桐生市新庁舎入札で技術評価点を不正操作か　県議ら4人送検、制度の根幹揺らぐ疑惑

桐生市新庁舎入札で技術評価点を“操作”か　県議ら4人を送検、背景に癒着の構図

群馬県桐生市の新庁舎建設工事を巡り、入札公告案を不正に変更した疑いが浮上している。逮捕・送検されたのは、公競売入札妨害の容疑で既に逮捕されていた群馬県議・相沢崇文容疑者（49）＝桐生市＝と、建設業界関係者3人。20日、埼玉県警と群馬県警の合同捜査本部への取材で、新たな不正の可能性が判明した。

疑惑の中心は、入札の評価項目の一つ「技術評価点」の取り扱いだ。工期の短さや施工技術といった点数配分を、入札公告前に“恣意的に”変更させた可能性があるという。公平性が命の公共入札制度を根本から揺るがす、重大な疑惑である。

技術評価の中身を書き換え？　「操作前提」の公告案に

合同捜査本部によると、今回の不正は「公告前の段階での介入」が焦点となっている。関係者の中に市役所や業者からの“情報提供者”が存在し、その者から漏洩された入札公告案に対し、相沢容疑者らが内容の修正を働きかけた疑いがある。

とくに、工期の短縮や施工実績など、点数配分で技術評価を重視するよう調整されていた可能性が高く、結果的に関東建設工業（群馬県太田市）が有利となるような公告内容となったとみられている。

このような変更は、実質的には「出来レース」とも受け取れる。不正の温床となり得る構造に、地域住民からの不信も高まっている。

「こんなの政治と業者の癒着じゃないか」
「入札制度は透明性が命。点数操作なんて言語道断」
「群馬の行政全体の信頼が損なわれる話だ」

送検された容疑者たち、裏にある構造的問題

今回送検された4人のうち、相沢容疑者以外の3人は以下のとおり：

* 関東建設工業の営業部長・石原秀光容疑者（75）
* 下請け会社の役員2人（氏名非公表）

捜査関係者によれば、石原容疑者は長年建設業界で営業を担当しており、県内自治体との深いつながりがあるとされる。下請け2社も、桐生市周辺で数多くの公共事業を請け負ってきた背景があり、「顔が利く」存在だったという。

こうした構造は、地方に根深く残る“談合文化”や“縁故主義”の一端を象徴している。とくに公共事業が地元経済に与える影響が大きい自治体では、「仲間内で仕事を回す」慣習が依然として温存されがちだ。

「田舎の建設業界って、まだこんなことやってるのか」
「公共工事が利権まみれなの、もう限界だよ」
「県議がこんなことしてるって…スパイ防止法以前の問題だろ」

国民の信頼損なう政治家の関与、制度の再設計を

公共工事の入札は、地域の発展と税金の適正使用を担う極めて重要な制度だ。そこに県議という“民意の代表”が関与し、自らが関係のある業者に便宜を図ったとすれば、もはや民主主義の根幹が揺らいでいると言わざるを得ない。

こうした事件が繰り返される背景には、情報の非対称性、チェック機能の欠如、そしてなにより「利権政治」に対する甘えがある。政治家による癒着構造を防ぐためには、企業・団体献金の全面禁止や、スパイ防止法の整備と同様、地方行政における監視強化も喫緊の課題だ。

また、入札制度そのものの抜本的見直しも求められる。AIによるスコアリングの導入や、評価項目の事前公表・変更履歴の公開など、透明性と信頼性を担保する改革が急務だ。

政治家が利権のために制度を歪めるのであれば、それは「公」ではなく「私」である。国民の税金が使われる以上、関わるすべての人間がその重みを自覚しなければならない。