2025-10-16 コメント投稿する ▼
美濃市長選で現職が職員に後継候補用資料作成指示、渡辺暁典市議は関与否定
岐阜県美濃市長選挙をめぐり、現職市長が後継候補のために市職員に資料を作成させていたとの報道が波紋を広げています。 一部報道では、3期目の現職・武藤鉄弘市長が後継と目する渡辺氏のために、公開討論会での回答文案や参考資料を作成するよう市職員に指示していたとされています。
立候補予定者が関与を全面否定
渡辺暁典市議は10月16日、美濃市内で記者団の取材に応じ、武藤市長が職員に指示したとされる資料について、資料は受け取っていないと述べました。その上で知る由もないと関与を全面的に否定しました。
一部報道によると、武藤氏が渡辺氏のために複数部局の市職員に討論会で参考にするデータなどの準備を指示し、市職員は勤務時間中に資料を作成したとしています。公開討論会は候補者が政策を訴える重要な場であり、そこで使用する資料を現職市長の指示で市職員が作成していたとすれば、公務員の政治的中立性や地方公務員法に抵触する可能性があります。
「現職市長が後継のために職員使うって、完全にアウトでしょ」
「市の職員は市民全体のために働くべきで、特定候補のためじゃない」
「渡辺市議は知らなかったって言ってるけど、本当かな」
「公開討論会の資料を役所が作るなんて、公正な選挙じゃないよ」
「武藤市長は3期も務めたんだから、最後くらいクリーンに退くべきだった」
市長選の構図と経緯
美濃市長選は、武藤氏が2026年1月の任期満了前となる2025年10月末に辞職することに伴うものです。渡辺暁典氏と元市職員の篠田啓介氏の無所属新人2人が立候補を表明しています。
武藤鉄弘氏は1952年生まれの72歳で、岐阜県庁職員を経て2013年に美濃市副市長に就任しました。2014年の市長選挙で初当選し、2018年には無投票で再選、2022年には接戦を制して3選を果たしました。今回は任期途中での辞職となり、後継として渡辺氏を支援する意向を示していました。
渡辺暁典氏は51歳の市議で、武藤氏の後継候補として立候補を表明しています。一方の篠田啓介氏は54歳の元市職員で、市政の刷新を訴えて立候補する見通しです。両候補とも無所属での出馬となります。
公務員の政治的中立性が問われる
地方公務員法第36条は、職員の政治的行為の制限を定めており、特定の候補者を支持する目的で職務上の地位を利用することを禁じています。今回の報道が事実であれば、市職員が勤務時間中に特定候補のための資料を作成したことになり、明確な法律違反となります。
また現職市長が後継候補のために職員に指示を出すこと自体が、行政の中立性を損なう行為です。市長には行政のトップとして公正な選挙を実施する責任がありますが、自らが特定候補を有利にする行為に関与していたとすれば、その責任は重大です。
美濃市は人口約1万9000人の小規模自治体で、伝統的な和紙の産地として知られています。市職員の数も限られており、複数部局の職員が資料作成に関与していたとすれば、通常業務への影響も懸念されます。市民の税金で雇用されている職員が、特定候補のために時間を使うことは許されません。
渡辺氏は関与を否定していますが、武藤氏側からの説明はまだありません。市長選告示まで10日余りとなる中、この問題が選挙戦にどのような影響を与えるかが注目されます。公正な選挙を実施するためには、事実関係の徹底的な解明が必要です。市民は候補者の政策だけでなく、こうした問題への対応も含めて判断することになるでしょう。