2026-05-12 コメント投稿する ▼
高市早苗首相、ベッセント米財務長官と会談 米中首脳会談前の訪日に対中認識すり合わせの狙い 台湾問題・レアアース規制も直接伝達へ
スコット・ベッセント・米財務長官が2026年5月11日に来日し、12日に高市早苗・内閣総理大臣と会談しました。ベッセント長官は2026年5月14〜15日に北京で行われるトランプ大統領と習近平・中国国家主席の米中首脳会談に同席するための訪中前に日本に立ち寄ったもので、高市総理側近は「中国に行く前に日本に立ち寄ること自体に意味がある」と述べ、対中政策のすり合わせが主眼と認識を示しました。台湾への武器輸出をめぐる米中の動向、中国のレアアース輸出規制、為替など多岐にわたる課題について日本側の立場を直接伝える重要な外交の場となりました。
「中国に行く前に日本に寄る」 ベッセント氏来日の戦略的意味
スコット・ベッセント・米財務長官は2026年5月11日に来日し、翌12日に高市早苗・内閣総理大臣、片山さつき・財務大臣(以下財務相)、植田和男・日本銀行総裁らと個別に会談しました。
ベッセント長官は2026年5月14〜15日に北京で行われるドナルド・トランプ大統領と習近平・中国国家主席の米中首脳会談に同席するために訪中する予定です。その直前に日本と韓国に立ち寄る日程を組みました。
高市総理の側近はこの日程の意味について「中国に行く前に日本に立ち寄ること自体に意味がある」と語り、会談の主眼が為替や経済問題にとどまらず、対中政策のすり合わせにあることを示しました。
ベッセント長官は来日に先立ちSNS上で「レアアースをはじめとした経済安全保障は国家安全保障そのもの」と投稿し、日米間での生産的な協議への強い意欲を示しています。
高市総理が伝えるべき3つのメッセージ
今回の高市・ベッセント会談で日本側が伝えようとしているテーマは主に3点です。
第1に、中国のレアアース輸出規制への対応です。2026年1月、中国は軍民両用製品の対日輸出を禁止し、その対象にレアアースも含まれました。日本はレアアースの約7割を中国からの輸入に依存しており、半導体・自動車・防衛産業など幅広い分野に打撃を与えています。外務省幹部は「中国のレアアース輸出規制などを伝える」と明言しており、日米が連携して対応する重要性を訴える考えです。
第2に、日本が中国との対話にオープンであることを改めて伝える方針です。高市総理は就任後、習近平国家主席と会談し「戦略的互恵関係」を掲げる一方、2025年11月の国会答弁で台湾有事に関して自衛隊の出動可能性に触れる発言を行い、中国側の強い反発を招きました。政府は「対話の扉は開いている」という姿勢をベッセント長官を通じて米中首脳会談の場にも届けたい考えです。
第3に、米中首脳会談での台湾問題への過度な配慮への懸念です。トランプ大統領は米中首脳会談で台湾への武器輸出について協議する考えを示しています。政府内では大規模な貿易交渉などと引き換えに台湾問題で中国側に過度に配慮する展開への警戒感があり、会談に同席するベッセント長官に直接伝える意向です。
「米中会談の前に日本に寄るのは単なる儀礼ではない。高市総理の外交センスが問われる」
「中国に7割依存のレアアースをなぜ今まで放置してきたのか。スパイ防止法もない国で大丈夫か」
「高市総理が直接アメリカに台湾への姿勢を伝えるのは正しい判断。毅然とした外交を期待する」
「台湾問題でアメリカが中国に配慮するなら日本は困る。安保の観点から絶対に伝えるべきだ」
「為替の話だけじゃなく対中認識もすり合わせるというのは本当に重要な会談だと思います」
為替・経済安保・イラン情勢も議題に 多岐にわたる日米の課題
今回の会談では対中政策以外にも、複数の重要課題が議題に上ります。
為替問題については、円安ドル高傾向が続く外国為替市場への対処が焦点の一つです。投機的な円売りへの対処策を含め、日米間での認識共有が試みられます。
経済安全保障については、レアアースにとどまらず、半導体・エネルギー・食料などの戦略物資の安定調達に向けた日米連携強化が求められています。
イラン情勢への対応も共通の課題です。2026年2月以降のホルムズ海峡の実質的な封鎖状態により、日本はエネルギーと化学原料の両面で深刻な打撃を受けており、米国との情報共有と協力が急務となっています。
「伝えるべきことを伝える」 高市外交の本領が試される場
外務省幹部は2026年5月12日の朝、「対中認識を含めて伝えるべきことを伝える」と述べました。官房副長官は「日米関係のさらなる強化、さまざまな国際的課題に対する連携等に向けて、実りある議論ができることを期待している」とのコメントを発表しています。
高市総理は台湾有事発言以降、対中関係での緊張が続くなかでも発言の撤回を拒否しつつ、対話の維持を呼びかける外交路線を貫いています。その姿勢は「毅然とした国家としての立場表明」として国内では評価される声がある一方、日中関係の安定化を求める意見とのバランスが課題です。
今回のベッセント長官との会談は、米中の間で日本の国益を明確に主張できるかが問われる重要な外交の場です。 トランプ政権が大型取引を優先する可能性がある中、日本が台湾問題や経済安全保障についての立場を明確に伝えることは、地域の安定と日本の安全保障にとって不可欠です。
スパイ防止法の整備が遅れ、経済安全保障の法的インフラが十分に整っていない現状においても、外交の場で日本の立場を毅然と訴え続けることが、高市政権に求められる責務です。
まとめ
- ベッセント米財務長官が2026年5月11〜13日に来日し、12日に高市早苗首相・片山財務相・植田日銀総裁らと会談
- 訪中(米中首脳会談)直前の訪日で、日本側は「対中認識のすり合わせ」が主眼と位置づけ
- 日本が伝えるテーマは①中国のレアアース輸出規制への対応②日中対話へのオープンな姿勢③米中交渉での台湾問題への過度な配慮への懸念
- 為替(円安対策)・経済安保・イラン情勢も議題
- 外務省幹部は「対中認識を含めて伝えるべきことを伝える」と表明