2026-07-09 コメント投稿する ▼
音喜多氏、全東信破綻で2万店救済へ「業種による差は許されない」
7月8日、クレジットカードの売上代金を早期に加盟店へ支払うサービスを提供していた株式会社全東信が、経営破綻しました。 音喜多氏は、自身には何の落ち度もないにも関わらず、決済代行業者の不正によって売上代金を失った事業者は、まさに被害者であると指摘します。
全東信破綻、2万店が危機に
7月8日、クレジットカードの売上代金を早期に加盟店へ支払うサービスを提供していた株式会社全東信が、経営破綻しました。負債総額は約1,151億円にのぼり、決済代行業界としては国内過去最大の経営破綻となりました。
東京商工リサーチの報道によると、全東信は業績悪化を隠蔽するため、少なくとも20年前から組織的な粉飾決算に手を染めていた実態が明らかになっています。架空の預金や債権を計上して資産を水増しする一方、加盟店に支払うべき売上代金約217億円を帳簿外の債務として隠蔽していました。これにより、同社は600億円超の債務超過に陥っていたとみられています。
この217億円という金額は、全国2万店を超える加盟店の売上代金そのものです。これらの加盟店の多くは、日々の売上が運転資金となる飲食店やサービス事業者など、中小・零細企業です。突然の入金停止は、従業員への給料支払いや家賃、仕入れ代金の決済といった日々の経営活動に致命的な打撃を与え、連鎖倒産の危機に直面しかねません。
同時に、全東信に多額の融資を行っていた地方金融機関でも、巨額の焦げ付きが発生し、地域の信用秩序への影響も懸念されています。
被害事業者に「既存のセーフティネット」活用を
音喜多氏は、自身には何の落ち度もないにも関わらず、決済代行業者の不正によって売上代金を失った事業者は、まさに被害者であると指摘します。このような緊急事態に対し、音喜多氏は既存の公的支援制度の活用を呼びかけています。
具体的には、取引先の破綻による連鎖倒産を防ぐための「セーフティネット保証」、日本政策金融公庫による「セーフティネット貸付」、そして「経営セーフティ共済」や「納税の猶予」といった制度の活用が有効だと考えられます。これらの制度は、一時的な資金繰り難に陥った事業者に対して、低利または無利子、無担保で迅速に資金を提供する枠組みであり、早急な活用が求められます。
「業種による差別」なくす必要性
音喜多氏が特に問題視しているのは、こうした救済策の対象から、特定の業種が排除されるようなことがあってはならないという点です。今回の全東信の加盟店には、風営法で定められる接待飲食等営業、いわゆる社交飲食業も相当数含まれていると見られています。
過去には、こうした業態は信用保証協会の保証対象から一律に除外されるなど、制度上の壁が存在していました。しかし、2020年5月の制度見直しにより、一部例外を除き、接待飲食業は原則として信用保証の対象に含まれるようになっています。
性風俗関連営業は依然として対象外ですが、キャバクラやクラブといった一般的な社交飲食業については、すでに制度上、救済の枠組みに入っているのです。音喜多氏は、この「業種ゆえの排除」という壁は5年前に一度乗り越えられているはずだと指摘します。
それにも関わらず、窓口での運用や一部関係者の古い認識によって、被害事業者、特に社交飲食業に属する事業者が救済から漏れてしまう可能性を懸念しています。取引先の破綻という、事業者の責に帰すことのできない外的な要因による被害に対して、業種で線引きをすべきではないという考えは、多くの識者も共有するところです。
決済代行業の課題と音喜多氏の提言
全東信の破綻は、決済代行業における顧客資金の保全義務に関する制度の非対称性も浮き彫りにしました。資金決済法では顧客資金の保全が義務付けられていますが、クレジットカード決済代行業者が扱う加盟店からの売上代金プールは、自己資金と混同しやすい管理体制になっている場合があります。この構造的な問題に対しては、今後、法制度の見直しを含めた議論が必要となるでしょう。
音喜多氏は、被害の規模の大きさを鑑み、何よりも対応のスピードがすべてであると強調しています。一店でも多くの事業者が、この危機を乗り越えて事業を継続できるよう、関係機関による迅速かつ公平な支援策の実施を注視していく構えです。
まとめ
- 全東信破綻により、全国約2万店の加盟店が売上代金未回収の危機に直面。
- 音喜多氏は、セーフティネット保証や公庫融資などの既存制度の活用を推奨し、迅速な支援の必要性を訴えた。
- 特に、社交飲食業などが救済から漏れないよう、「業種による差別」なく公平な支援を行うことを強く主張。
- 決済代行業の制度的課題にも触れ、再発防止と被害者救済の両面からの対応の重要性を指摘。