2026-04-29 コメント投稿する ▼
茂木外相、アフリカで資源外交を展開 - 緊迫の世界情勢受け経済安保強化へ
特に、中国による先端技術分野における対日輸出管理規制の強化や、中東地域での米国とイランの軍事衝突は、日本の産業基盤と国民生活に不可欠な資源・エネルギーの安定供給に深刻な影を落としています。 アフリカ諸国との関係を強化し、これらの戦略物資のサプライチェーンを多様化・強靭化することは、日本の経済安全保障にとって喫緊の課題なのです。
資源外交の緊急性とアフリカへの期待
今回の歴訪の背景には、世界情勢の急速な変化があります。特に、中国による先端技術分野における対日輸出管理規制の強化や、中東地域での米国とイランの軍事衝突は、日本の産業基盤と国民生活に不可欠な資源・エネルギーの安定供給に深刻な影を落としています。日本は、中東地域からの原油調達に大きく依存しており、ホルムズ海峡の封鎖リスクは、まさに喉元に突きつけられた刃とも言える状況です。
こうした状況下で、高市早苗政権は資源確保を国家の最重要課題と位置づけています。茂木外務大臣は出発に先立ち、「現下のエネルギー・資源をめぐる情勢を踏まえ、重要鉱物などを豊富に有するアフリカ各国との間で資源外交を展開し、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化に向けた連携を強化したい」と、歴訪の意義を強調しました。
資源リスク高まる国際情勢
中国は2026年1月に、軍事転用も可能な「デュアルユース」品目に対する対日輸出管理を強化すると発表しました。これは、先端技術分野における日本の競争力を削ぐ狙いがあるとみられ、経済安全保障上の大きな懸念材料となっています。
さらに、2月28日から始まった米国とイランの軍事衝突は、エネルギー供給網の脆弱性を露呈させました。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖する可能性が浮上し、日本が輸入する原油の9割以上が通過するとされるこの海峡の安全が脅かされています。この事態は、日本経済、ひいては国民生活に計り知れない影響を与えかねません。
資源大国アフリカの潜在力
今回茂木大臣が訪問するアフリカ諸国は、まさに「天然資源の宝庫」です。アンゴラは世界有数の産油国であり、レアアースも産出します。ザンビアは、銅や、電気自動車(EV)の普及に不可欠なコバルトの主要産地です。南アフリカは、プラチナやマンガンといった希少金属に恵まれています。
これらの鉱物資源は、現代の産業、特にグリーンエネルギー分野や先端技術分野において、その重要性を増す一方です。外務省幹部も、「アンゴラとの原油調達に関する対話は、今後の安定供給に向けた重要な第一歩となる可能性がある」と期待を寄せています。アフリカ諸国との関係を強化し、これらの戦略物資のサプライチェーンを多様化・強靭化することは、日本の経済安全保障にとって喫緊の課題なのです。
「自由で開かれたインド太平洋」構想の深化
茂木外務大臣は、訪問先の一つであるケニアで、演説を行う予定です。この演説では、2016年に安倍晋三元総理大臣が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の進化に触れ、サプライチェーンの強靭化をその重要な柱として位置づける見通しです。資源外交を通じて、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくという日本の決意を示すものと考えられます。
経済安全保障強化への道筋
高市政権は、資源・エネルギー供給源の多角化を重要な政策課題として進めています。最近では、メキシコのシェインバウム大統領との電話会談で、エネルギー供給を含む協力関係の強化を確認するなど、具体的な動きを見せています。今回の茂木大臣のアフリカ歴訪は、こうした多角化戦略をさらに推し進めるものです。
アフリカ諸国とのパートナーシップを深めることは、単に資源を確保するだけでなく、現地の経済発展に貢献し、共に成長していくという、より建設的な関係を築く機会でもあります。それは、国際社会における日本の存在感を高め、経済安全保障をより強固なものにしていくための、着実な一歩となるでしょう。
まとめ
- 茂木外務大臣がアフリカ4カ国(ザンビア、アンゴラ、ケニア、南アフリカ)へ歴訪。
- 目的は、中国の輸出規制強化や中東情勢悪化を受け、資源確保と経済安全保障の強化。
- 訪問国は原油、レアアース、銅、コバルト、プラチナなど重要鉱物の産地。
- ケニアでは「自由で開かれたインド太平洋」構想とサプライチェーン強靭化について演説予定。
- 高市政権は資源調達先の多角化を急いでいる。