2026-06-01 コメント投稿する ▼
高良沙哉参院議員が国会前の過剰警備に抗議 沖縄出身の憲法学者が見た「公道での権利侵害」
国会前での市民による抗議行動に対する警視庁の警備が行き過ぎているとして、2026年6月1日、4人の国会議員が連名で抗議と申し入れを公表しました。その連名の一人として注目されるのが、無所属の参院議員・高良沙哉氏(46)です。沖縄県那覇市出身で沖縄大学の憲法学教授であり、2025年7月の参院選で初当選した高良氏は、専門家として、また現場を見守った目撃者として、今回の申し入れに加わりました。沖縄で長年向き合ってきた「権力と市民の自由の衝突」という問題が、今度は国会前の公道という形で現れたとも言えます。
「憲法を教えてきた」沖縄の学者が国政へ
高良沙哉氏は1979年、沖縄県那覇市に生まれました。北九州市立大学大学院で憲法学を専攻して博士(学術)を取得した後、沖縄大学等で20年近く学生たちに憲法や福祉関連の法律を教えてきました。
政治を志したきっかけは1995年の米兵による少女暴行事件でした。「高校生だった私は、沖縄の厳しい現実に驚きと怒り、悲しみを感じ、憲法と日米安保の矛盾に大きな疑問を抱いた」と語っており、沖縄で憲法の理念を実現したいという思いが政治参加の原点にあります。
沖縄出身の憲法学者が国会前でも同じ問題に向き合っている。こういう議員が国会にいることの意味はとても大きいと思います
2025年7月の参院選では、オール沖縄の要請を受け立憲民主党、日本共産党、社会民主党、沖縄社会大衆党の推薦を得て無所属で立候補し、自民党・参政党の候補らを破って初当選を果たしました。憲法研究者としての専門性と、辺野古新基地建設反対運動への関わりが支持を集めました。
現場を見守ってきた憲法の専門家が問題を記録
今回連名した議員は、社会民主党(社民党)の福島みずほ党首、中道改革連合(中道)の有田芳生衆院議員、共産党の山添拓参院議員、そして高良沙哉氏の4名です。申し入れ文には「私たちはそれぞれ集会に参加あるいは弁護士としてトラブルがないように現場を見守っています」と記されており、高良氏は憲法学の専門家として現場の問題を記録・分析した立場で申し入れに加わったとみられます。
憲法の専門家が現場に立ち、法的問題を記録して申し入れた。これは単なる政治的抗議ではなく、法律家としての真剣な問題提起だと思います
申し入れが問題視しているのは、2026年4月以降に強化された国会前デモへの警視庁の警備です。具体的には、参加者が国会正門前にわざわざ遠回りをさせられること、青信号で道路を渡ろうとした市民を警察官が身体を張って阻止すること、参加者への暴言・威圧、国会正門前の道路をコーンで半分塞ぐこと、地下鉄駅構内での歩行規制が列挙されています。
申し入れ文は警察法第2条2項「いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならない」を根拠として、現在の警備がこの規定に「反するものと言わざるを得ない」と断じています。憲法学の専門家である高良氏が連名に加わったことで、この申し入れには単なる政治的抗議を超えた法的重みが生じています。
青信号で渡ろうとしたら体で止められた。その場に法律の専門家がいて、記録して、正式に申し入れてくれた。これが民主主義を守るということだと思います
「権利を守る」という問い 沖縄から国会前へ
高良氏は市民の権利が公道で制限されるという事態を、沖縄が長年直面してきた権力と市民の自由の問題と重ねて捉えているとみられます。改善を求めるのは三点—国会正門前道路の開放、警察官の威圧的な対応の是正、地下鉄駅構内での歩行規制の緩和です。
「現場の警察官が職務に忠実で献身的なことは理解しています。しかしスマートな警備体制が構築されていないため、その努力が大いに毀損されています」という申し入れ文の言葉は、個々の警察官ではなく組織・体制の問題として問いを立てており、感情的な批判ではなく法的・構造的な議論を促す姿勢が貫かれています。
「沖縄は基地問題でずっと権力と市民の権利の衝突を経験してきた。その当事者として国会に来た高良さんが、国会前でも同じ問題に声を上げている」
「法律の専門家が問題を整理して申し入れをする。これが議員の本来の仕事だと思います。もっと評価されていい行動です」
今後、警視庁がこの申し入れにどう応じるかが注目されます。集会・表現・移動の自由は日本国憲法が保障する基本的人権です。沖縄から憲法の理念を携えて国会に来た高良氏の問いは、市民が声を上げる場としての国会前が、本当に民主主義の空間であり続けているかどうかを問い直しています。
まとめ
- 2026年6月1日、高良沙哉参院議員ら4議員が国会前警備への抗議と申し入れを公表
- 高良沙哉氏は1979年沖縄・那覇市生まれ。憲法学者・沖縄大学教授。2025年参院選で沖縄県選挙区から初当選(無所属・オール沖縄推薦)
- 専門は憲法学・ジェンダー論。1995年の米兵少女暴行事件をきっかけに憲法の道へ
- 申し入れでは青信号で市民を止める行為、暴言・威圧、道路閉鎖等を列挙
- 警察法第2条2項(権限濫用禁止・個人の権利・自由の干渉禁止)違反と断じた
- 改善要求:①道路開放②威圧的対応の是正③地下鉄駅内歩行規制緩和
- 現場警察官個人ではなく警視庁本庁の「体制」として申し入れる姿勢を取った
- 憲法の専門家として現場を見守り法的問題を記録・申し入れた点に法的重みがある