「育成就労」制度、タイと初MOC締結で本格始動へ 最大42万人受け入れ、労働力確保が公式目的に

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「育成就労」制度、タイと初MOC締結で本格始動へ 最大42万人受け入れ、労働力確保が公式目的に

2027年4月から始まる新たな外国人材受け入れ制度「育成就労」について、政府は制度の適正な運用を目指し、タイとの間で初の協力覚書(MOC)を締結しました。 政府は、この育成就労制度において、2027年4月から2年間の受け入れ上限を42万6200人と設定しました。

2027年4月から始まる新たな外国人材受け入れ制度「育成就労」について、政府は制度の適正な運用を目指し、タイとの間で初の協力覚書(MOC)を締結しました。この新制度では、今後2年間で最大約42万人の外国人材を受け入れる計画であり、これは現在在留する外国人全体の約1割に相当します。かつての技能実習制度とは異なり、「人材確保と育成」が公式な目的として掲げられており、労働力不足の深刻化に対応する狙いが明確になっています

新たな制度の背景


これまで日本が国際協力の名の下で運用してきた「技能実習制度」は、本来、発展途上国の人材育成を支援する目的で1993年に創設されました。しかし、実態としては国内の労働力不足を補うための非熟練労働者の受け皿となっているとの指摘が絶えませんでした。制度の趣旨が曖昧になった結果、劣悪な労働環境や低賃金、不当な解雇といった問題も後を絶たず、外国人労働者保護の観点からも改善が求められていました。こうした状況を踏まえ、政府は技能実習制度を廃止し、より実効性のある新たな在留資格制度として「育成就労」を創設することになったのです。

育成就労制度の受け入れ枠と特定技能との連携


政府は、この育成就労制度において、2027年4月から2年間の受け入れ上限を42万6200人と設定しました。これは、2026年末時点での在留外国人数約412万人の約1割に相当する規模です。さらに、中長期的な就労を可能にする「特定技能制度」における受け入れ上限も80万5700人と設定されており、両制度を合わせると、最大で約123万人の外国人材を受け入れることが可能となります。育成就労制度では、最長3年間の就労期間中に技能試験と日本語試験に合格することで、特定技能の在留資格へと移行できます。これにより、一定期間働いた後も日本で活躍できる道が開かれることになります。

悪質業者排除に向けた協力覚書(MOC)の重要性


育成就労制度では、悪質な送り出し機関による不正行為や、外国人材が不当な扱いを受けることを防ぐため、原則として、政府間で締結される「協力覚書(MOC)」を結んだ国からの人材受け入れに限定する方針です。これは、送り出し国政府の関与を明確にし、制度の透明性と適正性を確保することを狙いとしています。今回、6月2日付でタイとの間でMOCが締結されましたが、これは育成就労制度に関して外国政府と結んだ初の覚書となります。今後、政府は、すでに技能実習制度でMOCを締結している国々を中心に、同様の政府間協議を順次進めていく計画です。現在、技能実習制度でMOCを締結している国は17カ国、特定技能制度でも17カ国と締結しており、両制度でMOCを締結済みの14カ国はすべてアジア太平洋地域に集中しています。

制度の適正運用への提言


今回の育成就労制度創設にあたり、ある識者は、制度の適正な運用と、より多くの国からの人材受け入れの可能性について、興味深い提言を行っています。その識者は、「難民認定制度の誤用・濫用が目立つ国とも、同様に協力覚書(MOC)を交わし、合法的な就労の道を開いてはどうか」と述べています。これは、技能実習制度の目的であった「国際貢献」から、「人材確保」へと目的が大きくシフトした育成就労制度において、より多くの国の人々が、不法滞在や不安定な立場に置かれることなく、日本で安定して働ける環境を整備すべきだとの考え方を示唆しています。もちろん、MOC締結にあたっては、各国の労働市場の実情や人材育成能力、受け入れ体制などを慎重に見極める必要がありますが、制度が単なる労働力確保の手段に終わらず、双方にとってより良い共生社会の実現につながるか、今後の運用が注視されます。

まとめ


  • 2027年4月から新たな「育成就労」制度が始まる。
  • タイとの協力覚書(MOC)を締結し、最大42万人を受け入れる計画。
  • 制度の目的は「人材確保と育成」にシフト。
  • 悪質業者排除のため、MOC締結国からの受け入れに限定。
  • 制度運用の適正化が求められ、合法的な就労の道を開く提言も。

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2026-07-01 10:32:05(櫻井将和)

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