2026-05-05 コメント投稿する ▼
高市政権下の改憲論議と市民の声:国会前デモが問いかけるもの
こうした国際情勢の緊迫は、高市早苗政権が進める安全保障政策や憲法改正の議論にも影響を与えています。 」「女性のために頑張っているんでしょ」といった反応をされるように、改憲や安全保障政策に対する国民の意識には温度差があります。
夜空に揺れる光、集まる市民たち
「こんなに人が集まるんだ」。道を埋め尽くすほどの参加者に、塩田さんは驚きを隠せませんでした。偶然再会した友人も「10年ぶりに来たわ」と、辺りを見回しています。10年前、SEALDsなどの学生団体が中心となって活発な運動を展開しました。しかし、塩田さんの目には、今のデモの様子は少し違って映ったようです。「今はイシュー(論点)を中心に、個人が立ち上がっている」。組織よりも、個々の問題意識が人々を動かしているように見えたのです。
10年前との変化、個人の「不安」が原動力
戦後、日本の安全保障政策が重大な岐路に立つたび、憲法を守ろうとする声は国会前に集まってきました。そして今、再びその場所で「戦争反対」「改憲反対」という叫びが高まっています。
「毎日が『不安』なんです」。同じ8日夜、都内の22歳の男子大学生も、声を上げていました。彼の不安は、国際情勢の緊迫化と無関係ではありません。米国によるイランへの攻撃、そしてトランプ大統領が日本に「貢献」を要求したというニュースに、彼は「戦争が近づいている」と肌で感じたのです。
国際情勢の緊迫、国内の安保・改憲議論への影響
こうした国際情勢の緊迫は、高市早苗政権が進める安全保障政策や憲法改正の議論にも影響を与えています。高市政権は一時、自衛隊のホルムズ海峡派遣を検討するなど、対応に追われました。こうした政権の動きが、市民に「戦争への道が開かれるのではないか」という強い危機感を抱かせているのです。
しかし、社会全体にその危機感が共有されているわけではありません。デモに参加した大学生がバイト先の同僚から「高市さんの何が悪いの?」「女性のために頑張っているんでしょ」といった反応をされるように、改憲や安全保障政策に対する国民の意識には温度差があります。
「憲法を守る」とは何か、問われる市民の意識
高市政権は、昨今の厳しさを増す国際情勢を踏まえ、憲法改正、特に9条改正に意欲を示しています。首相は「時は来た」と述べ、改憲に向けた議論を加速させようとしています。その背景には、自衛隊を「国防軍」として位置づけるといった持論もあります。
しかし、憲法9条は、戦後日本が歩んできた平和主義の象徴であり、その改正は、日本の平和と安全保障のあり方を根本から変えかねません。9条の「たが」が外れることで、自衛隊の活動範囲や役割が大きく広がり、結果として日本の国際社会における立ち位置や、国民の安全保障観そのものが変わる可能性も指摘されています。
「憲法を守るのは誰なのか」。この問いは、単に政府や国会議員に委ねられるものではありません。デモに参加した塩田さんが感じたように、そして不安を感じる大学生が声を上げたように、一人ひとりの市民が、自分たちの暮らしや未来にとって憲法がどのような意味を持つのかを考え、関心を持ち、声を上げることが、今、強く求められています。SNSなどを通じて、現代的な形で市民運動が広がる中、憲法を巡る議論は、これからも私たちの社会にとって重要なテーマであり続けるでしょう。