2026-09-30 コメント投稿する ▼
名古屋市長が苦言、学級写真廃止に保護者の7割反発―対話求める声
名古屋市瑞穂区の市立小学校が2026年4月、学級写真の撮影を今年度から廃止したことが波紋を広げている。廃止の背景には前年に発覚した教員グループによる盗撮画像共有事件があるが、保護者アンケートでは7割が存続を望み、220世帯以上が署名を市教委に提出した。広沢一郎名古屋市長は2026年9月30日の定例会見で「保護者の声をよく聞き、速やかに対応を取るべきだ」と学校側に苦言を呈し、「社会問題化は望ましくない」として対話による解決を促した。一方的な廃止決定が招いた保護者の強い反発は、学校と保護者の間に大きな溝を生んでいる。
学級写真廃止の背景に教員グループの盗撮事件
名古屋市瑞穂区の市立小学校は2026年4月、毎年春に行っていた学級写真の撮影を今年度から廃止する方針を保護者に通知しました。廃止を決めた校長が挙げた理由は「プライバシーの保護」「全クラスの撮影に約3時間かかるため授業を優先したい」「欠席した子どもへの配慮」の3点です。
この廃止決定の背景には、前年に発覚した教員グループによる盗撮画像の共有事件があります。名古屋市教育委員会(市教委)は事件を受け、学校職員による写真撮影の機会を精選するよう各校に求める通知を出しました。この小学校はその方針に基づき、学級写真の廃止という判断を下しました。市教委が把握している限り、市内全259校のうち学級写真を廃止したのはこの学校を含む2校のみで、大多数の学校は撮影を継続しています。なお、修学旅行の集合写真やスナップ写真の撮影はこの学校でも継続されており、保護者からは廃止の基準が一貫していないという指摘も出ています。
保護者の7割が「存続を」―220世帯超の署名運動に発展
学校側は全630世帯を対象にアンケートを実施しましたが、回答した約220世帯のうち実に7割が学級写真の存続を望むと答えました。保護者の意見をほとんど反映せずに廃止が決まった経緯への不満は署名運動へと発展し、保護者有志が220世帯以上の署名を集めて2026年9月25日に市教委へ提出しました。
「我が子が1年間過ごしたクラスの記録を、なぜ親の意見も聞かずに消せるのか」
「プライバシーを守るなら修学旅行の写真も廃止すべきでは。説明が一貫していない」
「何十年後かに卒業アルバムを開く楽しみが子どもたちから奪われてしまう」
「署名に加わった。学校と保護者が納得いくまで話し合ってほしい」
「廃止の理由は理解できるが、決め方が一方的すぎる。対話が先ではないか」
保護者有志は「一方的に決めず対話をしてほしい」として、市教委に学校への是正指導を求めています。学級写真が単なる慣例ではなく、子どもの成長を記録するかけがえのないものとして保護者に大切にされていることが、今回の強い反発からも伝わります。
広沢市長「社会問題化は望ましくない」と苦言を呈する
広沢一郎氏(名古屋市長)は2026年9月30日の定例記者会見で、「存続を求める多くの声があるのは事実。保護者の声をよく聞き、速やかに対応を取るべきだ」と述べ、学校側の対応に苦言を呈しました。市長は当初「むちゃな事と思った」と感じたとしつつも、「プライバシーの問題が絡み、知れば知るほど難しい」と問題の複雑さへの理解も示しました。
広沢市長は自身が同窓会で学級写真を振り返ることがあるといい、「何十年もたつと写真しか頼れない状況になる」と語りました。長年の月日を超えて当時をよみがえらせる写真の力を実感から語ったその言葉には、記録としての写真が持つかけがえのない価値が込められています。「社会問題化は望ましくない」として、校長と保護者が十分に話し合うことが望ましいとの考えも示しました。
「対話なき廃止」が問いかける学校運営のあり方
今回の問題は、教員による盗撮事件という背景を受けた学校側の慎重な判断と、子どもたちの成長記録を残したいという保護者の思いが衝突した事例です。廃止の理由自体に一定の合理性があるとしても、保護者への十分な説明と意見聴取を経ずに決定が通知されたことが、これほどの反発を招いた最大の原因といえます。
「一方的に決めず対話をしてほしい」という声は、学級写真の存廃を超えて、学校運営における透明性と保護者参加を求めるものです。修学旅行の写真は継続しているなかで学級写真だけを廃止するという判断の一貫性にも疑問の声が上がっており、市教委がこの問題にどのように介入し、学校と保護者の話し合いが実現するかが今後の焦点となっています。
まとめ
- 名古屋市瑞穂区の市立小学校が2026年度から学級写真を廃止。理由はプライバシー保護・授業優先・欠席者配慮の3点
- 廃止決定の背景に、前年発覚した教員グループによる盗撮画像共有事件がある
- 保護者アンケートでは回答者の7割が存続を希望。220世帯以上が署名し市教委へ提出
- 広沢一郎市長は「保護者の声をよく聞き速やかに対応を」と苦言を呈した
- 市内259校中廃止はわずか2校のみ。修学旅行写真は継続中で基準の一貫性に疑問も