2026-07-21 コメント投稿する ▼
中露の共同軍事活動活発化、日本周辺で脅威レベル上昇
特に、中国海軍艦艇による日本の排他的経済水域(EEZ)内での射撃訓練や、両国の爆撃機による日本周辺での長距離飛行は、連携を誇示する示威行為とみられています。 防衛省が「脅威レベルが上がる」と表現するのは、こうした物理的な軍事活動の活発化に加え、両国が連携して国際社会における情報発信や世論形成を狙う「認知戦」を展開する可能性も視野に入れているためでしょう。
EEZ内射撃訓練、公表巡る防衛省の判断
6月下旬、中国海軍の駆逐艦とロシア海軍のフリゲート艦が連携して活動する中、中国艦艇が日本のEEZ内で射撃訓練を実施したことが確認されました。国際法上、EEZ内での艦艇による射撃訓練自体は禁止されていません。日本のEEZは公海に準ずる性格を持つため、他国の艦船が訓練を行うことは原則として認められています。海上自衛隊も、他国のEEZ内で同様の訓練を実施した実績があります。
そのため、今回の訓練について、防衛省内では公表するかどうかの判断が割れたようです。しかし、「中露両国の最近の動向を深く懸念した、高度な政治判断があった」と防衛省幹部は明かしています。この判断の背景には、両国の軍事活動が単発的なものではなく、連携を強め、日本への圧力を増しているという認識があったようです。公表という手段を通じて、中露の連携とそれに対する日本の警戒姿勢を内外に示す狙いがあったと推察されます。
空と海から迫る複合的な脅威
中露両国の軍事活動は、海上に留まるものではありません。6月下旬には、両国の爆撃機が日本周辺の空域を長距離にわたって飛行しました。これは、両国が空と海の双方で連携し、日本周辺における軍事プレゼンスを拡大しようとしている動きと見ることができます。こうした共同での活動は、両国の軍事力の統合や連携能力の向上を示すものであり、日本にとっては、より複雑で対処の難しい脅威となり得るのです。
防衛省が「脅威レベルが上がる」と表現するのは、こうした物理的な軍事活動の活発化に加え、両国が連携して国際社会における情報発信や世論形成を狙う「認知戦」を展開する可能性も視野に入れているためでしょう。軍事的な実力行使だけでなく、情報空間での影響力工作も含めた総合的な脅威として捉え、警戒を強めているのです。
情報発信強化で「認知戦」に対抗
中国外務省は、今回のEEZ内射撃訓練に関する日本の抗議に対し、「何の道理もない」と一方的に拒否する姿勢を示しました。これは、国際法上の解釈の違いを盾に取りつつ、日本の懸念を意図的に無視する中国の常套手段とも言えます。こうした両国の動きに対し、防衛省はこれまで以上に積極的な情報発信を行うことで、国民の安全保障に対する意識を高め、偽情報やプロパガンダが広がる「認知戦」に対抗していく構えです。
防衛省幹部は、訓練内容や周辺海空域における動向について、国際法に則り、かつ国民の理解を得られる形で、より迅速かつ的確に公表していくことの重要性を強調しています。国民一人ひとりが、日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを正確に認識し、冷静な判断を下せるようにすることが、今日の複雑な国際情勢においては不可欠であると言えるでしょう。中露両国の動向は、今後も注視していく必要がありそうです。
まとめ
- 中国とロシアの共同軍事活動が活発化し、日本周辺での脅威レベルが上昇している。
- 防衛省は、中露の軍事活動を懸念し、情報発信を強化する方針を示している。
- EEZ内での射撃訓練は国際法上問題ないが、日本の警戒姿勢を示すために公表された。
- 認知戦に対抗するため、国民の理解を得る情報発信が重要とされている。