2026-07-21 コメント投稿する ▼
日本EEZで中国艦が射撃訓練 防衛省が初公表、沖ノ鳥島巡り対立も
防衛省が中国艦艇による日本のEEZ内での射撃訓練を公表するのは今回が初めてであり、極めて異例の事態と言えるでしょう。 日本政府は、今回の訓練を中国とロシアが日本周辺海域での軍事活動を一層強化する動きの一環と捉え、強い警戒感を示しています。 今回の中国艦によるEEZ内での射撃訓練公表は、中国とロシアによる連携した軍事活動が、これまで以上に日本周辺で活発化している現実を示しています。
中国・ロシア艦艇の活動活発化
今回の事案は、中国とロシアが太平洋で共同で実施している「合同パトロール」の一環と考えられています。防衛省は、この4隻の艦艇が7月16日に沖縄本島と宮古島の間を南下して太平洋に入った動向を把握し、監視を続けていました。具体的には、7月19日午前2時ごろ、中国のミサイル駆逐艦2隻、補給艦1隻、ロシアのフリゲート艦1隻の計4隻が、沖ノ鳥島の南西約330キロメートルを北東方向に航行しました。その後の詳細な監視活動により、中国海軍のミサイル駆逐艦1隻が、沖ノ鳥島の南西約180キロメートルの日本のEEZ内で機関銃を用いた射撃訓練を行ったことが確認されました。海上自衛隊の護衛艦がこれらの動向を監視していました。
日本政府の対応と懸念
防衛省が中国艦艇による日本のEEZ内での射撃訓練を公表するのは今回が初めてであり、極めて異例の事態と言えるでしょう。木原稔官房長官は21日の記者会見で、「引き続き懸念を持って注視し、警戒監視に万全を期す」と表明しました。日本政府は、今回の訓練を中国とロシアが日本周辺海域での軍事活動を一層強化する動きの一環と捉え、強い警戒感を示しています。EEZは沿岸国が主権的権利を有する海域であり、資源開発などが認められています。国際法上、EEZ内での他国による軍事活動自体は禁止されていませんが、周辺船舶の安全確保への配慮は国際的な慣行として求められます。日本側は、中国側が訓練期間や海域について周辺船舶に事前に連絡していたという情報も把握していますが、今回の公表はその活動内容の重大性を踏まえたものと考えられます。現時点で、周辺船舶に被害が出たとの報告は確認されていません。
中国側の主張と対立
一方、中国側は日本の抗議に対し、強硬な姿勢で反論しました。中国外務省の林剣報道官は21日の記者会見で、「沖ノ鳥島は島ではなく岩礁であり、排他的経済水域(EEZ)や大陸棚は認められない」と改めて主張しました。この主張は、中国が長年維持してきた立場であり、日本のEEZ設定の根拠となっている沖ノ鳥島の法的地位を否定するものです。林報道官は、日本側からの申し入れについて、「日本の懸念には何の道理もない」と一蹴し、受け入れない姿勢を明確にしました。そして、「中国側が関連する公海上で活動を行うことは、国際法や国際慣例に合致している」と強調し、今回の行動を正当化しました。この日中間の主張の対立は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の活動など、両国間の海洋権益を巡る緊張関係が、今回の事案を通じて改めて浮き彫りになった形です。
今後の見通しと課題
今回の中国艦によるEEZ内での射撃訓練公表は、中国とロシアによる連携した軍事活動が、これまで以上に日本周辺で活発化している現実を示しています。防衛省関係者からは、「脅威レベルが上がっている」との声も聞かれます。こうした状況を踏まえ、防衛省は敵対的な情報発信に対抗するため、自らも積極的な情報発信を行う「認知戦」への対応を強化する方針です。今回の公表も、そうした情報戦略の一環と捉えることができます。日本としては、国際法に基づき、国益を守るための断固たる姿勢を示すとともに、同盟国である米国や関係国と連携を強化し、不測の事態に備える必要があります。EEZという、一見平穏に見える海域でさえ、安全保障上のリスクは常に存在することを、改めて認識させられる出来事と言えるでしょう。
まとめ
- 防衛省が中国艦艇によるEEZ内での射撃訓練を初めて公表。
- 中国とロシアの艦艇が日本周辺での軍事活動を活発化。
- 日本政府は強い警戒感を示し、外交ルートで申し入れ。
- 中国側は沖ノ鳥島の法的地位を否定し、抗議を一蹴。