2026-05-11 コメント投稿する ▼
選択的夫婦別姓、自民支持層にも広がる賛成意見 議員との意識に大きな隔たり
朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が実施した最新の共同調査によると、選択的夫婦別姓制度の法制化に対する国民の意識が明らかになりました。 今回の調査では、選択的夫婦別姓をめぐる世論と、国会議員の意識との間に深刻な乖離があることも浮き彫りになりました。
世論調査に見る夫婦別姓への支持
朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室が実施した最新の共同調査によると、選択的夫婦別姓制度の法制化に対する国民の意識が明らかになりました。調査結果によれば、有権者全体では、この制度を「認めるべきだ」とする賛成派が49%に達し、反対派の22%を大きく上回っています。これは、約半数の有権者が制度導入に前向きであることを示唆しています。
自民党支持層にも広がる賛同の声
特に注目すべきは、自由民主党(自民党)の支持層における意識調査の結果です。この層においても、選択的夫婦別姓の法制化に「賛成」する割合は45%に上り、反対する割合の24%を大きく凌駕しました。この結果は、自民党の支持者層においても、制度導入への理解や支持が一定程度広がっていることを示しています。
しかし、高市早苗首相は国会答弁などで一貫して選択的夫婦別姓制度の法制化に慎重な姿勢を示しており、戸籍上の夫婦の氏名は同一とするものの、「旧姓の通称使用」を法律で定めることを主張しています。この首相の立場は、自民党支持層の有権者の意識と必ずしも一致していない可能性があります。
国会議員との深刻な乖離
今回の調査では、選択的夫婦別姓をめぐる世論と、国会議員の意識との間に深刻な乖離があることも浮き彫りになりました。自民党の衆議院議員に限定して実施された調査では、制度への「反対」が63%に達し、賛成を大幅に上回りました。これは、自民党支持層の有権者の意識(賛成45%、反対24%)や、さらに広い有権者の意見(賛成49%、反対22%)と比較しても、国会議員、とりわけ与党議員の間で、制度導入に対する抵抗感が強いことを示しています。
この傾向は、2026年2月に実施された衆議院選挙時の候補者調査と比較すると、さらに顕著になります。当時の候補者調査では、当選者のうち選択的夫婦別姓に反対する割合は47%でしたが、今回の議員調査では反対派が63%へと倍増しており、国会議員の意識が世論から離れていく、あるいはより保守的な方向へと傾いている可能性も示唆されます。
法制化に向けた課題と今後の展望
選択的夫婦別姓制度を巡る議論は、個人の生き方や家族のあり方、そして法制度のあり方に関わる重要なテーマです。今回の朝日新聞社と東京大学の共同調査は、国民、特に政権を支える自民党支持層の間にも制度導入への理解が進んでいることを示しました。
一方で、国会議員、特に自民党議員の間には、依然として強い反対意見が存在し、世論との間に大きなギャップがあることが明らかになりました。このギャップは、今後の法制化に向けた大きな障害となる可能性があります。2014年以降、同様の質問で調査が続けられていますが、有権者全体で見た場合、2026年の調査では賛成派が前回調査から5ポイント減少するなど、世論の動向も一様ではありません。
家族の姓をどうするかという問題は、個人の尊厳や自己決定権、そして社会の多様性といった価値観と深く結びついています。今回の調査結果は、国民の意識の変化を踏まえ、政治がどのようにこの課題に向き合っていくべきか、改めて問いかけるものと言えるでしょう。国会議員と有権者の間の意識の差をどう埋め、国民的な議論を深めていくのか、今後の国会での議論や政府の対応が注目されます。