2025-04-02 コメント投稿する ▼
日本語能力試験で不正疑惑 中国発SNSで解答拡散、試験の公平性に懸念
立憲民主党・小熊氏、中国での試験中止を提言
立憲民主党の小熊慎司氏は、この問題について「中国のテストは改善策が取られなければ中止すべきだ。全世界に影響してしまう」と強調し、「氷山の一角で、中国で起きたことも昨年12月だけとは思えない。問題の根は深い」と訴えた。日本語能力試験は外国人の在留資格取得や就職の要件として使用され、例年7月と12月の二度行われている。今回問題が発生したのは、大学進学に求められるレベルの「N2」試験で、マークシート方式で国内外の23万人以上が応募していた。
再発防止策として試験時間の調整を検討
再発防止策として、下山氏は「中国を中心とした東アジア、東南アジア、南アジアくらいの範囲において可能な限り、試験の時間が重なることを含めて対策を検討している」と述べた。国際交流基金は「統計上、極めて不自然と思われる事象」が発生したと認定したが、「不正」とは断定していない。下山氏は「判定不能となった受験者が、これらの投稿を参照したのかを確認することは困難だ」と説明し、判定不能とされた人数も明らかにしていない。また、「統計上不自然な回答に関するデータを公表した場合、不正利用され、将来の試験の適正な実施に影響が出る懸念がある」と語った。
SNSを利用した不正行為の実態
近年、SNSを利用した試験の不正行為が問題視されている。中国のチャットアプリ「WeChat」では、日本語能力試験の高得点を保証するという投稿が出回っており、30万円を支払えば試験中に全問題の正答を送信するという内容だった。手口としては、消しゴムに忍ばせたスマートウォッチを使って送られてきた正答を盗み見るというもので、試験の監視体制の甘さが指摘されている。
試験主催者の対応と受験者への警告
試験主催者である国際交流基金と日本国際教育支援協会は、試験問題と解答を公にしておらず、インターネットやその他の手段でこれらの情報を公開または協力したり、それを利用したことが判明した場合、以下の措置をとる権利を有している。
- 試験成績の無効
- 試験結果の不通知
- 今後の日本語能力試験の受験の禁止
さらに、悪質な行為と認められる場合には法的手続きを取るとしている。
不正行為の背景と影響
日本語能力試験の成績は、外国人の在留資格取得や就職の要件として重要視されており、高得点を取得することで日本での生活やキャリアに有利となる。そのため、一部の受験者が不正行為に手を染める背景があると考えられる。しかし、不正行為は試験の公平性を損なうだけでなく、正当に努力している他の受験者に対する重大な裏切り行為であり、試験の信頼性を低下させる要因となっている。
今後の課題と対策
今回の問題を受け、試験主催者は再発防止策として試験時間の調整や監視体制の強化を検討している。しかし、SNSや最新のデジタル機器を利用した不正行為は巧妙化しており、完全な防止は容易ではない。受験者一人ひとりが試験の意義を理解し、公正な受験を心掛けることが最も重要である。また、試験主催者や関係機関は、不正行為に対する厳格な対処とともに、受験者への啓発活動を強化し、試験の公平性と信頼性を維持するための努力を続ける必要がある。