2025-11-18 コメント投稿する ▼
インドネシア、日中双方と2+2開催で巧妙外交 大国間競争の中で戦略的バランス維持
一方、インドネシアは同年4月に中国とも初の2+2会合を実施しており、大国間の戦略的競争の中で巧妙な外交バランスを維持しています。 注目すべきは、インドネシアが2024年4月21日に中国との初の外務・防衛閣僚会合を実施していることです。
日本との防衛協力深化と中国牽制
茂木敏充外務大臣氏と小泉進次郎防衛大臣氏は、スギオノ共和国外務大臣氏とシャフリィ・シャムスディン国防大臣氏との会合で、前回2+2以降の海洋安全保障協力の進展を歓迎しました。日本からのODAによる巡視船整備に加え、OSA(政府安全保障能力強化支援)による高速警備艇供与等の協力が具体化しています。
両国は防衛装備品・技術移転協定に基づく協力の進展を確認し、軍事情報の保護について防衛当局間で議論を開始することで合意しました。これは、南シナ海で影響力を拡大する中国を念頭に置いた協力強化といえます。インドネシアはASEAN最大の国家として地域安全保障の要であり、日本にとって「自由で開かれたインド太平洋」実現の重要なパートナーです。
「インドネシアは海洋国家として日本の重要なパートナーだ」
「中国の海洋進出に対してASEANの結束が重要になる」
「防衛装備協力で両国関係はさらに深化するはず」
「南シナ海の安定には国際法の順守が不可欠」
「日本の技術支援でインドネシアの能力向上を期待」
インドネシアの対中接近と戦略的曖昧性
注目すべきは、インドネシアが2024年4月21日に中国との初の外務・防衛閣僚会合を実施していることです。王毅共産党政治局員兼外相氏と董軍国防相氏、スギオノ外相氏とシャフリ国防相氏が出席し、海上警備機関による安全保障協力協定に署名しました。
さらに11月には、プラボウォ・スビアント大統領氏が中国の習近平国家主席氏と会談し、2025年から外務・防衛担当閣僚協議の実施を決定しています。共同声明では「重複する海域での共同開発について重要な共通理解に達した」と明記されましたが、これが南シナ海における中国の領有権主張を認めるものとして国内で厳しく批判される事態となっています。
戦略的パートナーシップの競争
インドネシアの外交政策は、米中対立の激化を背景とした戦略的ヘッジングの典型例です。同国は日本との関係を2023年に「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げする一方、中国とも防衛協力を深めています。
プラボウォ大統領氏は2024年2月の大統領選挙当選後、初の外国訪問先として中国を選択しており、対中重視の姿勢を示しています。その一方で、オーストラリアとは8月に包括的な防衛協定に調印し、米国との軍事演習も継続するなど、全方位外交を展開しています。
海洋安全保障をめぐる複雑な構図
インドネシアは南シナ海問題において複雑な立場にあります。同国は南シナ海の領有権を主張していませんが、ナトゥナ諸島周辺海域で中国漁船の侵入問題を抱えています。2020年には中国海警局の哨戒艇を伴った漁船団がナトゥナ海で操業し、ジョコ・ウィドド前大統領氏(当時)が「主権に関しては交渉の余地はない」と強く反発した経緯があります。
このため、インドネシアは中国との関係改善を図りつつも、日本や米国、オーストラリアとの安全保障協力を通じて対中牽制のバランスを取る戦略を採用しています。日本との2+2では東・南シナ海での国際法順守の重要性を確認する一方、中国との2+2では海上安全保障協力を進めるという二重外交を展開しています。