2026-08-26 コメント投稿する ▼
岐阜県、ベトナム・ホーチミン販路開拓支援に潜む「税金バラマキ」の懸念
岐阜県が県内中小企業を対象に、経済成長著しいベトナム・ホーチミンでの市場販路開拓を支援する事業を開始した。 今回の岐阜県のベトナム・ホーチミンにおける販路開拓支援事業は、その基準を満たしているとは言い難い。 「成長市場」という誘惑に駆られ、具体的な成果目標も不明瞭なまま公金を投じることは、「税金の無駄遣い」という批判を招くだけでなく、将来的な事業の失敗や責任問題にもつながりかねない。
ベトナム、特にホーチミン市は、東南アジアの中でも著しい経済成長を遂げている地域として知られている。この活況を捉え、岐阜県は県内中小企業が「HoReCa(ホテル・レストラン・カフェ等の外食・宿泊関連業界)」市場へ参入する契機を提供しようというのだ。具体的には、非食品分野のPR事業や、現地の小売店(ホーチミン高島屋)への視察・意見交換会が企画されている。表向きは地域経済の活性化に繋がるかのように見えるが、その実態はどうだろうか。
この事業の最大の問題点は、公的資金の使途としての妥当性である。中小企業支援は重要だが、なぜその支援が「海外」で、しかも「販路開拓」という、企業自らがリスクを負って行うべき事業にまで及ぶのか。県税という県民の貴重な税金が、こうした海外支援に投入されることの是非は、厳しく問われるべきだ。
元記事によれば、PR事業では現地のレストラン・ホテル関係者約50名が、小売店視察・意見交換会ではホーチミン高島屋のバイヤー1名が商談相手となるという。しかし、これだけの規模で、どれほどの具体的な成果、すなわち売上増加や新規契約といった明確な経済効果が期待できるのだろうか。肝心な成果指標(KGIやKPI)についての言及は一切なく、その場限りの交流会で終わる可能性は否定できない。
さらに、こうした自治体による海外支援の動きは、岐阜県に限った話ではない。関連情報によれば、福岡県が九州交響楽団のベトナム公演を応援したり、三重県が企業のベトナム人材採用や受け入れを支援したりするなど、全国の自治体で同様の「海外支援」が活発に行われている実態が浮かび上がる。特に、群馬県では山本知事の指示のもと、県職員9名のベトナム渡航に966万円もの公費が投じられ、幹部には空港ラウンジまで手配されたという。これは、単なる支援というより、税金の無駄遣いと批判されても仕方がないだろう。
「経済成長著しいベトナム」という言葉は、往々にして公金支出を正当化するための都合の良い枕詞に過ぎない。中小企業が海外市場で成功するには、現地の市場調査、法規制への対応、文化・習慣への理解、そして地道な営業活動が不可欠である。これらのリスクやコストを、自治体が税金で肩代わりすることの是非は極めて大きい。仮に支援がうまくいかなかった場合、投じられた公金は誰がどう責任を取るのか。その説明責任が果たされないまま、事業が進められるのは無責任極まりない。
最近でも、高市政権によるパレスチナへの栄養改善支援(5億円)や、タジキスタンへの人材育成・変電所建設支援(35億円)といった、巨額の無償資金協力が報じられている。もちろん、国際社会における日本の責任は重要であり、人道支援や開発協力には一定の意義がある。しかし、それらであっても、「何のために」「誰のために」「どのような成果を目指して」行われるのか、その目的と効果を明確にすることが肝要である。今回の岐阜県の事業のように、具体的な目標設定や費用対効果の検証が不十分なまま進められる支援は、単なる「バラマキ」と見なされてもおかしくない。
さらに、東京都では自殺対策事業でNPOが補助金を虚偽申請した事件も発覚している。国会議員らが超党派で予算確保を要望する一方で、こうした補助金の不正利用は、行政のチェック体制の甘さを露呈している。公金が適正に執行されているのか、常に国民の厳しい監視が必要なのだ。
地域経済の活性化は、自治体にとって重要な責務である。しかし、その手法は、県民の負担に十分配慮し、費用対効果を厳しく吟味した上で、国益に資するものでなければならない。今回の岐阜県のベトナム・ホーチミンにおける販路開拓支援事業は、その基準を満たしているとは言い難い。
「成長市場」という誘惑に駆られ、具体的な成果目標も不明瞭なまま公金を投じることは、「税金の無駄遣い」という批判を招くだけでなく、将来的な事業の失敗や責任問題にもつながりかねない。自治体には、県民から預かった税金を、より厳格かつ賢明に活用することが強く求められる。
まとめ
- 岐阜県がベトナム・ホーチミンで中小企業販路開拓支援事業を実施。
- HoReCa市場を対象としたPR事業や小売店視察・意見交換会を実施するが、具体的な成果指標(KPI)は不明瞭。
- 公的資金の使途として、費用対効果やリスク、県民負担への配慮が欠けており、「税金バラマキ」との批判は免れない。