賃上げ実感、地域と世代で二極化:若年層・特定地域は好調も、北関東など伸び悩み鮮明

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賃上げ実感、地域と世代で二極化:若年層・特定地域は好調も、北関東など伸び悩み鮮明

若い世代ほど、賃上げを実感している割合が高い傾向が見られます。 これらの地域では、地元経済の活性化や産業の好調さが、賃上げの追い風となっている可能性が考えられます。 高市早苗政権は、継続的な賃上げと経済成長を目指していますが、今回の調査結果は、その政策がより広範な国民、とりわけ恩恵を受けにくい層にまで確実に届いているのか、という点について、改めて検証する必要があることを示しています。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が実施した合同世論調査により、我が国における賃上げの実感が、年代や地域によって大きく異なっている実態が明らかになりました。全体として「額面の給与額が上がった」と実感している人は26.1%にとどまり、多くの国民が依然として厳しい経済状況下にあることが示唆されています。しかし、この低い実感値の中でも、特定の年代や地域では相対的に高い割合を示しており、その一方で、一部の地域では伸び悩みが顕著となっています。

年代別に見る賃上げの温度差


今回の調査結果からは、年代による賃上げ実感の顕著な差が浮かび上がりました。若い世代ほど、賃上げを実感している割合が高い傾向が見られます。具体的には、18歳から29歳の層では32.4%、30代では33.6%が給与の増加を実感していると回答しました。これは、全体の平均値を上回る水準です。

しかし、その後の年代では実感率が低下する傾向が顕著です。40代では23.3%、50代では27.1%と、平均値に近いかやや下回る結果となりました。さらに顕著なのは、60代の18.6%、そして70歳以上となると15.0%まで低下するという点です。この世代間の大きな認識の差は、初任給の動向、昇給カーブの違い、あるいは雇用形態や勤続年数といった、世代特有の労働市場における状況の違いを反映していると考えられます。特に、年金生活に近づく、あるいは既に移行している高齢層にとって、額面上のわずかな賃上げでは生活実感の向上につながらない、という厳しい現実があるのかもしれません。

地域間の認識ギャップは3倍近く


年代別の差以上に、地域による賃上げ実感の格差は深刻な様相を呈しています。衆議院の比例代表選出小選挙区に基づく11のブロック別で回答を見ると、その差は歴然としています。最も高い実感率を示したのは中国ブロックで36.8%、僅差で東海ブロックが36.5%、九州ブロックが35.8%と続きました。これらの地域では、地元経済の活性化や産業の好調さが、賃上げの追い風となっている可能性が考えられます。

一方で、最も低い結果となったのは北関東ブロックで、わずか12.6%にとどまりました。これは、最も高い中国ブロックの約3倍に相当する大きな隔たりです。北陸信越(32.2%)、東北(29.7%)、北海道(27.4%)、四国(27.4%)なども、全国平均を下回る結果となりました。この地域差は、産業構造の違い、企業の収益力、さらには地域ごとの物価上昇率や生活コストの違いなどが複合的に影響しているものと推察されます。産業集積が進む地域とそうでない地域との間で、賃上げの恩恵に明暗が分かれている状況が浮き彫りになりました。

賃上げ政策の実効性への問い


今回の調査結果は、政府が推進してきた賃上げ政策の効果が、国民全体に十分に浸透していない可能性を示唆しています。全体の実感率が26.1%という低い水準にとどまっている事実は、額面上での賃上げが、物価上昇や社会保険料の負担増などによって相殺され、実質的な購買力の向上につながっていないケースが多いことを物語っているのかもしれません。

特に、雇用形態による格差は無視できません。正規雇用者と非正規雇用者との間では、賃上げの恩恵を受けられる機会やその程度に大きな違いがあると考えられます。今回の調査結果における年代差も、こうした雇用形態の偏りが影響している可能性が高いでしょう。保守的な観点から見れば、経済成長の果実が一部の層に偏ることなく、広く国民に行き渡るような、より実効性のある政策設計が求められます。

今後の見通しと国民の期待


賃上げの実感が一部の層や地域に限定されている現状は、社会全体の活力という観点からも看過できません。特に、実感の薄い層、すなわち高齢者や北関東などの地域に住む人々が、経済の好転を実感できないままでいることは、社会的な分断を深める一因となりかねません。

高市早苗政権は、継続的な賃上げと経済成長を目指していますが、今回の調査結果は、その政策がより広範な国民、とりわけ恩恵を受けにくい層にまで確実に届いているのか、という点について、改めて検証する必要があることを示しています。単に名目賃金を引き上げるだけでなく、物価高騰などを考慮した実質賃金の改善、そして何よりも国民一人ひとりが日々の生活の中で「豊かになった」と実感できるような、実質的な政策の推進が、今後の大きな課題となるでしょう。国民が経済の好転を実感できる社会の実現こそが、政治に対する信頼を高める道筋であるはずです。

まとめ


  • 産経・FNN合同世論調査によると、賃上げを実感している人は全体の26.1%。
  • 年代別では若い世代(18~39歳)の実感率が高く、高齢層(60歳以上)では著しく低い。
  • 地域別では中国、東海、九州ブロックで実感率が高い一方、北関東ブロックは全国最低。
  • 賃上げ政策の実効性や、雇用形態、地域経済格差などが背景にある可能性が指摘される。
  • 賃上げの恩恵が広範な国民に届くこと、実質賃金の向上が今後の課題。

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2026-05-18 22:33:00(櫻井将和)

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