2026-05-08 コメント投稿する ▼
就航翌日に接触事故 久米島オーシャンジェット修理完了 9日にも運航再開へ
那覇と久米島を高速船で結ぶ久米島オーシャンジェットが2026年5月1日の就航翌日に起こした船底接触事故から約1週間が経ちました。損傷した部品の交換と海難事故時に義務付けられる臨時検査を終えた高速船「つむぎ」は2026年5月7日に那覇港へ戻り、同社は翼を着水させる海域の見直しなど再発防止策をとりまとめました。早ければ2026年5月9日にも運航を再開する方針で、下地幹郎代表取締役会長は安全管理体制を全面的に見直すと表明しています。就航初日から大きな期待を集めた「つむぎ」が、信頼回復に向けてどう動くかが問われています。
就航2日目に起きた接触事故の詳細
久米島オーシャンジェットが運航する高速船「つむぎ」は、2026年5月1日に那覇港と久米島の兼城港を結ぶ航路で就航したばかりでした。就航式には多くの関係者や乗客が集まり、久米島の人口減少を止めることや観光の活性化などへの期待を込めた初便の出発が祝われました。
ところがその翌日、2026年5月2日の午前11時3分ごろ、久米島町の兼城港を出港しようとした際に、港内で水中翼を下ろした状態のまま浅瀬へと流れ、船底が海底に接触するという事故を起こしました。
那覇行きとして午前11時に兼城港を出発したこの便には乗客27人と乗組員5人が乗っていましたが、けがをした人はいませんでした。事故の約8分後には海上保安庁へ通報がなされ、船は自力で兼城港に戻ることができました。しかし前方の水中翼の衝撃吸収装置が作動したことで高速航行ができない状態となったため、同社は全便の運航を休止する判断を下しました。
乗客には乗船料が全額払い戻され、航空便や久米商船のフェリーへの振り替え輸送が実施されました。
「就航したばかりなのにすぐ事故とは残念。久米島に早く行きたかったのに」
「高速船への期待が大きかっただけに、このニュースはショックだった」
「安全確認をしっかりしてから再開してほしい。焦らないで」
「島民にとっては移動手段の選択肢が増えることが大事。早く再開を」
「修理が終わったなら早期再開を期待。でも安全最優先でお願いします」
沖縄を変える高速船「つむぎ」とはどんな船か
「つむぎ」はジェットフォイルと呼ばれる超高速船の一種で、水中翼という特殊な翼で船体全体を海面から持ち上げ、時速約80キロで航行します。波の影響を受けにくく、従来のフェリーと比べて揺れが半分以下に抑えられることが特徴で、乗り心地のよさが大きな売り物です。
JR九州高速船がかつて「ビートル」として運航していた船を購入・改修したもので、乗客定員は230人です。那覇港から久米島の兼城港まで約82分で結び、従来のフェリーが約3時間30分かかるのに比べて移動時間をおよそ3分の1に短縮します。
運賃は大人片道7,800円で、久米島町民は5,400円です。また那覇と沖縄本島北部の本部を結ぶ航路も約60分で運航しており、沖縄の離島交通を大きく変える手段として注目を集めていました。
修理・検査完了から運航再開へ向けた取り組み
事故発生後、同社は損傷した部品の取り替えを速やかに進め、海難事故が起きた場合に法律で義務付けられている臨時検査を受けました。これらをすべて終えた「つむぎ」は2026年5月7日に那覇港へ戻りました。
久米島オーシャンジェットの下地幹郎代表取締役会長は「本当にご迷惑をかけたので改めてお詫び申し上げたいと思います」と謝罪した上で、「今後については安全管理の面をもう一度徹底して、安全管理体制をもう一度見直して、再開に向けて手続きに入っていきたいと思っております」と述べました。
同社は再発防止策として、翼を着水させる海域の見直しなどをとりまとめており、早ければ2026年5月9日にも運航を再開できるよう手続きを進めています。なお記者会見では今回の事故は機械的な原因によるものではないと説明されており、人的な判断や操船ルートの見直しが改善の中心になります。
離島交通への影響と今後の課題
高速船「つむぎ」の運航休止は、久米島の島民や観光客に少なくない影響を与えました。就航に合わせて国土交通省は那覇と久米島を結ぶ航空路線に対して国が支給してきた「離島航空路運航費補助」を打ち切る方針を固めており、航空路への影響も懸念されます。なお、久米島町民を対象にした航空運賃の割引制度は引き続き維持される見通しです。
運航休止中は久米商船のフェリーや航空便での対応が続きましたが、フェリーは所要時間が約3時間30分と長く便数も限られることから、島民や旅行者に不便が生じました。同社は久米島の観光客数を現在の約9万人から将来的に20万人へと増やすという目標を掲げており、安全で安定した運航の早期実現が急務です。
就航わずか2日目という極めて早い段階で起きたこの事故は、離島の観光と生活を支えるうえで安全管理の重要性を改めて社会に示す出来事となりました。再発防止策が確実に機能するかどうかが、今後の「つむぎ」への信頼を左右することになります。
まとめ
- 2026年5月2日午前11時3分ごろ、久米島・兼城港内で高速船「つむぎ」が船底を海底に接触させる事故が発生(就航翌日)
- 乗客27人・乗組員5人にけがはなく、船は自力で帰港。乗客には全額払い戻し・振り替え輸送を実施
- 「つむぎ」はJR九州「ビートル」を改修したジェットフォイル。那覇~久米島を約82分(定員230人、運賃大人7,800円)
- 損傷部品の交換と臨時検査を終えた「つむぎ」は2026年5月7日に那覇港へ戻った
- 下地幹郎会長が安全管理体制の全面見直しを表明。早ければ2026年5月9日に運航再開へ
- 再発防止策として翼を着水させる海域の見直しを実施
- 高速船就航に伴い、国の航空路線補助(離島航空路運航費補助)が打ち切られる方針
- 観光客を9万人から20万人に増やす目標を掲げており、安全運航の早期実現が最大の課題