2026-06-28 コメント投稿する ▼
小児がん拠点病院を10カ所に集約へ 少子化による質向上と地域連携の両立
さらに、各都道府県に「都道府県小児がん拠点病院」という新たな枠組みを設けることで、地元でも標準的な治療や支援が受けられる体制を強化し、地域医療との両立を図る方針です。 また、これらの「小児がん拠点病院」や「都道府県小児がん拠点病院」だけでなく、放射線治療などの一部の専門治療や、長期にわたるフォローアップを担う「小児がん連携医療機関」も指定されます。
少子化による患者数減少と医療体制の見直し
近年、日本は深刻な少子化に直面しており、それに伴い小児がんの罹患数も減少傾向が続いています。厚生労働省のまとめによると、15歳未満の子どもにおけるがんの罹患数は、2016年の2144人から、2023年には1905人へと減少しました。さらに、この減少傾向は今後も続くと予測されており、2030年には1438人まで減ると推計されています。このような状況下で、全国に15カ所指定されてきた小児がん拠点病院のあり方を見直し、より集中的かつ効率的な医療提供体制を構築する必要があるのです。
治療の質向上と国際連携を目指す拠点集約
今回の政府の方針は、患者数の減少という現実を踏まえ、限られた医療資源を最大限に活用し、小児がん治療の質を維持・向上させることを主眼としています。指定する拠点病院を10カ所程度に集約することで、より多くの症例が一カ所に集まることになり、高度で専門的な治療の維持・確保につながると期待されています。これは、難易度の高い治療や希少ながんに対する治療経験の蓄積を促す上で非常に重要です。さらに、拠点を集約化することは、海外で開発された最先端の治療薬を日本でも早期に導入するための国際共同治験の推進や、新しい医療技術の開発を促進する上でも効果的でしょう。
地域の実情を踏まえた新たな拠点枠組み
一方で、全国どこに住んでいても、必要な医療にスムーズにアクセスできる体制も不可欠です。この課題に対応するため、政府は新たに「都道府県小児がん拠点病院」という枠組みを設けることにしました。これは、各都道府県が推薦する医療機関を、国が原則として1カ所指定するものです。これにより、患者さんが地元で標準的な治療や、きめ細やかな支援を受けやすくなることが期待されます。また、これらの「小児がん拠点病院」や「都道府県小児がん拠点病院」だけでなく、放射線治療などの一部の専門治療や、長期にわたるフォローアップを担う「小児がん連携医療機関」も指定されます。
新体制への移行と選定作業の行方
「小児がん連携医療機関」には、患者さんが通いやすい診療所なども含まれる予定です。こうした多層的な連携体制を構築することで、患者さんはより身近な場所で、必要な治療や支援を受けやすくなると考えられます。政府は、これらの新たな枠組みについて、厚生労働省が今冬から「小児がん拠点病院」および「都道府県小児がん拠点病院」の選定作業を進める方針です。来年4月からの新体制開始に向けて、全国の医療機関がどのように連携し、小児がん患者とそのご家族にとって最善の医療提供体制が築かれていくのか、その具体策が注目されます。
まとめ
- 政府は、小児がん患者への高度医療提供拠点である「小児がん拠点病院」を15カ所から10カ所程度に集約する方針を固めた。
- 背景には、少子化による15歳未満の小児がん罹患数の減少傾向がある(2023年は1905人)。
- 集約により、症例集積による高度治療の質維持・向上、国際共同治験の推進、新薬開発促進を図る。
- 新たに「都道府県小児がん拠点病院」を各都道府県に原則1カ所設置し、地元での標準治療や支援体制を強化する。
- 「小児がん連携医療機関」や診療所とも連携し、患者の通院負担軽減なども目指す。
- 新体制は2027年4月からの開始を目指し、選定作業は2026年冬に進められる。