2026-09-07 コメント投稿する ▼
高市首相を支える有村治子氏、保守派の要として党内を動かす
参院選での大敗から約3週間後の8月8日、有村氏は両院議員総会長として、石破前首相の続投を巡り党所属国会議員の意見を聞く両院議員総会の議事を預かることになりました。 今年2月、自民党が衆院選で316議席という歴史的な大勝を収めた夜、有村氏は党四役の一人として高市氏と顔を合わせました。
有村氏の保守派としての歩み
「私たち(保守派)が自民党の中にいて、本来の国家・国民に仕えるという軸を言い続けなければいけない。簡単に持ち場を離れるわけにはいかない」と、有村氏は昨年7月の参院選当時、あるインターネット番組で力強く語りました。石破政権下では自民党、特に保守派は逆風にさらされていました。有村氏自身も、一部の支持者から「自民党を離れれば応援する」といった声が寄せられたほどです。実際、比例代表では佐藤正久氏、山東昭子氏、赤池誠章氏、杉田水脈氏、長尾敬氏といった保守系の有力候補が相次いで落選する厳しい結果となりました。しかし、有村氏は激戦を制し、5期目の当選を果たしたのです。
党内政局での冷静な手腕
参院選での大敗から約3週間後の8月8日、有村氏は両院議員総会長として、石破前首相の続投を巡り党所属国会議員の意見を聞く両院議員総会の議事を預かることになりました。その前週に開かれた両院議員懇談会は4時間半にも及びましたが、結論は出ませんでした。この日の総会では、約1時間で19人の発言を聞いた後、有村氏が議論を収斂させました。彼女は「皆さんがおっしゃった中身を収斂すると、総裁選をするかどうか。ここに絞って議論を進めたい」と提起しました。
最終的に29人に発言の機会を与え、石破氏本人にも発言を促しました。石破氏続投を支持する議員にもマイクを渡しましたが、総会として拘束力のある議決を取ることは避け、党則に基づきながらも実施例のない臨時総裁選の実施を党総裁選挙管理委員会で検討するよう求める方向へと議論を導いたのです。「両院総会の意思として次のステージに。選管で速やかに検討してもらう方向で申し入れる」との言葉通り、この動きが石破氏の退陣表明、そしてその後の総裁選で高市氏が勝利する流れにつながりました。
高市政権下での役割と政策姿勢
高市氏とは保守的な国家観を共有し、高市氏が過去3度挑戦した総裁選ではいずれも中枢で支えてきた盟友です。今年2月、自民党が衆院選で316議席という歴史的な大勝を収めた夜、有村氏は党四役の一人として高市氏と顔を合わせました。しかし、その場で高市氏には「まったく高揚感がなかった」といいます。高市氏から聞いたのは「国家の根幹的課題をスピーディーにやる」という言葉でした。
有村氏は、この夜、憲法改正、皇室典範改正、インテリジェンス機能強化といった課題を挙げ、高市氏について「賛否両論出ても、やり遂げないといけないと腹をくくっている」と評しました。有村氏自身も、国家のあり方に関わる問題を国会で繰り返し取り上げてきました。保守的な感性を持つ彼女は、党運営においても、表面化していない問題の危うさを察知すれば周囲を巻き込み、対応に動くタイプです。法的な是非だけでなく、国家を支える組織と政治との信頼関係を重んじています。今年2月22日の「竹島の日」記念式典には、自民党として初めて党四役級を派遣し、有村氏が島根県松江市に赴きました。
政府の閣僚派遣を求める声がある中、「より大きな国益を考え、自民党としての判断の一環だと理解している」と語り、「参画することが最終目的ではない」とも強調しました。外国人政策においては、昨年3月の国会質問で、博士課程学生を支援する国のプログラム「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」において、外国人受給者、特に中国人が多数を占める実態を明らかにしました。外国人留学生に「応分の負担」を求め、日本人学生への支援を明確にするよう政府に迫ったのです。
有村氏は外国人問題について、「一切の差別や偏見、扇動というのは絶対にやるべきではない。民族意識を扇動してはならないという意味では、言葉を慎重に選んで、共感を生むロジックで向き合わないといけない」と述べています。歴史認識においても「共感」を重視しており、昨年2月の党会合では、安倍晋三元首相の戦後70年談話を振り返り、保守からリベラルまで意見が分かれる中で「国内外の世論の最大公約数を安倍総理が70年談話にまとめ上げられた」と評価しました。談話発表直後、安倍氏本人から「保守からもリベラルからも相当厳しく言われて、そのおおむね合意形成ができ、各国でも好意的に認められたことは、ほっとしたよ」と聞いたエピソードも明かしています。参院選で「持ち場を離れるわけにはいかない」と語った有村氏は、その数カ月後、石破政権下の両院議員総会長から高市政権の総務会長へと、参院議員として初めての総務会長という重責を担うことになりました。
安定した心で臨む
有村氏は今年2月、自身の政治生活にも重ねるように、こう語っています。「勝ってもおごらず、負けても卑屈にならず、絶頂時も絶不調時も、心を平準化して生きていく。人生でも政党でも国会においても絶望してはいけない」。参院選での厳しい戦いを乗り越え、党内政局で存在感を発揮し、総務会長として高市政権を支える有村氏。その安定した心と保守的な信念が、今後の政局でどのように活かされていくのか、注目が集まります。