2025-06-03 コメント投稿する ▼
「帰りたくなる町」へ前進 石川県が能登地震被災者に最大1000万円の住宅再建支援
被災者に寄り添う支援拡充 石川県が住宅再建へ新たな一手
石川県は6月3日、能登半島地震とその後の豪雨で深刻な被害を受けた地域に対し、住宅再建や地域復興に向けた支援をさらに手厚くする方針を打ち出した。県は6月議会に、総額162億円の補正予算案を提出する予定で、うち141億円が復旧・復興関連に充てられる。
馳浩知事は記者会見で、「出ていった皆さんの故郷が能登というのは変わらない。『帰りたくなる町』をつくりたい」と強調。地震で生活の基盤を失った住民が再び能登に戻れるよう、官民一体で支援体制を強化する。
住宅再建への支援が大幅拡充
今回の予算案では、住宅を新築・購入する被災者に対し、既存の支援制度と合わせて最大約1,000万円を助成する。また、被災地域で民間の賃貸住宅を新たに建設する事業者には、資金援助を行う。さらに、耐震改修への補助上限を現行の180万円から210万円に引き上げるなど、住宅確保を後押しする内容が並ぶ。
住宅再建にあたっては、地価や建材価格の高騰が大きな障壁となっており、特に高齢者や低所得世帯にとっては再建が難しい状況にあった。県の今回の支援拡充は、こうした厳しい現実に対応し、人口流出の食い止めを図る狙いがある。
地域の産業と防災力も同時に強化
このほか、奥能登地域での農業再開支援、能登空港の防災拠点としての機能強化、酒米価格の急騰への対応なども盛り込まれている。農業支援では、耕作放棄地の再利用や担い手の確保にも力を入れる方針で、一次産業の再建も進める。
空港については、防災物資の集積・搬送を担うハブとしての体制整備が急がれており、災害時の初動対応能力向上が期待されている。
ネットユーザーの声にも注目
支援策発表を受けて、SNSではさまざまな反応が寄せられている。
「こういう施策がもっと早く出ていれば、仮設でなく地元再建の選択肢が広がったはず」
「ようやく県が本腰を入れたか。復興支援はスピードも大事」
「税金の使い方としては納得。被災者にしっかり届く制度にしてほしい」
「建築費の高騰は深刻。地方の住宅再建には全国的な支援も必要では?」
「能登は本当に美しい土地。故郷としての魅力を守ってほしい」
「帰りたくなる町」に向けた第一歩
今回の補正予算案は、石川県が被災地に対して「見て見ぬふりをしない」という明確な姿勢を示すものだ。住まいや仕事といった生活基盤の整備と、被災者の心のケアの両立が問われるなか、自治体としての踏み込んだ支援が始まった。
今後は、県議会での予算審議や制度の運用状況に注目が集まる。被災者一人ひとりが「ここに戻ってきてよかった」と思えるような町づくりが求められている。