2026-03-27 コメント投稿する ▼
OTC類似薬保険外し反対 要請 公害患者の会の訴え
2026年3月27日、喘息患者や大気汚染による公害被害者が中心となる「全国公害患者の会連合会」は、上野賢一郎厚生労働大臣あてに、OTC類似薬(市販薬と同等の効能を持つ処方薬)の保険適用除外に反対する要請書を提出し、厚生労働省での聞き取りを行いました。 保険適用除外の動きは医療費抑制の一環として議論されていますが、患者や医療関係者の間で強い懸念が出ています。
患者団体が類似薬保険外し反対を厚労相に要請
2026年3月27日、喘息患者や大気汚染による公害被害者が中心となる「全国公害患者の会連合会」は、上野賢一郎厚生労働大臣あてに、OTC類似薬(市販薬と同等の効能を持つ処方薬)の保険適用除外に反対する要請書を提出し、厚生労働省での聞き取りを行いました。要請には日本共産党の衆議院議員・畑野君枝氏も同席しました。患者会は去痰剤「ムコダイン錠」や風邪薬、アレルギー薬など身近な薬が保険適用除外の対象候補になっている点を問題視し、負担増によって受診控えや症状悪化が生じる危険を訴えました。保険適用除外の動きは医療費抑制の一環として議論されていますが、患者や医療関係者の間で強い懸念が出ています。
「このまま保険が外されれば、生活が立ち行かなくなる」
「ムコダイン錠が保険から外れるのは納得できない」
「薬代負担が増えれば受診を控えそうで怖い」
「喘息が悪化する患者が増えるのでは」
「命に関わる問題として真剣に考えてほしい」
全国公害患者の会連合会は要請書で、日常的に必要とする薬が保険から外されることで、患者が自己負担で薬を購入し続けざるを得ない状況に追い込まれる恐れがあると強調しました。OTC類似薬は本来、医療機関で処方される薬であり、医師の診断と管理のもとで使われることが前提です。しかし適用除外されれば患者が薬局で単独に購入する形となり、自己判断での使用リスクや経済的負担が増します。こうした懸念は患者団体だけでなく、医療関係団体からも指摘されています。
OTC類似薬保険除外見直しの背景と論点
「OTC類似薬」とは、市販薬と有効成分がほぼ同等であるにもかかわらず医療機関で処方される薬を指します。政府・与党内では医療保険制度の持続可能性を議論する中で、保険適用の見直しが提案されています。自民党・公明党・日本維新の会による2025年度の三党協議では、医療費抑制策の一環としてOTC類似薬の保険給付からの除外が具体的な検討対象になったことが報告されています。こうした見直しは保険料負担の軽減を目的とする一方、患者負担の増加や健康被害のリスクが指摘されてきました。
保険制度の大枠では、日本の健康保険では医療費の約7割を公的制度が負担し、患者は原則として一定割合(10~30%)の自己負担をします。これは高額医療費制度などと組み合わせ、国民皆保険制度の下で均一のアクセスを確保する仕組みです。OTC類似薬の保険外しはこの枠組みを変え、薬代を全額患者負担または別枠の自己負担とする可能性があります。
患者団体が反対する主な理由は、日常的治療に必要な薬が高額負担になることで受診控えが生じ、症状悪化や合併症の発生につながる懸念がある点です。特に喘息やアレルギーを持つ患者は長期的な薬物療法が不可欠であり、これが経済的負担増によって継続困難になる可能性が危惧されています。こうした懸念を背景に、患者側は薬の保険適用継続を強く求めています。
厚労省の立場と今後の検討課題
厚生労働省の担当者は、過去に喘息対策として「喘息予防・管理ガイドライン」や「喘息死亡ゼロ作戦」が進められ、2006年には死亡数が約4000人から2000人に減少したと説明しました。また、現在は「アレルギー疾患対策の基本指針」に基づき、年間約10億円の予算でアレルギー疾患全体への総合的な対策を進めているとしました。これらの取り組みは公害患者の健康維持にも寄与してきたと位置付けられています。
しかし、担当者はOTC類似薬の保険適用除外による負担増が通年で受診や服薬の必要な患者にとって過大にならないよう検討が必要だと認めました。この認識は、薬の保険適用のあり方を見直す中で、患者負担増が格差や健康被害につながらないようにするという観点から重要な論点になります。経済的負担軽減を重視する一方で、医療へのアクセスと患者の健康リスクへの配慮が求められているのです。
今後、保険適用除外の対象薬剤や除外時期の具体化、患者負担軽減策の設計などが検討される見込みです。患者団体は引き続き議論に参加し、必要な医療を受けられる権利を保障するよう求めています。
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重要ポイント(まとめ)
- 全国公害患者の会連合会がOTC類似薬の保険適用除外に反対要請。
- 喘息・アレルギー患者への負担増と受診控えの懸念。
- 保険制度の持続性と患者負担の均衡が論点。
- 厚労省は負担過大にならない検討の必要性を認める。
- 今後、除外対象や負担軽減策など具体議論が焦点。