2026-04-22 コメント投稿する ▼
健康保険法改定案で社会保障拡充論争 激化する給付削減・負担増
日本共産党の辰巳孝太郎衆議院議員は、改定案が給付削減と負担増を助長し、社会保障抑制路線を固定化するとして強く批判し、社会保障制度の拡充を求めました。 こうした委員会での声からは、給付と負担のバランスをどうとるべきかという根本的な政策論点が浮かび上がっています。
政府提出の健康保険法改定案 社会保障抑制路線への転換と拡充論議激化
政府が2026年通常国会に提出している健康保険法改定案(以下、改定案)をめぐり、衆議院厚生労働委員会(2026年4月22日)で激しい論戦が展開されました。日本共産党の辰巳孝太郎衆議院議員は、改定案が給付削減と負担増を助長し、社会保障抑制路線を固定化するとして強く批判し、社会保障制度の拡充を求めました。
「医療費負担が増えると、重病や難病の人々の治療が困難になる可能性があります。」
「社会保障は生活の基盤です。給付は減らすべきではありません。」
「高齢者だけでなく、現役世代の負担も公平に支える仕組みが必要です。」
「税制を見直し、再分配機能を強化しなければ、格差はさらに広がります。」
「社会保障の拡充は政治の責務であり、抑制路線の転換こそ求められています。」
こうした委員会での声からは、給付と負担のバランスをどうとるべきかという根本的な政策論点が浮かび上がっています。
政府の位置づけと改定案の主な内容
政府は、改定案を「全世代型社会保障」構築の一環として位置づけています。厚生労働省は改定案の趣旨説明で、保険制度の持続性を確保しつつ、効率的な保険運営と公平な負担の確保を目的としていると説明しました。改定案には、後期高齢者医療における保険料負担の見直しやOTC類似薬(市販薬)に関する保険給付体系の整理、出産にかかる保険給付の再構築などが含まれています。これらは政府が「医療費適正化と制度の持続性確保」を重視する対応とされています。
しかし、厚労省が公表する資料では、日本の社会保障支出は国内総生産(GDP)比で主要国に比べ低い水準にあることが示されています。たとえば、2021年のフランスの社会保障給付費はGDPの約34%であるのに対し、日本は約26%にとどまっています。こうした国際比較からは、社会保障全体の給付水準が不足しているとの指摘もあります。
国会での批判 給付削減・負担増への警戒
改定案に対して辰巳孝太郎議員は、政府が「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心の構造を見直す」としている政府認識そのものが誤っていると主張しました。辰巳氏は、社会保障の国際比較を引用しながら「国民全体の生活を支える給付が少なすぎる」と強調し、社会保障制度の拡充こそが急務であると訴えました。政府の認識が、給付の抑制と負担増を正当化する方向に偏っているとの批判です。
特に問題視されたのは、協会けんぽへの国庫補助金の削減措置です。改定案は中小企業などが加入する協会けんぽへの国庫補助について、従来の特例減額措置に加え、今後3年間で年間500億円の時限的削減を盛り込んでいます。辰巳氏は、もしこの削減措置が適用されなければ協会けんぽの保険料率は約0.1%下がり得たと指摘し、「現役世代の保険料抑制に逆行する」と批判しました。
辰巳氏の主張は、負担重視の政策が格差と貧困を助長するという問題意識に基づいています。実際に高齢者の貧困率は依然として高く、現役世代にも医療費負担が重くのしかかっています。負担増が現役世代に広がることで、若年層の生活や子育て支援、教育機会にも影響が及ぶ可能性が懸念されています。
給付拡充のための財源論議
社会保障の拡充には財源が不可欠です。辰巳氏は討論の中で、「高額所得者や大企業優遇の税制を見直し、応能負担(負担能力に応じた負担)を求めるべきだ」と主張しました。税制の再配分機能を強めることで、社会保障の財源を確保し、給付の拡充に充てるべきだという立場です。
この立場は、日本の社会保障制度を持続可能にするだけでなく、社会全体の格差を是正し、経済活動の安定化にもつながるとの主張につながっています。現役世代と高齢者、富裕層と低所得層の間における負担・給付の公平性が政策論議の中心になっています。
今後の審議と焦点
改定案は国会で審議が続いています。与党側は制度の持続可能性を重視しつつ、給付と負担のバランスを取る形で法案成立を目指していると見られます。一方、野党側は給付削減や負担増を抑制する方向への転換と、さらなる給付拡充を強く求めています。社会保障政策は、高齢化が進む日本にとって重要かつ喫緊の課題であるため、今後も国会内外で激しい論戦が予想されます。