2026-07-22 コメント投稿する ▼
高市首相秘書官、中傷動画・サナエトークン関与を全面否定 陳述書提出
高市早苗首相の陣営による昨年の自民党総裁選や衆議院選挙で、他候補を誹謗中傷する動画が作成・発信された疑惑や、首相の名前を冠した暗号資産「サナエトークン」を巡る問題について、週刊誌の報道で関与が指摘されていた秘書が、疑惑への関与を全面的に否定する陳述書を衆議院予算委員会に提出したことが22日、明らかになりました。
疑惑の発端と国会での議論
この問題は、週刊誌が高市首相の政治資金パーティー関係者とされる実業家が、高市首相の陣営関係者から他候補を中傷する動画作成を依頼され、謝礼を受け取ったとするメールやメッセージのやり取りがあったと報じたことから表面化しました。これを受けて、国会では野党を中心に追及が強まり、高市首相は関係者への事実確認を進めるとともに、疑惑の渦中にある秘書の陳述書を予算委員会に提出する事態となりました。
秘書、動画作成・発信への関与を強く否定
提出された陳述書によると、秘書は、自身を含め高市事務所および陣営として、昨年の総裁選および本年の衆院選において、他の候補者を誹謗中傷する動画を作成・発信した事実は一切なく、また第三者にそのような行為を依頼したこともないと断言しています。報道で取り沙汰されている動画についても、「一度も見たことがなく、そのようなものが存在するかどうかも承知していない」と述べています。
報道で指摘された動画作成を主張する実業家側との接触について、秘書は「昨年秋の総裁選のころ、信頼する学者から、SNSに精通し、様々な政治家をネット上で応援する方々を紹介したいとの話があった」と説明しました。事務所のネット戦略の参考になる可能性や、高市氏への応援につながることを期待し、多忙な時期ながら短時間のオンラインミーティングに応じたとしています。
しかし、そのミーティングの内容については、「やり取りの詳細は記憶していない」としつつも、「総裁選の情勢についての意見交換をしたのだろう」と推測しています。その上で、「私の側から、他の総裁選候補を誹謗・中傷するような動画を作成したり、発信することをお願いしたようなことは一切ありません」と明確に否定しました。後日、紹介者には「何か具体的なお願いをすることはなかった」と伝えた記憶があるとも述べています。
さらに、報道されたメールやショートメッセージのやり取りについては、「考えられる限りの確認を行った結果、私の側には、そのような記録は見つかりませんし、記憶もありません」と主張しました。選挙期間中は毎日大量のやり取りが発生するため、個々の詳細を記憶しているわけではないとしつつも、記録がない以上、否定せざるを得ないとの立場を示しました。
「サナエトークン」についても説明否定
一方、「サナエトークン」と呼ばれる暗号資産についても、秘書は「当方、暗号資産として発行するという説明を受けたことは一度もありません」と、関与を全面的に否定しています。
秘書によれば、「サナエトークン」の発行に関わったとされる「NoBorder社」の代表とは、信頼できる人物からの紹介で昨年12月にオンライン会議を行ったとのことです。会議では、同社が検討している「NoBorderアプリ」と、その中で「Japan is Back プロジェクト」として「国民の声を広く聞くための企画」を展開することについての紹介があったと記憶しています。
その会議の中で、「NoBorderアプリ」内でポイントを付与するというアイデアが紹介されたことは記憶しているものの、「暗号資産」という言葉が使われたかについては定かではないとしています。秘書は、「説明をした当該企業の方がそう言っておられるのであればそうなのかもしれない」としつつも、自身には「暗号資産」という言葉を聞いた記憶はないと強調しました。専門的、技術的な説明が多く、あくまで同社が取り組む企画の紹介であり、事務所として関与を求められる要素はなかったとの認識を示しました。
「面識のない方」との関係性の実情
秘書は、報道で氏名が報じられた実業家(「松井氏」)についても、「顔とお名前についてはっきりとした記憶のない方々の一人であり、お会いしたこともない」と述べています。紹介者とのオンラインミーティングの相手が後になって「松井氏」であったのだろうと推測はしたものの、当初は面識のない人物であったため、高市首相から確認された際も「面識のない方である」と報告したと説明しています。
総裁選や衆院選のような選挙期間中は、全国各地の支援者や関係者と電話、メール、メッセージで膨大な量のやり取りが発生し、マスコミからの連絡も絶え間なく入る状況だと指摘しました。普段から付き合いのある関係者以外、たとえ直接会った人物であっても顔と名前を正確に記憶することは難しく、ましてや直接会ったことのない人物については「面識はない」としか言いようがないのが実情だと語りました。こうした多忙な状況下で、個々のやり取りの詳細まで正確に把握・記憶することは困難であるという認識を示唆した形です。
今後の焦点
秘書官の陳述書提出により、疑惑に対する政府・与党側は「事実無根」との姿勢を一層強めるものとみられます。しかし、週刊誌報道で示されたメールやメッセージの存在を巡っては、秘書官の「記録はない」「記憶もない」という主張に対し、さらなる事実確認が求められる可能性もあります。
今後、国会での質疑が続く中で、陳述書の内容がどこまで詳細に検証されるのか、また、報道の根拠となったとされるメール等のやり取りについて、相手方とされる実業家側の見解や、さらなる証拠の提出があるのかどうかなどが焦点となりそうです。高市首相の政治姿勢や信頼性にも関わる問題だけに、引き続き国会内外での議論が注視されることになるでしょう。
まとめ
- 高市早苗首相の秘書官が疑惑を全面否定。
- 中傷動画の作成や「サナエトークン」への関与を否定。
- 疑惑の発端は週刊誌の報道。