2026-05-19 コメント投稿する ▼
食育推進基本計画に「超加工食品」の危険性を 岩渕友議員が国会で訴える
日本共産党の岩渕友議員は2026年5月19日の参院農林水産委員会で、政府が策定中の食育推進基本計画に「超加工食品」の概念とその危険性を位置付けるべきだと強く主張しました。世界で最も権威ある医学誌のひとつランセットが慢性疾患との関連を示す論文を特集し、米国は最新の食事指針で初めて超加工食品への警告を明記しました。しかし日本の食育推進基本計画には超加工食品の概念すら盛り込まれていません。岩渕氏は「働いても生活は楽にならず、手軽で安い超加工食品に頼らざるを得ない実態がある」と指摘し、企業利益優先の構造自体に目を向けなければ食生活の改善は進まないと訴えました。
食育推進基本計画に超加工食品の危険性の位置付けを
日本共産党(共産)の岩渕友議員は2026年5月19日の参院農林水産委員会で、政府の食育推進基本計画の策定に際して「超加工食品」の概念とその危険性を計画に位置付けるべきだと強く主張しました。
超加工食品(UPF)とは、加工食品よりさらに上位に位置づけられる概念です。菓子パンやスナック、清涼飲料水、インスタントラーメンなどが代表例で、乳化剤・保存料・香料・着色料・安定剤など家庭料理では使わない成分を多く含み、工業的に製造されたものを指します。ブラジルのサンパウロ大学が2010年に提唱した「NOVA分類」が国際的に広く用いられています。
岩渕氏は、世界で最も権威のある医学誌のひとつランセットが2025年12月に特集号を組み、超加工食品の日常的な摂取がさまざまな慢性疾患を招くことを示す複数の論文を掲載したことを指摘しました。慢性疾患との関連が科学的に積み上げられる中、アメリカなど各国が食生活指針に超加工食品の危険性と警告を掲載していると述べ、日本でも食育推進基本計画に位置付けるべきだと求めました。
超加工食品を毎日食べているけど危険だとは全く教わってこなかった。日本でも情報開示を義務付けるべきだ
世界で規制強化の動きが加速 日本は周回遅れ
国際的な動きは急速に加速しています。2026年1月7日に公表された米国の食事指針(2025〜2030年版)では、「高度に加工された食品への過度な依存を控える」という文言が初めて明記されました。同指針の中心メッセージは「本物の食物を食べよう」であり、超加工食品が公式に規制対象として示された画期的な転換です。
カリフォルニア州では学校給食から超加工食品を段階的に廃止する全米初の法案が可決されています。米国の保健福祉長官は超加工食品や食品添加物を「毒」と呼び、「子どもたちの肥満・糖尿病・慢性疾患の急増を引き起こしている」と断言しています。英国では高カロリー・高塩分・高脂肪食品の店頭配置やプロモーションを規制する制度が導入され、チリ・ブラジルなどもNOVA分類を用いた食事指針で超加工食品を明確に規制しています。
ランセット特集号の論文は、食品企業が脳の報酬系を刺激するように超加工食品を科学的に設計しているという「企業のパワー構造」の問題にも踏み込んでおり、研究者や政策立案者の間で議論を呼んでいます。
超加工食品の日常的な摂取ができてしまう構造自体を変えなければ、健康格差は広がるばかりだ
「選択の自由」ではなく「選ばざるを得ない現実」がある
岩渕氏は、磯田宏・九州大名誉教授の「私たちの食生活での『選択』は、個々の自律的な選択のように見えてそうではない」との指摘を紹介しました。
岩渕氏は「働いても生活は楽にならず、高い生鮮品より、手軽で安い超加工食品に頼らざるを得ない実態がある」と強調しました。物価高騰が続く中、低所得の家庭ほどカロリーは高くても栄養バランスが偏った超加工食品に依存せざるを得ない状況に追い込まれており、「個人の選択」という枠組みで食の問題を語ること自体が成り立ちにくくなっています。
「自分では健康的な食事を選ぼうとしているのに、スーパーには安い超加工食品ばかりで選択肢がない」
「食品企業の利益と国民の健康が対立する構造を変えなければ、食育はどこまでいっても絵に描いた餅だ」
食育政策に企業利益優先の構造を直視する視点を
岩渕氏は「企業利益優先の構造自体に目を向けなければ、基本計画の目標はいつまでも達成できず、食生活の改善はできない」と主張しました。
食育推進基本計画は国民の食への理解を深め、健全な食生活を推進するための政府の基本方針です。しかし現行の計画には超加工食品という概念が位置付けられておらず、世界各国の先進的な動きに日本が明確に立ち遅れている状況です。個々の食の選択を個人の責任に帰するのではなく、食品環境そのものを整えるという視点が今後の食育政策には不可欠です。
食を改善したくても経済的な理由から超加工食品しか手が届かない。その現実に向き合わない食育は空虚だ
まとめ
- 岩渕友議員が2026年5月19日の参院農水委員会で食育推進基本計画への超加工食品の位置付けを求める
- 超加工食品(UPF)=家庭料理では使わない添加物を多く含み工業的に製造された食品
- ランセットが2025年12月に特集し、慢性疾患との関連を示す論文を複数掲載
- 米国は2026年1月に食事指針を改訂し、初めて超加工食品への警告を明記
- カリフォルニア州が学校給食からの超加工食品廃止法案を可決するなど国際的規制が加速
- 低所得世帯ほど安価な超加工食品に依存せざるを得ない経済的格差の問題が根底に
- 「企業利益優先の構造自体に目を向けなければ食生活の改善はできない」と主張