」「安全保障分野での連携拡充」という3つの重点分野で取り組む方針を明らかにしました。

具体的な協力の進展と将来展望


高市総理は、これらの重点分野における具体的な協力の取り組みについても説明しました。エネルギー・資源分野では、ホルムズ海峡危機への対応として「パワー・アジア」を発表し、緊急的な金融支援や中長期的なエネルギー備蓄・新エネルギー開発を進める方針を示しました。AI・デジタル分野では、「日ASEAN・AI共創イニシアティブ」を具体化し、アジアの多様性を反映したAIモデル開発や人材育成、デジタルインフラ整備を推進する考えを示しました。

このインフラ整備支援には「FOIPデジタル回廊構想」と名付け、海底ケーブル敷設などを例に挙げました。経済秩序に関しては、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)の拡充をベトナムと共に推進し、フィリピンなどの新規加盟を支援する考えを示しました。また、市場歪曲的慣行や経済的威圧への対応も強化していく方針です。安全保障分野では、ベトナムへの船舶供与などの海上保安能力強化支援や、政府安全保障能力強化支援(OSA)の拡充、安全保障分野でのODA活用などを通じて、地域の平和と安定に貢献していく決意を表明しました。

高市総理は、「宇宙から地上まで、そして地下深くまで、そして海に向かって、あらゆるところに協力が広がっている」と述べ、日本とベトナム、そしてASEANを含むインド太平洋地域全体が「共に、強く豊かになる」未来を築いていくことへの強い期待感を表明し、スピーチを締めくくりました。

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2026-05-03 03:13:07(櫻井将和)

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