2026-06-25 コメント投稿する ▼
猪瀬直樹議員が上野厚労相に「生ぬるい」とダメ出し コンビニ受診の選定療養費義務化を迫り真っ向対立
夜間や休日の救急外来に緊急性のない軽症患者が押し寄せる「コンビニ受診」の問題が再び国会で取り上げられました。2026年6月25日の参議院厚生労働委員会で日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長氏が選定療養費の徴収義務化を迫りましたが、上野賢一郎厚生労働大臣は慎重姿勢に終始しました。これに猪瀬氏は「今の答弁生ぬるいんだよね。それじゃダメだよ」と一喝し、救急医療の崩壊を防ぐには踏み込んだ制度改革が不可欠だと訴えました。医師不足が深刻化する中、政府の腰の重さが際立つ議論となりました。
「やればできる」 紹介状なし大病院の定額負担が示す受診抑制効果
猪瀬直樹議員はまず、既存の選定療養費制度が明確な効果を上げているというデータを提示しました。特定の大病院で紹介状なしの初診患者から最低7700円(選定療養費)を徴収するようになった2022年以降、紹介状なしの患者割合が43%から35%へと減少したという実績です。
厚生労働省の間隆一郎保険局長氏は、この制度の経緯として、2016年に特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院を対象として開始し、その後段階的に対象を拡大、2022年には200床以上の紹介受診重点医療機関を追加するとともに初診の特別料金を7000円以上に引き上げたことを説明しました。紹介状なしの患者割合が減少しており「一定の効果として表れている」との認識を示しました。
猪瀬氏はこの実績を「定額負担に受診抑制効果があることが分かった。やればできる」と評価し、同じ発想を救急外来のコンビニ受診問題にも適用するよう迫ります。
コンビニ受診が救急医療を逼迫させるメカニズム
コンビニ受診とは、本来緊急性のない軽症患者が「平日は休めない」「日中は混んでいる」などの自己都合を優先し、休日や夜間の救急外来をコンビニ感覚で受診する行為を指します。
北海道保健福祉部の調査では、道内の救急医療機関を受診した患者の76%が軽症で、そのうち32%はほぼ治療の必要がない「特に軽症」と診断されていました。こうした患者が増えることで、重症患者への対応が遅れ、医師の疲弊や医療崩壊の原因にもなっています。
119番通報から医師に引き継ぐまでの時間は年々長くなり、救急出動件数と搬送人数も増え続けています。今回の2026年度診療報酬改定で「救急外来医学管理料」や「院内トリアージ実施体制加算」が新設されましたが、これらは受け入れ側の評価であって、患者の受診行動そのものを直接抑制する仕組みではありません。
「コンビニ受診は昔からダメと言われているのに全然なくならない。義務化して当然の環境を作らないと変わらない」
「夜中に軽症で救急に来た人が優先されて、本当に苦しい患者が待たされることがあるなんて信じられない。法律で縛らないと変わらない」
「義務化せず」の上野大臣に猪瀬氏「生ぬるい」と一喝
猪瀬氏は、軽症患者が夜間の救急当番医を受診した際に通常の深夜診療費に加えて選定療養費5000円を徴収している自治体の取り組みを紹介し、これを全国に義務化すべきだと提案しました。
ところが上野大臣の答弁は「地域の実情を踏まえて各医療機関において判断していただくことが重要」「現時点で直ちに国としての一律のルールとして義務化することは考えていない」というものでした。
この答弁を聞いた猪瀬氏は「今の答弁生ぬるいんだよね。それじゃダメだよ」と一喝しました。「やる気の問題ですよ。本当に救急現場のことを考えたら、コンビニ受診をとにかくやめさせないと。お医者さんの数足りないんですから」と強く訴えました。
「地域によって選定療養費を取るかどうかが違うのも問題だ。全国一律でやらないと不公平感が生まれる」
「救急車で来た重症患者の隣で軽い風邪の人が同じ順番で待つ状況がずっと続いている。お医者さんが気の毒だ」
住民の苦情を恐れ導入できない現場 義務化こそが突破口
猪瀬氏が義務化にこだわる背景には現場の切実な事情があります。多くの医療機関は住民からの苦情や評判を恐れて選定療養費の導入に踏み切れていないのが実態です。義務化によって「すべての対象病院が同じ条件で徴収できる環境」をつくることが唯一の解決策だという主張です。
猪瀬氏は「特定の大病院で紹介状のない患者への徴収が義務化されているのと同様に、特定の救急病院のみ義務化することは可能だ」と具体的な方法も示しました。上野大臣は「課題を有する医療機関への仕組みの周知に留める」との姿勢を変えませんでしたが、この慎重姿勢が現場の疲弊を長引かせているという批判は強まっています。
「まず周知を徹底して様子を見る」という政府の手法は、この問題に関しては長年繰り返されてきたアプローチです。その間も救急搬送の遅延は続いており、命に関わる遅延が生じている現実があります。データは選定療養費に抑制効果があることを示しており、猪瀬氏の「やればできる」という言葉は、根拠のある主張と言えます。
政府は医師不足と言いながら、コンビニ受診の義務化には踏み込まない。本当に救急現場を考えているのか疑問だ
まとめ
・2026年6月25日の参院厚生労働委員会で猪瀬直樹議員(日本維新の会)がコンビニ受診の抑制策として選定療養費の徴収義務化を上野賢一郎厚生労働大臣に迫った
・大病院での紹介状なし初診への選定療養費義務化により紹介状なし患者が43%から35%へ減少した実績を「やればできる」と評価した上で、救急外来にも同様の義務化を提案
・上野大臣は「地域の実情を踏まえて各医療機関が判断することが重要」「現時点で一律義務化は考えていない」と慎重姿勢に終始した
・猪瀬氏は「今の答弁生ぬるいんだよね。それじゃダメだよ」と一喝、住民の苦情を恐れる医療機関のために国が義務化すべきと訴えた
・119番から医師引き継ぎまでの時間が延びるなど救急現場は逼迫しており、医師不足の中でコンビニ受診の抑制は急務となっている
・政府は2026年度診療報酬改定で救急外来の評価新設を行ったが、患者の受診行動を直接抑制する仕組みは見送られた