松井一実・広島市長が5選出馬へ——16年超の市政継続か、問われる多選と新たな課題

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松井一実・広島市長が5選出馬へ——16年超の市政継続か、問われる多選と新たな課題

広島市の松井一実市長(73)が、2027年春の統一地方選で行われる予定の広島市長選に5選を目指して立候補する意向を固めたことが明らかになりました。松井氏は市議会関係者らへの伝達を始めており、2026年6月16日に開会予定の市議会定例会で正式に表明する見通しです。2011年の初当選以来16年に及ぶ長期市政となる見込みで、全国市長会会長としての活動継続を5選出馬の一因としても挙げています。広島市の人口は2019年以降減少傾向に転じており、JR西日本との新アリーナ構想など未完の大型事業をどう仕上げるかが問われます。一方で近隣の前・広島県知事が多選の弊害を理由に5期目不出馬を表明した例もあり、20年近い長期政権となる5選について有権者の判断が注目されます。

5選出馬の意向固める——6月の市議会で正式表明へ


広島市の松井一実市長(73)が、2027年春の統一地方選で行われる予定の広島市長選に5回目の立候補をする意向を固め、市議会関係者らへの伝達を開始したことが分かりました。松井氏は読売新聞の取材に立候補の考えを明らかにし、「詳細は(6月の)議会の中で説明する」と語っています。正式な出馬表明は2026年6月16日開会予定の市議会定例会で行われる見通しです。

松井氏は2026年4月、全国市長会の会長に再任された場合の対応として「それをやるために、もう一期(広島市長を)やることになる可能性が高い」と述べており、全国市長会会長としての責務を5選出馬の大きな動機のひとつとして挙げていました。

長く務めることが必ずしも市民のためになるとは限らない。松井市政の成果は認めるが、そろそろ新しい風が必要な時期では

16年の市政の軌跡——平和行政から大規模再開発まで


松井氏は広島市出身で、1976年に当時の労働省(現・厚生労働省)に入省し、中央労働委員会事務局長などを歴任しました。2011年の市長選で自民・公明両党の推薦を受けて初当選。その後、当選を重ねるごとに選挙は盤石となり、2023年4月の市長選では歴代市長の最多当選に並ぶ4選を果たしました。

平和首長会議の会長として核兵器廃絶に向けた国際的な発信を続ける一方、4期にわたる市政ではJR広島駅南口の再整備やサッカースタジアムの建設など都心の大型プロジェクトを次々に推進してきました。2026年3月30日にはJR西日本と広島駅北口(二葉の里地区)への新アリーナ建設に向けた包括連携協定を締結し、2031年完成を選択肢のひとつとして計画具体化が進んでいます。

松井市長のリーダーシップがあったからこそ、駅前再開発も進んできた。新アリーナまで責任を持って仕上げてほしい

人口減少が最大の課題——圏域200万人維持へ正念場


松井氏が5期目に直面する最大の課題が、加速する人口減少です。広島市の人口は2026年3月末時点で116万5,100人と、2019年以降は減少傾向が続いています。松井氏が推進する「200万人広島都市圏構想」は、経済的・生活面で深く結びつく周辺28市町との連携で圏域全体の活力を維持する方針ですが、広島県全体では2055年に圏域人口が200万人を割ると推計されており、対策は急務です。

また少子化による公共交通の維持問題も深刻で、4期目から手がけてきた「上下分離モデル」によるバス路線維持の取り組みが全国のモデルとなれるかどうかも、5期目の重要な評価軸となります。財源の確保と住民サービスの維持を両立するためには、行財政改革を着実に進める必要があります。

新アリーナを建てるのはいいが、その前に市内各地域の生活インフラや公共交通をきちんと守ってほしい。都心だけが発展しても困ります

問われる「多選の弊害」——近隣首長の5期不出馬と対照的


5期目の出馬については、長期政権がもたらす弊害を指摘する声も市内外に存在します。2026年4月の市長記者会見では、前・広島県知事の湯崎英彦氏が多選の弊害を理由に5期目の不出馬を表明したことを引き合いに、松井氏自身も多選への考え方を問われる場面がありました。5選が実現すれば2027年から2031年まで市長在任となり、通算20年を超える長期政権となります。

松井氏はこれまで、出馬判断の基準として「体力・気力・知力などを総合的に勘案する」と繰り返してきました。長期政権のメリットとして政策の継続性と蓄積された人脈・交渉力は挙げられますが、行政の硬直化や新たな政策提案能力の低下を懸念する声も無視できません。有権者が新たなリーダーシップを選ぶ機会の保障という観点からも、5選出馬の是非は広島市民が判断すべき重大な問いです。

20年近く同じ市長が続くことへの違和感もある。もっと他の候補者の政策も見てみたい

6月の市議会での正式表明を経て、2027年春の広島市長選に向けた各方面の対応が本格化していくことになります。

まとめ


  • 広島市の松井一実市長(73)が、2027年春の統一地方選での広島市長選に5選を目指して立候補する意向を固め、市議会関係者への伝達を開始。2026年6月16日開会の市議会定例会で正式表明の見通し。
  • 松井氏は1976年に旧労働省入省、2011年に初当選。4期目の現在は平和首長会議会長と全国市長会会長も兼務している。
  • 全国市長会会長の再任を5選出馬の動機のひとつとして明示。再任された場合は市長職継続が必要との認識を示していた。
  • 広島市の人口は2026年3月末時点で116万5,100人、2019年以降は減少傾向に転じており、「200万人広島都市圏構想」の推進が5期目の最大課題。
  • 2026年3月にはJR西日本と新アリーナ建設に向けた包括連携協定を締結。2031年完成が選択肢として挙げられており、5期目への継続で大型事業の仕上げを図る狙いがある。
  • 5選が実現すれば通算20年超の長期政権となり、多選の弊害を問う声も一定程度存在する。近隣では前・広島県知事が多選を理由に5期目を断念した例もある。

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2026-05-20 13:42:54(植村)

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