2026-08-24 コメント投稿する ▼
「グレーゾーンは個人を守る」那覇市議の主張に反論 法整備こそが有権者の盾になる
沖縄県知事選を前に玉城デニー知事陣営の活動が公職選挙法の事前運動に当たると批判される中、那覇市議会議員の普久原あさひ氏がSNSで「グレーゾーン」を擁護する主張を展開しました。しかし法律の曖昧な「グレーゾーン」が最も有利に働くのは弁護士を抱える組織的な陣営であり、個人の政治参加を守るためには法の明確化こそが必要です。「3万票を取るため電話を」と告示日前に訴える行為を「演説会の告知」と言い換えることが許されるなら、公選法は事実上機能しなくなります。法律の文言を整備し、合法・違法の境界を明確にすることが、個人も安心して政治に参加できる環境の実現につながります。
那覇市議が「グレーゾーン擁護論」 玉城陣営の活動を合法と主張
玉城デニー沖縄県知事の総決起大会での「3万票を取るため告示日までに電話をかけて」という発言が公職選挙法(公選法)の事前運動ではないかと波紋を呼ぶ中、那覇市議会議員の普久原あさひ氏がSNS上で見解を述べました。
普久原氏は「今回の件を『グレーゾーンを攻めている』と表現するのは違う。法律違反ではない演説会の告知として認められているものを使用している」と主張しました。さらに、過度に政治活動を萎縮させれば「十分な人員や資金、組織を持っている企業・団体・既存組織の方が政治活動をしやすくなる」とし、逆に個人や小さなグループの活動を萎縮させることへの懸念を示しました。
グレーゾーンは本当に「個人を守る」のか その主張の矛盾
普久原氏の主張は一見もっともに聞こえますが、実際には逆の効果をもたらします。法律があいまいな「グレーゾーン」で最も有利になるのは、弁護士に相談できる組織や、法的リスクを許容できる十分な資金と人員を持つ陣営です。
個人や小さなグループこそ「これは合法か違法か」という判断を下す法的知識や体制を持っておらず、グレーゾーンの存在によって萎縮するか、意図せず違法行為に踏み込むリスクを抱えます。逆に言えば、法律が明確であるほど、個人は「ここまでは合法」という安心感のもとに自由に活動できます。グレーゾーンを維持することは法の専門家を持つ大きな組織に有利な環境を作ることであり、個人の政治参加の促進にはつながりません。
こうした主張にSNS上でも多くの声が上がっています。
「グレーゾーンがあるから個人が発信できるって理屈、まったく逆じゃないか」
「法律が曖昧だと、弁護士雇える組織が有利になる。個人には不利な話だよ」
「3万票取るために電話してと言ってグレーゾーンって、もう言い訳にもなってない」
「法整備が進めば個人が安心して活動できる。曖昧さを守る必要はない」
「選挙のためとわかりきったことを政治活動と言い張るなら公選法の意味がない」
「3万票のため」と言って何がグレーか 言い換えが通る問題の本質
公職選挙法第129条は、立候補届出前の選挙運動を事前運動として禁止しています。最高裁判例によれば選挙運動とは「特定の選挙において特定の候補者の当選を目的として、投票を得るために必要かつ有利な行為」と定義されます。
今回の玉城氏の発言は「この選挙(9月13日投開票の知事選)」で「3万票(特定候補の票)を取るため」に「告示日前」に「電話と声掛けを」求めるものです。4つの要素すべてが揃っているにもかかわらず「演説会の告知だからグレーではない」と主張することは、法律の趣旨を言葉の言い換えによって骨抜きにするものです。
法律の明確な文言で規制しきれない行為を「グレーゾーン」と称して許容し続ければ、誰でも「選挙のためだが法律上の言葉遣いはクリアしているから合法」と主張できる抜け穴が温存されることになります。これは選挙の公正性を根本から損なう問題です。
法の明確化こそが個人と有権者を守る道
公選法が「選挙運動」と「政治活動」の境界を明確に定義していないことが、今回のようなグレーゾーン論争を生む根本的な原因です。最高裁が示した判断基準はあくまでも裁判所の解釈であり、一般市民にはわかりにくいものです。
法律の文言を整備し、「事前運動」と認定される具体的な行為を明示することが、本来の意味で個人や有権者を守ることになります。「これは合法か」という恐れなしに自由に政治活動できるためには、グレーゾーンを残すことではなく、明確なルールを整備することが求められます。
普久原氏が指摘する「合法な政治活動まで萎縮させることはよくない」という点は正しいです。しかしその解決策は法律をあいまいなまま放置することではなく、どこまでが政治活動でどこからが事前運動かを法律で明確にし、恣意的な解釈の余地をなくすことです。
誰もがルールを理解でき、安心して政治に参加できる環境こそが、民主主義を支える基盤となります。
まとめ
- 那覇市議会議員の普久原あさひ氏が、玉城デニー知事陣営の活動への批判に対し「グレーゾーンではなく合法の演説会告知」と擁護。政治活動の萎縮が個人に不利になると主張した。
- 反論:グレーゾーンで有利になるのは法的専門家を持つ組織。個人こそ法の明確化によって守られる。曖昧さの維持は大きな組織に利する。
- 公選法第129条と最高裁判例の定義に照らせば、「3万票のため・告示日前・電話と声掛けを」という発言は事前運動の4要件をすべて満たしている。
- 「演説会の告知だから合法」という言い換えを許容すれば、誰でも目的の言い換えで事前運動を事実上合法化できる抜け穴が温存される。
- 公選法は「選挙運動」と「政治活動」の境界を法律の文言で明確に定義しておらず、最高裁判例に委ねている。これがグレーゾーン論争の根本原因。
- 解決策はグレーゾーンを維持することでも萎縮を避けることでもなく、法律で合法・違法の境界を明確にすること。これが個人も安心して政治参加できる環境を実現する。
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