2026-08-26 コメント投稿する ▼
空き家特例が新耐震基準にも拡大・国交省が2027年度税制改正要望
国土交通省は2026年8月26日、相続した空き家の売却時に適用される「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除(空き家特例)」について、2027年度税制改正要望として対象の拡大と期限延長を求める方針を固めました。現在は1981年5月31日以前に建てられた旧耐震基準の家屋に限定していますが、同年6月以降の新耐震基準の建物も対象に加えます。特例の期限も2027年末から4年延長するよう要望します。2023年の調査では全国の空き家が約900万戸と過去最多に達しており、相続で空き家を取得した人が約6割を占めています。税制優遇の拡大で早期改修と中古住宅市場への流通を促す狙いです。
新耐震基準の空き家も対象に、4年間の延長も要望
国土交通省は2026年8月26日、相続した空き家を売却する際の税制優遇措置「空き家特例」について、2027年度税制改正要望として対象の拡大と期限延長を求める方針を固めました。現在は1981年5月31日以前に建てられた旧耐震基準の家屋に限定していますが、同年6月以降に建てられた新耐震基準の建物も対象に加えます。
特例の期限は現在2027年末に設定されていますが、4年間延長して2031年末まで延ばすよう求めます。制度の創設から約10年が経過した今、1981年6月施行の新耐震基準を満たす空き家も老朽化が進んでいるためです。
税制優遇を受けるには、空き家を耐震改修するか、解体して更地にするかのいずれかが必要です。この特例措置は、売却額から家屋の取得費などを差し引いた額が3000万円以内であれば所得税などの課税が免除される仕組みで、解体して更地として売却する場合も同様に適用されます。
全国900万戸・空き家率13.8%の危機的現状
今回の制度拡大の背景には、日本の深刻な空き家問題があります。総務省の2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約900万戸に達し、前回2018年調査から51万戸増え、空き家率は13.8%と過去最高を更新しています。
このうち放置状態の空き家は2023年時点で約385万戸に上り、2018年比で37万戸増加しています。国交省が2024年に実施した空き家所有者実態調査では、相続で空き家を取得した人が約6割を占め、人口減少に伴い地方だけでなく都市部でも空き家の発生が加速しています。
「親から相続した実家が空き家になって困っています。新耐震基準の建物も特例の対象になるなら売却を真剣に考えます」
「空き家が全国に900万戸というのは本当に深刻な問題です。まず相続後の活用を促す税制の整備は必要だと思います」
放置されたままの空き家は、倒壊や景観悪化、不法侵入などのリスクをもたらします。自治体が「特定空家」に認定すると固定資産税の優遇が解除され税負担が3〜4倍になる場合もあり、早期の対応を促す制度整備が急務となっています。
「3000万円特別控除」の仕組みと活用条件
空き家特例は2016年に創設された制度で、亡くなった方が生前に居住していた家屋と敷地を相続した場合に適用されます。相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却することが必要条件です。
「1981年以降に建てた家でも40年以上が経てば老朽化するのは当然です。旧耐震基準だけを対象にしていたのがむしろおかしかったと思います」
「特例が使いやすくなっても耐震改修費用が高くて結局売れないケースも多いです。費用の補助もあわせて考えてほしいです」
売却益が3000万円以内であれば所得税などの課税が原則ゼロとなるため、相続した空き家を早期に売却・改修するための強力なインセンティブとなります。今回の拡充で新耐震基準の建物を持つ所有者も対象に加わることで、制度の活用可能性が大きく広がります。
中古住宅市場の活性化へ、問われる制度の実効性
空き家特例の拡充は、中古住宅市場の活性化という観点からも重要な施策です。フラット35を利用した中古住宅の割合は2024年度に34.8%(前年度比7.4ポイント増)まで上昇しており、中古住宅への需要は高まっています。
空き家を放置している人に税制優遇で動いてもらおうという発想は良いと思います。でも制度をよく知らない人が多いのでは
制度の実効性を高めるには、対象の拡大や延長と並んで、耐震改修・解体費用への補助の充実、空き家バンクや仲介事業者との連携強化が欠かせません。特例を活用した件数や売却後の流通状況など、数値的な効果目標(KPI)を国交省が設定し、国民に定期的に報告する説明責任も求められます。
まとめ
・国土交通省は2027年度税制改正で「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」の対象を旧耐震基準(1981年5月31日以前)から新耐震基準(同年6月以降)の空き家にも拡大するよう要望
・特例期限は2027年末から4年延長して2031年末まで延ばすよう求める
・税制優遇の要件は耐震改修か解体・更地化。売却益3000万円以内は所得税等が免除
・全国の空き家は2023年時点で約900万戸(空き家率13.8%)と過去最高で、相続で取得した人が約6割を占める
・放置された空き家は特定空家に認定されると固定資産税が3〜4倍になるリスクもあり、早期売却を促す制度整備が急務
・制度の実効性を高めるためにKPI設定と国民への成果報告が必要