ナフサ不足で建設現場が悲鳴 金子恭之国交大臣が流通目詰まりの解消を指示、一人親方への支援強化へ

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ナフサ不足で建設現場が悲鳴 金子恭之国交大臣が流通目詰まりの解消を指示、一人親方への支援強化へ

ホルムズ海峡の実質封鎖を背景とするナフサ(粗製ガソリン)由来の建築資材不足が深刻化する中、金子恭之国土交通大臣は2026年5月21日の幹部会議で、流通の正常化に向けた対応を指示した。特に資材の調達力が弱い中小工務店や一人親方への情報提供と支援を強化するとし、経済産業省と連携して供給の偏りと流通の目詰まりを一刻も早く解消するよう求めた。断熱材や塩ビ管、塗料など現代の住宅に欠かせない素材がナフサ由来であるため、建設現場への打撃は広範囲かつ深刻で、メーカーによる受注一時停止や大幅値上げが相次いでいる。

国交省が流通正常化を指示 中小事業者の声を聞き取り


金子恭之国土交通大臣は2026年5月21日、幹部職員との会議の中で、ナフサ(粗製ガソリン)由来の建築資材などの流通が一部で滞っている現状について言及し、解消に向けた取り組みを指示しました。

金子国交大臣は「中小の工務店、一人親方といった方々を始めとする一つ一つの声も聞き逃さぬよう、こちらから積極的に現場の生の声を聞き取ってください。経済産業省と連携協力し、一刻も早い、供給の偏りや流通の目詰まりの解消に取り組んでください」と指示しました。

資材の調達力が大きい大規模な事業者と比べ、中小の工務店や「一人親方」などは情報が届きにくく調達が困難になる傾向があると指摘し、地域ごとに現場の状況を把握する仕組みを構築して特に「一人親方」への対策を強化する方針を示しました。

資材が入らないから工事が止まっている。施主に謝り続ける毎日です。早く動いてほしかった

住宅の「血液」とも言えるナフサ 建設現場に多大な影響


今回の問題の深刻さは、ナフサが住宅建築においていかに欠かせない素材かによって際立っています。断熱材(ウレタン・ポリスチレンフォーム)、塩化ビニル管(配管材)、ビニールクロス(壁紙)、塗料、接着剤、雨どいなど、現代の住宅を構成する部材の多くがナフサを原料とする石油化学製品です。住宅1棟に使われる資材費のうちこうした石油由来の材料が占める割合は非常に大きく、ナフサ供給が滞ると家づくりのあらゆる工程がストップしかねない状況です。

2026年4月以降、建材メーカー各社での対応が相次ぎました。塗料メーカーによる下塗り材の受注一時停止、ルーフィング材(屋根防水シート)メーカーによる受注停止と40〜50%の値上げ、住宅設備機器メーカーによるシステムバスを含む全シリーズの新規受注一時停止など、建設現場を直撃する動きが続きました。ナフサ価格は危機前と比べ44%以上高騰しており、代替輸入が進む中でも状況はなお流動的です。

日本建設業連合会の今井雅則会長(戸田建設会長)は2026年4月下旬に金子国交大臣に緊急要望を行い、「ほぼ全ての建設資材」で価格高騰が発生しているとして公共工事での適切な価格転嫁の実施も求めています。

断熱材が1か月遅れで届いた。いつ入るかわからない資材を待ちながら工事の段取りを組むのは本当に難しい

一人親方・中小工務店が最も苦しい構造的格差


金子国交大臣が特に「一人親方」への言及をしたことは、問題の本質的な構造を反映しています。大手ゼネコンや大規模ハウスメーカーは資材メーカーと直接交渉できる力と情報を持っており、代替品の確保や価格転嫁の交渉でも優位に立てます。

一方、一人で仕事を請け負う「一人親方」や小規模工務店は、問屋や材料商を通じた間接的な流通ルートに依存しており、供給の偏りや価格高騰の影響を最も直接的かつ深刻に受けます。情報も遅れがちで、資材が確保できないまま工事が止まり、施主への説明や仮住まいコストの負担が重くのしかかるケースが出ています。

こうした中小・個人事業者を守るためには、国が地域ごとの流通実態を細かく把握し、情報の格差を埋める仕組みを早急に整えることが不可欠です。

大手はどうにか資材を確保できても、私のような一人親方には情報も資材も回ってこない。政府に現場を見てほしい

経産省との連携が不可欠 抜本的なエネルギー政策の見直しも


金子国交大臣が経済産業省との連携を特に強調した背景には、今回の問題が単なる流通課題ではなく、エネルギー・資源調達の根本的な構造問題であるとの認識があります。建設現場での目詰まりを解消するためには、上流の石油化学製品の供給安定化なしには限界があります。

日本の建設産業が「ナフサショック」に対してこれほど脆弱であることは、数十年にわたって中東依存を放置してきた資源政策の問題を改めて浮き彫りにしています。応急的な流通対策と並行して、エネルギー調達先の多様化や国内の石油化学基盤の強化など、中長期的な政策の見直しを本格的に進めることが急務です。

こんな危機が来ても、建設業界はギリギリまで耐えるしかない。もっと早く対策を打てなかったのか悔しい

国交省は今後、地域ごとの実態調査を本格化させ、特に一人親方などの個人事業者への情報提供と支援強化に取り組む方針です。

まとめ


  • 金子恭之国土交通大臣が2026年5月21日、建設資材の流通目詰まり解消を幹部に指示
  • 経済産業省と連携し「一刻も早い供給の偏りや目詰まりの解消」を求めた
  • 断熱材・塗料・塩ビ管・ビニールクロスなど現代の住宅の主要部材がナフサ由来
  • ナフサ価格は危機前比44%以上高騰し、複数のメーカーが受注一時停止や大幅値上げを実施
  • 一人親方・中小工務店は情報・調達力の弱さから最も深刻な影響を受けている
  • 地域ごとの現場状況を把握する仕組みを構築し、一人親方への対策を強化する方針
  • 日本建設業連合会も緊急要望で「ほぼ全建設資材の価格高騰」を訴えている
  • 中東依存という構造問題の解決には中長期的なエネルギー政策の見直しが必要

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2026-05-22 12:18:24(植村)

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