2026-05-19 コメント投稿する ▼
上野賢一郎厚労相「安全対策を速やかに検討」血管炎薬タブネオス20人死亡・FDAデータ操作疑惑に揺れる難病治療
上野賢一郎厚生労働相は2026年5月19日の閣議後記者会見で、血管炎治療薬「タブネオス」(一般名アバコパン)の投与後に患者20人が死亡した問題を受け、「必要な安全対策を速やかに検討する」と表明しました。死亡患者20人には肝機能障害が見られ、肝臓内の胆管が消失する「胆管消失症候群」の報告も22例に達しています。さらに米国の食品医薬品局(FDA)は有効性への疑義と治験データ操作の疑いを指摘し承認撤回を提案しており、欧州当局も調査中です。国内の推定使用患者は約8500人に上り、患者と家族の不安が広がっています。
国内8500人が服用、「タブネオス」とはどんな薬か
「タブネオス」は、血管が炎症を起こすことで発熱や全身倦怠感などさまざまな症状が現れる難病「血管炎」の治療薬です。米アムジェン社の完全子会社であるケモセントリクス社が開発し、キッセイ薬品工業(長野県松本市)が2017年に日本での独占的開発・販売権を取得しました。2021年9月に国内で製造販売承認を取得し、2022年6月から販売が始まりました。
2026年4月27日時点の国内推定使用患者数は約8503人に上ります。従来のステロイド治療の副作用を軽減できる新しい治療薬として、難病患者に期待されていた薬でした。
難病の患者さんにとっては数少ない治療の選択肢だったのに。投薬中の家族が心配でたまらない。早く情報を出してほしい
死亡20人・「胆管消失症候群」22例の深刻な実態
キッセイ薬品の発表によると、2022年の販売開始以降、国内で肝機能障害に関連する死亡報告が20例に達しました。肝臓内の胆管が消失する「胆管消失症候群」という重篤な副作用の報告は国内で22例に上り、そのうち13例が死亡しています。
特に注目されるのは発症の時期で、投与開始から3か月以内に発症した例がほとんどで、29日から56日の間に集中しています。同社は2026年5月1日付で添付文書の「重大な副作用」欄に「胆管消失症候群(頻度不明)」を追記しており、現在投与中の患者については医師と相談した上で投与継続の可否を慎重に判断するよう求めています。
タブネオスを服用して2か月で体調が急変した。医師から肝臓に問題があると言われ、まさかこんなことになるとは思わなかった
米FDAが承認撤回を提案、データ操作の疑いも浮上
問題をさらに深刻にしているのが海外規制当局の動向です。米国食品医薬品局(FDA)の医薬品評価研究センター(CDER)は2026年4月、有効性に疑義があるとして米国市場からの承認撤回を提案しました。CDERは「非盲検の研究担当者が重要な臨床試験の結果を操作し、薬が有効であるように見せていた」と指摘し、開発元が元の分析結果をFDAに開示しなかった疑いにも言及しています。
欧州医薬品庁(EMA)も2026年1月から、治験データの整合性に疑義があるとして専門委員会での見直しを始めています。開発元を傘下に持つ米アムジェン社は「FDAの評価には同意しない。有効性は実証されており、重要な治療薬だ」と反論していますが、複数の規制当局が疑義を示している事実は重大です。
データ操作の疑いまであるなんて信じられない。患者を守るための薬なのに、どこまで信用できるのか疑問だ
上野厚労相「速やかに安全対策を検討」、患者への情報提供急ぐ
上野賢一郎厚生労働相(64)は2026年5月19日現在、国内での薬の承認を継続する判断を維持しつつも「必要な安全対策を速やかに検討する」と明言しました。厚生労働省は薬と死亡との因果関係の分析を進めており、投与との関連が明らかになれば追加の安全対策を講じる方針です。
患者の安全を守るためには、因果関係の早期解明と国内外の情報共有を加速させることが急務です。 難病患者にとって代替治療が限られるなかで、迅速かつ丁寧な情報提供と安全対策の整備が強く求められています。現在服用中の患者は、独断で投与をやめず、担当医師への相談を続けることが重要です。
「厚労省には、疑わしい段階でも情報を先に出してほしい。患者や家族が不安を抱えながら待ち続けている」
「現在タブネオスを使用している患者への説明が遅すぎる。上野大臣は今すぐ動いてほしい」
まとめ
- 血管炎治療薬「タブネオス」投与後の国内死亡報告が20例に達し、厚生労働省が安全対策の強化に乗り出した
- 肝臓内の胆管が消失する「胆管消失症候群」が国内で22例(死亡13例含む)報告されており、投与開始から3か月以内の発症が多い
- キッセイ薬品は2026年5月15日、医療機関に新規投与を控えるよう呼びかけ、5月1日付で添付文書に同症候群を追記した
- 米FDAは2026年4月に有効性への疑義と治験データ操作の疑いを理由に承認撤回を提案、欧州EMAも調査中
- 国内の推定使用患者数は約8503人(2026年4月27日時点)、因果関係は現在調査中
- 上野賢一郎厚生労働相は「海外の規制当局とも連携しながら対応する」とし、安全対策の速やかな検討を表明した
- 現在服用中の患者は独断で服薬を中断せず、担当医師と相談することが求められている