2026-08-20 コメント投稿する ▼
旅田卓宗氏、供託金100万円差し押さえ 和歌山市への巨額賠償金未払い問題
元和歌山市長の旅田卓宗氏(81)が、先日の和歌山市長選挙に立候補したものの、その供託金100万円について和歌山地裁から差し押さえ命令を受けたことが明らかになりました。 この異例の事態は、旅田氏が市長時代の公務を巡る事件で市に与えたとされる約2億3520万円の損害賠償金が未だ支払われていないことに起因しています。
旅田氏の公務と刑事・民事訴訟
旅田氏は1986年に和歌山市長に初当選し、その後も市長職を務めました。しかし、市長時代の事業を巡る疑惑が浮上し、2002年の市長選で落選した後、背任や収賄の容疑で逮捕される事態に至ります。その後の裁判で、旅田氏には背任および収賄の罪で有罪判決が下され、2010年に刑が確定しました。
さらに、旅田氏の市長時代の行為が市に与えた損害に対する民事訴訟も提起されていました。この民事裁判においても、旅田氏に対し、市へ約2億5450万円を返還するよう命じる判決が確定しています。このように、旅田氏を巡っては、刑事事件と民事訴訟の両方で、公務遂行上の責任が厳しく問われ、その結果、公金に対する損害を与えたことが法的に認められる形となりました。
市長選での供託金と差し押さえ
今月9日に投開票が行われた和歌山市長選挙において、旅田氏は立候補し、1万4039票を獲得しました。地方選挙では、候補者が一定の得票数(有効投票総数の10分の1以上)を得られれば、納付した供託金が返還されることになっています。旅田氏も、今回の選挙結果からは本来、供託金100万円の返還を受けられる立場でした。
しかし、市側は、確定した民事判決に基づく損害賠償金の支払いがなされていないことから、この供託金の差し押さえを和歌山地裁に申し立て、認められました。これにより、本来であれば選挙の成功を収めれば返還されるはずだった供託金は、未払いの賠償金支払いに充てられることになったのです。
旅田氏本人のコメントと市民感覚
差し押さえ命令について、旅田氏は19日、報道陣に対し「借りて作ったお金だが、私の名義である以上、差し押さえの対象になってしまった」とコメントしたと伝えられています。この発言からは、供託金が自身の名義であり、個人的な債務の返済のために差し押さえられることへの無念さがうかがえます。
しかし、市長時代の公務上の責任を問われ、多額の賠償金支払いが確定している人物の供託金が、選挙のために用意されたものであったとしても、その資金の使途や責任の所在について、市民感覚との間に乖離がないかという問いは免れないでしょう。公職にあった者の責任の重さと、市民の税金、そして公的資金のあり方について、改めて考えさせられる事態と言えます。
過去の責任が問われた選挙
今回の和歌山市長選挙における供託金差し押さえは、単なる個人の財産の問題にとどまらず、公職にあった者の責任、そして司法判断の重みを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。旅田氏が市長時代の行為によって市に与えたとされる損害は、すでに民事判決によって確定しており、その返済義務は法的に果たされるべきものです。
選挙は、有権者が地域のリーダーを選ぶための重要な機会です。その過程で、過去の公務上の責任が未清算のまま、候補者の供託金が差し押さえられるという事態は、有権者にとっても、また今後の公職を目指す人々にとっても、公務における誠実さと責任の重要性を改めて認識させる契機となるのではないでしょうか。市民からの信頼を得て、公職に就くためには、過去の自らの行いに責任を持ち、司法の判断を誠実に受け止める姿勢が不可欠であると考えられます。
まとめ
- 元和歌山市長の旅田卓宗氏(81)が、市長選の供託金100万円について差し押さえ命令を受けた。
- 原因は、市長時代の公務を巡る事件で市に与えた約2億3520万円の損害賠償金が未払いのため。
- 旅田氏は過去の背任・収賄罪で有罪が確定しており、民事でも約2億5450万円の返還が命じられている。
- 選挙では一定の得票を得て供託金返還の対象だったが、市側の申し立てにより差し押さえが決定した。