2026-08-26 コメント投稿する ▼
高市総理、ガソリン補助継続へ 中東情勢と物価高対策
高市総理は8月25日、総理官邸で記者会見を開き、中東情勢の不安定化を受けて発動している「緊急的激変緩和措置」として、ガソリン価格抑制のための補助金を継続することを表明しました。 政府は3月19日から「緊急的激変緩和措置」を開始し、ガソリン価格を全国平均で1リットルあたり170円程度に抑えるための補助金制度を導入しました。
ガソリン補助、中東情勢受け延長へ
会見の冒頭、高市総理は、国民が直面する物価高への対応が内閣発足以来の最優先課題であると改めて指摘しました。特に、2026年2月末からの国際情勢の不安定化は、原油価格の高騰を招いたとして、その影響に言及しました。
政府は3月19日から「緊急的激変緩和措置」を開始し、ガソリン価格を全国平均で1リットルあたり170円程度に抑えるための補助金制度を導入しました。この措置がなければ、8月17日時点の価格は1リットルあたり187円程度になる見込みでした。高市内閣の政策により、同日の価格は169.8円となり、主要先進国(G7)の中でも最も安価な水準を維持していると説明しました。
この補助金はガソリンだけでなく、軽油、重油、灯油にも適用されており、公共交通機関や農林水産業など、幅広い分野への支援につながっているとのことです。しかし、中東情勢は依然として不透明であり、原油価格の先行きは困難な状況です。
こうした状況を踏まえ、総理は「国民の皆様の命と暮らし」を守り、「経済活動」に支障をきたさないよう、「中東情勢等対応予備費」を活用して、ガソリン価格を全国平均170円/ℓ程度に引き続き抑制していくことを決定しました。この対応に必要な基金規模を確保するため、経済産業大臣に対し、財務大臣との調整を進めるよう指示したことも明らかにしました。
「実質賃金上昇」物価高対策の成果
総理は、ガソリン補助だけでなく、高市内閣が実施してきた「物価高対策」の全体像についても説明しました。これらの政策効果もあり、現在、G7で最も低いインフレ率と、G7で最も高い実質賃金上昇率を実現していると強調しました。
「物価の伸びを上回る賃金の上昇分」を示す実質賃金上昇率は、7カ月連続でプラスを記録しています。具体策としては、2025年度補正予算による「物価高対応子育て応援手当」として、子供一人あたり2万円の給付が、全ての市区町村で7月末までに支給開始されたことが挙げられました。
また、自治体が行う家計への給付金やLPガス代補助、中小企業支援などの原資となる「重点支援地方交付金」も、2026年6月に全ての自治体で一部事業が開始されたばかりであり、これから順次、国民の手元に届いていくとしています。さらに、2026年度補正予算では、この重点支援地方交付金が1000億円積み増しされており、本会見当日に初回交付決定が行われたことも報告されました。
2026年度当初予算では、診療報酬などの公定価格に経済・物価動向を反映させたほか、「教育無償化」の拡充も進められています。具体的には、収入要件を撤廃して私立高校生にも助成する「高校の就学支援金拡充」(上限45万7200円)や、公立小学校の給食費について一人あたり5200円程度を補助する「学校給食費の抜本的負担軽減」が計上され、既に実施されています。
家計支援、給付金や税負担軽減も
足元から今後にかけて、国民の家計を直接支援する施策も進められています。2026年7月から9月にかけては、標準的な家庭で3か月あたり約5000円の負担軽減となる「電気・ガス料金支援」が実施されています。
さらに、2026年12月に行われる年末調整では、改正所得税法に基づき、納税者一人あたり3万円から6万円の所得税負担が軽減されます。年金受給者に対しても、2026年6月振込分から増額が行われており、昨年度比で国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%引き上げられました。
総理は、今後も中東情勢が物価動向や経済に与える影響を注視し、必要な時には「中東情勢等対応予備費」も活用しながら、国民生活や経済活動に支障が出ないよう、臨機応変に対応していく姿勢を改めて示しました。
国際的課題への政府の対応
会見では、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らに対する米国による制裁対象指定を巡る政府の対応についても質問が出ました。日本政府が「大変残念」との認識を示したことに対し、「弱腰」との批判が出ているという指摘に対し、高市総理は「弱腰との批判は当たらない」と反論しました。
総理は、赤根所長とは今年1月に会談し、政府として緊密な意思疎通と必要な支援を行ってきたと説明しました。米国に対しては、制裁対象にしないよう「累次にわたって様々なレベルで、ぎりぎりまで働きかけを続けてきた」と語りました。万が一、制裁対象となった場合でも、金融取引に支障が出ないよう、アドバイスや手続きの支援も親身に行ってきたと明かしました。
日本は一貫して国際社会における法の支配を重視しており、今回の米国の措置は日本の立場とは相容れないものであり、深刻に受け止めていると述べました。日本はICCの最大の資金拠出国でもあり、法の支配の徹底のため、今後も関係国と連携し、国際社会における法の支配の強化に取り組む考えを示しました。
記者から、米国への抗議レベルの引き上げや制裁撤回要求、他国制裁から自国民を守るブロッキング規則導入の可能性について問われた際、総理は「邦人保護」と「ICC組織の維持」のため、必要な働きかけを継続する意向を表明しました。ただし、外交交渉の詳細については、「手の内を見せることになる」として明言を避けました。ブロッキング規制については、EUの事例などを例に挙げつつ、実効性も含めて検討していくべき課題であるとの認識を示しました。
まとめ
- 高市総理は、中東情勢の不安定化による原油価格高騰を受け、ガソリン価格抑制のための「緊急的激変緩和措置」を継続すると発表しました。
- 補助金により、ガソリン価格を全国平均1リットル170円程度に維持し、国民生活と経済活動への影響を最小限に抑える方針です。
- 政府は、G7で最も低いインフレ率と最も高い実質賃金上昇率を達成したと説明。子育て支援金、重点支援地方交付金、教育無償化拡充などの物価高対策を進めています。
- 電気・ガス料金支援、所得税負担軽減、年金増額といった家計支援策も実施・予定されています。
- 国際刑事裁判所(ICC)の赤根所長らへの米国による制裁に対し、政府として「残念」との認識を示しつつ、赤根所長への支援継続と法の支配の重要性を訴えました。