2026-07-17 コメント投稿する ▼
自民PTが「物言う株主」対策で臨時株主総会の要件厳格化を提言 会社法改正で企業守るか
自民党司法制度調査会の「成長志向型コーポレートガバナンスプロジェクトチーム(PT)」が2026年7月17日、会社法改正に関する提言案をまとめました。アクティビスト(物言う株主)の過度な経営干渉を防ぐため、臨時株主総会の招集請求に必要な議決権比率を現行の3%から5%以上に引き上げることを求めています。日本市場でのアクティビスト活動が急増する中、法相の諮問機関である法制審議会を通じて会社法改正につなげる方針で、早ければ2027年1月の通常国会への法案提出が見通されています。
現行の3%規制を5%に引き上げ 背景にある日本株のアクティビスト急増
現行の会社法では、総議決権の3%以上を持つ株主に臨時株主総会の招集請求権が認められています。PTの提言案はこの割合を「5%以上」程度に引き上げるべきだと主張しています。突発的な総会の招集が繰り返されることを防ぎ、企業側の対応コストや負担を軽くするのが狙いです。
この動きの背景には、日本市場でのアクティビスト活動の急速な拡大があります。大和総研のレポートによれば、2025年に提出された「重要提案行為あり」の大量保有報告書の件数は246件にのぼり、前年の197件を大きく上回りました。2025年6月の総会シーズンに株主提案を受けた企業は141社と過去最多を更新しており、数年前の40〜50社程度から大幅に増加しています。
特定のアクティビスト1社が21社もの企業に対して定型的な株主提案を行った事例も記録されており、数より質の確保が市場の課題として浮上しています。
「株主提案が毎年倍々ゲームで増えていくのは企業の安定経営を脅かすリスクになりかねない」
「アクティビストが3%保有で臨時総会を招集できる国は少ない。グローバル標準に合わせるべき時期だと思う」
PTの狙いと「グローバルスタンダード」への対応
PTの座長を務める小林史明衆院議員は、これをアクティビスト規制と見る向きを否定しています。「厳しくするということではなく、グローバルな市場環境に合わせてイコールフッティング(公平)なルールを整備することが狙いだ」と語っています。アクティビストの存在自体は「企業に緊張感が生まれ、成長志向型の投資を前向きにする行動変容が起こっている」と一定の評価もしています。
一方で「非常に一部の短期的な株主還元や利益を求める行動によって、企業も短期的な株主還元に引っ張られ、将来の成長投資の原資が失われている可能性がある」と懸念を示しています。PT提言の対象は臨時株主総会の招集請求要件の引き上げにとどまらず、株主提案権の行使要件の厳格化、業務執行に関する定款変更を求める株主提案のルール見直しなども含まれています。さらに、法的拘束力のない「勧告的決議」について会社法上の位置付けを整理することも論点とされています。
政府は法制審での議論を経て会社法改正案をまとめる方針で、早ければ2027年1月召集の通常国会への提出が見通しとなっています。
短期的な利益を求めてうるさく要求するアクティビストは、長期的な企業成長の邪魔をしているケースも多い
株主提案権の要件厳格化も論点 個人投資家への影響に懸念の声
今回のPT提言は、株主提案権の要件見直しも含んでいます。現行法では「総株主の議決権の1%以上」または「300単元(多くの上場企業では3万株相当)以上の議決権を6カ月以上保有」すれば株主提案が可能です。
自民の資産運用立国議員連盟は「300単元以上の要件を廃止すべき」と提言しています。一見すると規制緩和に見えますが、300単元という絶対数の要件がなくなると実質的には議決権比率(1%)のみによる判断となるため、規制の実態はむしろ厳しくなります。 株主提案を行うアクティビストのほとんどはすでに1%以上を保有しているため、「個人投資家から株主提案権を奪うような設計だ」との批判も出ています。
2025年6月の総会シーズンで否決された株主提案のうち、賛成率が40%以上だったケースは9社11議案あり、前年の4社4議案から増加しています。アクティビストの影響力は制度の変更後もなお無視できない存在であり続けそうです。
「株主は会社の所有者のはずなのに、権利を制限していく方向にばかり進むのは疑問を感じる」
「企業側にとって便利な改正にならないか心配。取締役への甘さと株主への厳しさが同時に進むのは納得できない」
まとめ
- 自民PTが2026年7月17日、会社法改正に関する提言案をまとめた
- 臨時株主総会の招集請求要件を現行の「議決権の3%以上」から「5%以上」に引き上げることを求めた
- 背景には日本市場でのアクティビスト活動の急増がある。2025年の株主提案は141社と過去最多
- PT座長の小林史明衆院議員は「アクティビスト規制ではなくグローバルスタンダードへの対応」と強調
- 株主提案権の要件厳格化も論点で、個人投資家への影響を懸念する声もある
- 会社法改正案は法制審での議論を経て、早ければ2027年1月の通常国会への提出が見通し
この投稿の小林史明の活動は、74点・活動偏差値57と評価されています。下記GOOD・BADボタンからあなたも評価してください。